「灼熱の太陽はどこへ…」、全国的にも豪雨の被害が頻発している中、「埼玉」は災害が極めて少ないとても住みやすい所だ。そんな恵まれた環境の中、本校野球部は「野球ができる環境に感謝し、夏の甲子園12回目出場を目指し準決勝戦に挑む」。東日本大震災後は、被災地に支援・交流を続けてきた本校が、「さらに東北(石巻)を元気にする」意気込みで、学校一体となって連覇に向け王手をかけた。
梅雨が明けたとはいえ、カラッと晴れない7月27日(土)、県営大宮球場にて、第95回全国高校野球選手権記念大会埼玉県予選準決勝戦を迎えた。準決勝の相手は、好投手川畑君を要する聖望学園高校。直近では、一昨年秋・昨夏・昨秋と川畑投手を相手に3連勝している。今日は二番手として、2回1アウトから好リリーフ。右スリークォーターから繰り出す内角の速球と外角のスライダーに浦学打線はてこずった。
浦学・小島、聖望・川畑両投手の緊迫した投げ合いは、7回表終了まで無得点、安打数も浦学3、聖望5安打と相手が優勢。球場の雰囲気、試合の流れも中盤までは、聖望学園高校に風が吹いていた。
後がない9回表浦学の攻撃、先頭の3番打者山根中堅手(広島県大州中学校出身)が主将の意地を見せて、レフト前安打で出塁すると、ベンチは迷わず4番高田三塁手(朝霞市立第三中学校出身)に送りバントのサイン。甲子園でも本塁打3本放った長距離打者も、チームの勝利にしっかりと仕事をこなした。続く、5番木暮(上尾市立上尾中学校出身)が凡退。2アウトから6番斎藤右翼手(入間市立藤沢中学校出身)が、見事、右中間を深々と破る3塁打で均衡を破った。投げては、小島投手(鴻巣市立赤見台中学校)が、5安打完封で2試合連続無得点に抑えた。
浦学スタンドには、2学年の生徒をはじめ多くのファンで埋め尽くされた。両チームきびきびとした、高校生らしい好ゲームにスタンドからの拍手は、いつもよりひときわ大きかった。
準決勝戦は、浦学ファイヤーレッズの他、2年生の学年応援となった。吹奏楽部・ソングリーダー部も連日の大声援。
手・汗握る、締まった試合。相手校の安打数が上回った分、ピンチを切り抜け安堵感を漂わせる浦学生。野球部の応援スタンドには、引退したOBがたくさん詰めかけ応援を加勢してくれた。
小島投手は立ち上がりこそボールに勢いがなかったが、尻上がりにいつものペースに戻り完封した。厳しさと優しさを兼ね備える森監督も、ゲーム中のピンチには、時にはおどけて見せ選手たちの力みを和らげる。
何度となく訪れたピンチには、円陣を組み2年生投手の小島を盛り上げる3年生の選手たち。9回裏、4番高田が必死に送る。目・バット・ボールの3点が揃った模範的な絶妙のバントだ。
6番斎藤が均衡を破る。豪快なスイングで、右中間真っ二つの3塁打。殊勲の斎藤がガッツポーズ。
苦しんだ末の1勝は、チームとしても大感激。グラウンド・スタンドが一つの代は、計り知れぬ底力を発揮する。得点版だけを見れば「1点」だが、今日の試合の重みは、明日へのエネルギーとしては計り知れなく大きい。
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25.7.27 対 聖望学園.pdf
(浦和学院高校公式ホームページより)