◇応援団長務めた熱血漢 克服した弱み武器に |
「自分不器用なので」。鬼気迫る表情で汗を流す渡辺はさいたま土合中3年次にKボール埼玉選抜で全国制覇を成し遂げた一人。真面目を絵に描いたような練習態度は評価が高く、チームメートからの信頼も厚い。
昨年8月上旬に左足甲を骨折し、秋季県大会から明治神宮大会まで応援団長を務めた。浦和学院野球部の応援団長はスタンド応援を指揮するだけでなく、大会期間中はメンバー外の部員を統率する重要な役割を担う。
「口がうまくないので姿で引っ張っていこう」。メンバーから外れても、実直な意志と情熱が揺らぐことはなかった。どんな雑務でも率先してこなす渡辺の熱意に周囲も応え、一丸となった応援でスタンドからチームの躍進に貢献した。
メンバーを支えながら空いた時間を自らの練習に充て、もともと苦手としていた打球判断とフライの追い方を徹底。守備の弱点を克服したことで「アピールできることがなかった自分の武器になった」と自信を得た。
課題は「波がある」という打撃面。「打てなきゃ1枚目(レギュラー)は取れない。もっと自分のフォームを固めて実戦で確率を上げたい」と競争の激しい外野陣の中で奮闘する。「メンバーに入りたいという気持ちは誰よりも強い。開幕まで必死に頑張るしかない」。甲子園ではグラウンドで貢献してみせる。
(埼玉新聞)