◇日本一の兄3人に続け 追い求めた勝負強さ |
昨秋は4番として打線の中軸を務めた山崎。物心ついたときから大の野球好きで「兄のプレーを見ることから始まり、年を重ねてできることが増えていった」。家族が集まると「試合のビデオやプロ野球を見ながら野球の話をする」。筋金入りの野球一家に生まれた。
4兄弟の末っ子。長兄・領さんは日体大の軟式で、浦和学院OBの次兄・将さんは東洋大で、三兄・雄太さんは中学時代浦和シニアでそれぞれ日本一を経験したが、甲子園出場は兄弟初の快挙。毎日のように「甲子園で打てよ」と激励される。
日本一を懸けた大会には兄の応援で幾度となく足を運んだ。「やっぱり雰囲気が違う。自分も日本一を狙いたいが、大事なのは一戦一戦。甲子園で戦える楽しみ、わくわくする気持ちが大きい」と夢舞台でのプレーを心待ちにしている。
昨秋に記録した74打点(練習試合含む)は出場校の選手の中でも最多。「大きな当たりを打つタイプではない。勝負どころで打てるように」と、テーマに掲げる勝負強さが数字に表れている。
県3回戦で涙をのんだ昨夏も4番・一塁手で出場。「何もできず、何も考えられず終わった」という反省を生かし、常に試合のスピード感を意識しながら練習に取り組んできた。「4番は誰にも譲りたくない」。家族、仲間の期待を背負い、球児たちの聖地に立つ。=おわり
(埼玉新聞)