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<浦和学院だより>浦学、ベスト4懸けきょう県岐阜商戦 屈指右腕打ち崩せ

◇浦学、ベスト4懸けきょう県岐阜商戦
準々決勝の前日練習で守備練習する(左から)水岡、臺、諏訪、津田、山崎ら浦和学院の内野陣=28日午後、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場

準々決勝の前日練習で守備練習する(左から)水岡、臺、諏訪、津田、山崎ら浦和学院の内野陣=28日午後、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場

 第87回選抜高校野球大会で2年ぶり2度目の全国制覇に挑む浦和学院は29日、兵庫県西宮市の甲子園球場で行われる第3試合(13時30分)で、4強入りを懸けて県岐阜商と準々決勝を争う。チームは前日の28日、同市内の鳴尾浜臨海公園野球場で約2時間の最終調整を行った。

 浦和学院は23日の1回戦で史上3校目の春連覇を狙った龍谷大平安(京都)、27日の2回戦で甲子園初出場の大曲工(秋田)を下して6度目のベスト8進出。県岐阜商は今大会屈指の最速152キロ右腕高橋を擁し、戦前に春3度、夏1度の甲子園優勝経験がある古豪。高橋が先発した28日の2回戦では近江(滋賀)に3-0で完封勝ちした。

 浦和学院の森監督は、「試合を重ねるごとにチームは成長している」と手応えを感じている様子。高橋対策については「今まで通りにやっても打てない。積極的にバットを振っていく」と意気込みを語った。

◇屈指右腕打ち崩せ 高橋想定し打撃練習
県岐阜商の前日練習で、バント練習を行う幸喜(右)ら浦和学院ナイン=28日、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場

県岐阜商の前日練習で、バント練習を行う幸喜(右)ら浦和学院ナイン=28日、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場

 浦和学院は29日の準々決勝で、大会屈指の本格派、高橋擁する県岐阜商と対戦する。チームは前日の28日、鳴尾浜臨海公園野球場で約2時間の調整を行った。森監督は「(高橋は)そう簡単には打ち崩せない。粘って食らいついて勝機を見いだす」と力を込めた。

 この日の2回戦で、県岐阜商は近江(滋賀)を3-0で破った。高橋は3安打10奪三振で完封。初戦に続いて最速150キロをマークした。2試合で自責点ゼロと抜群の安定感を見せた。

 浦和学院は高橋との対戦が決まると、練習では早速、速球対策に取り組んだ。マシン打撃で150キロ超の速球に目を慣らし、シート打撃では右投手が本塁方向へ約1メートル近づいて直球を投じた。

 山崎滉が左翼手の頭上を越える本塁打を放つなど、ナインは引き締まった表情でバットを振り込んだ。

 「(カウントを)取りに来るストレートに対して振り負けないこと」と森監督。高橋は「速いボールになんとか食らいつきたい。甘い球が来たら逃さないように」と好球必打を掲げた。

◇疲労見せない動き エース江口

 エース左腕江口は1、2回戦の2試合で268球を投げ抜いた疲労を感じさせず、「全然問題ありません」と屈託のない笑顔を見せる。狙い球を絞られた2回戦では10安打を浴びたが、「ピンチになってからの粘りが持ち味。野手を信頼して投げることができた」と自信につなげた。

 投手戦が予想される県岐阜商との対戦を前に、「(相手打線は)初球から振ってくる。一人一人の打者にしっかり向かっていって勝ちをつかんでいきたい」と、さらなる貢献を誓った。

◇初安打にも反省 幸喜

 2回戦の第1打席で中前打を放った幸喜は「外寄りの高めの真っすぐ。まず1本出てよかった」と甲子園初安打の感触を振り返った。その後は中飛と併殺に倒れただけに、「当てにいくバッティングになっていた」と反省も忘れなかった。

 「外の真っすぐに対してヘッドが下がる」と現状の課題を自覚し、「かぶせていければいい打球が出る」と改善へのイメージを膨らませる。中軸としての責任を果たすためにも、「自分のスイングをしたい」と高橋攻略に意欲をにじませた。

◇森監督一問一答「振り負けないこと」

 29日の準々決勝で県岐阜商と対戦することが決まり、浦和学院の森監督が練習後に意気込みを語った。

 ―2試合を終えたチームの充実ぶりは。

 「1戦目、2戦目と試合を重ねるごとにチームが成長している。日々の時間やインターバルの練習の中で、いろいろな課題を見つけながら修正したり克服している。いいところ、悪いところはたくさんある」

 ―今大会屈指の右腕・高橋の攻略が課題。

 「今まで通りにやっても打てない。とにかく当たって砕けろ。積極的にバットを振っていく。振らないことには当たらない。思い切りだけ。(カウントを)取りに来るストレートに対して振り負けないこと」

 ―理想の展開は。

 「うちがもし勝てるとするならば、ローゲームを制するしかない。そう簡単に打ち崩せるとは思っていない。粘って粘って食らいついて勝機を見いだしていくのみ」

 ―試合への意気込み。

 「ここからは本当に厳しい戦い。一戦必勝の気持ちを忘れず、思い切ってやるだけ」

◇ローゲームにこそ勝機

 全国制覇への道半ばで今大会最大のヤマ場を迎える。今大会ナンバーワンとの呼び声高い右腕高橋との対戦を前に、森監督は「勝てるとするならばローゲームを制するしかない」と接戦に勝機を見いだしている。

 県岐阜商のエース右腕高橋は、主将も務めるチームの精神的支柱。最速152キロの直球にカーブとスライダーを織り交ぜる。切れ目のない浦和学院打線をもってしても、大量得点を期待するのは難しい。

 攻略への糸口は好調の諏訪ら左打者。左打者に対しては制球が甘くなる癖が見受けられ、内角を狙った直球がシュート回転してくるチャンスボールを逃さず捉えたい。

 カウントを取りにくる外角の直球に臆せず踏み込んでいけるかが重要なポイント。早い段階から果敢にバットを振っていき、相手の意識に積極性を植え付けたい。いずれにしても、追い込まれてギアを上げられる前に勝負することが鉄則だ。

 練習で鋭い当たりを連発していた山崎滉は「速い球でも回数をこなせば目が慣れてくる。人が投げる球なら打てないことはない」と力を込める。1、2回戦に続いて先発が濃厚なエース左腕江口は「2試合戦って緊張もほぐれ、自分たちのプレーができる。0点に抑える」と闘志を燃やした。

 試練の戦いを乗り越えた先には、目指す頂も視界に入ってくるはずだ。

(埼玉新聞)

◇浦和学院、大会屈指右腕と対戦へ
準々決勝を前に熱を帯びた練習をする浦和学院の選手たち=兵庫県西宮市

準々決勝を前に熱を帯びた練習をする浦和学院の選手たち=兵庫県西宮市

 第87回選抜高校野球大会で2年ぶりのベスト8に進出した浦和学院の選手は28日、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場で練習に励んだ。29日の準々決勝第3試合で、今大会屈指の右腕、高橋純平投手(3年)を擁する県岐阜商と戦う。

 県岐阜商は2年ぶり28回目の出場。高橋投手は183センチの体をしなやかに使った速球が持ち味で、今大会は1、2回戦とも2桁奪三振と、球速150キロを記録。打撃では、1番の村居尚磨(しょうま)選手(同)や、2回戦で先制適時打を放った中軸の竹腰裕行選手(同)らが調子を上げてきている。

 浦和学院は28日、高橋投手の速球に対応するため、投手と打者の距離を普段よりも近づけて打撃練習したり、各選手が打撃フォームの細かな動作を確認したりしていた。

 山崎滉太選手(同)は「人間が投げる球を打てないことはない。しっかりと直球を打つ」。森士(おさむ)監督は「積極的にバットを振っていく。簡単に打ち崩せるとは思っていないので、粘ってゲームを制したい」と意気込んでいた。

(朝日新聞埼玉版)

◇きょうの見どころ

 県岐阜商のエース・高橋の出来が勝敗を左右しそう。140キロ台後半の直球とスライダーを武器に2試合連続完投し、被安打は計5。疲労だけが心配だ。浦和学院は荒木ら下位打線が活発。高橋攻略には本調子でない中軸の目覚めが不可欠だ。

(毎日新聞)

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