25日に開幕する春季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が21日、上尾市のスポーツ総合センターで行われ、各地区大会を勝ち上がった40校に、選抜大会出場の浦和学院を加えた41校の対戦相手が決定した。選抜大会4強で昨秋の県大会優勝のAシード浦和学院は山村学園、同準優勝のAシード川越東は本庄第一とそれぞれ初戦の2回戦で顔を合わせる。
昨秋の県4強の春日部東、花咲徳栄(ともにBシード)は抽選によって春日部東が浦和学院ゾーン、花咲徳栄が川越東ゾーンに収まり、春日部東は早大本庄、花咲徳栄が大宮北の挑戦を受ける。
大会は県営大宮など4球場で熱戦が繰り広げられる。順調に日程を消化すれば、決勝は5月5日に県営大宮で実施予定。浦和学院は関東高校大会(5月16~20日・山梨)への推薦出場が決まっているため、浦和学院が決勝に進んだ場合は同日に3位決定戦が行われ、3チームが関東大会に出場する。また、ベスト16が全国高校選手権埼玉大会(7月10日開幕)のシード権を獲得する。
大会は全試合が有料で一般500円、中高生200円。引率された少年野球・中学生チーム(引率者・保護者は有料)障害者(障害者手帳の提示必須)と介添え者1人、小学生以下は無料。
◇浦学追う川越東、徳栄、聖望ら |
優勝争いは選抜大会4強の浦和学院が本命。しかし、選抜大会に一度ピークを合わせただけに、3週間の準備期間でコンディションがどこまで仕上がっているか。その意味では川越東、花咲徳栄、春日部東、市川越、聖望学園などにも勝機がある。
浦和学院はエース左腕江口をフル回転させるとは考えにくく、左腕小倉や2年生右腕榊原が軸になりそう。順当ならば準々決勝で秋8強の春日部共栄、若生新監督率いる埼玉栄との対戦が予想され、一つのヤマを迎える。春日部共栄はエースで主砲の高野が中心。埼玉栄はエース出井の安定感が光る。
打力向上が顕著な川越東は初戦から難敵が続くだけに、左腕高橋の使いどころに注目。磯川ら投手陣が高橋の負担を軽減したい。3回戦でも県内屈指の右腕登坂を擁する市川越、例年より打力のある上尾が待ち構える。
エース右腕鎌倉が上り調子の花咲徳栄は8強までは危なげない。昨秋の県準決勝でも浦和学院と1-3の激闘を演じており、岡崎、大滝、里見のクリーンアップはライバルにも引けをとらない。春日部東は持ち味の堅守で粘り強く戦いたい。
松山-聖望学園は1回戦の好カード。昨秋は県2回戦で敗退した聖望学園だが総合力は随一。右腕松本は安定感にたけ、大野泰ら打線も強力。松山はエース北島の出来が命運を握る。右腕田頭を軸にまとまりのある朝霞、1番綿引が好調な岩槻にも期待。
◇夏への収穫に期待 |
選抜大会4強の浦和学院は大会3連覇と秋春連続の頂点が懸かる。森監督は「状態を整えるのに精いっぱいで、出遅れているのは否めない」とした上で、「チーム全体としてつかめるものがあれば」と夏を見据えた新たな収穫に期待を寄せる。
チームの現状は選抜大会で出場機会のなかった渡辺やベンチ外だった田村らの奮闘に、レギュラー陣も危機感を抱いているという。主将の津田は「引き締め直して、もう一度がむっしゃらにやっていきたい」と横一線での再スタートを強調する。
「一冬越えて各チームの成長度合いを拝見できる貴重な機会。もう一度山を登りたい」と指揮官。津田も「練習試合では自分たちの力で点を取ることができていない。夏に向けて必要な力をつけたい」と地力の向上を掲げた。
◇初Vへ投打充実 |
昨秋の県準優勝のAシード川越東は初戦の2回戦で本庄第一と激突。主将の大南は「強い相手が来てくれた。初戦から気を引き締めていける」と力を込め、「秋の決勝で浦和学院に負けた自分たちはチャレンジャー」と初優勝へ気合十分だ。
けがで戦列を離脱していた切り込み隊長の福岡も復帰予定で、打線の厚みは県内でもトップクラス。エース左腕高橋を中心とした投手陣も充実している。大南は「強いと言われているチームに勝たなければ甲子園に行けない。この大会も優勝を目指す」と秋に続く快進撃を誓った。
◇堅守特長の両校 逆襲へ虎視眈々 春日部東、花咲徳栄 |
秋季大会4強でBシードの春日部東と花咲徳栄は虎視眈々(たんたん)と逆襲の機をうかがう。
総合力で勝負する春日部東の冨沢監督は「派手な力はない。しつこく守っていきたい」と堅守を軸に掲げ、主将の大竹も「雰囲気は非常にいい。確実に夏のシードを取りたい」と引き締める。
花咲徳栄は右腕鎌倉を中心に特長の緻密な試合運びに磨きがかかった。主将の米沢は「負けていい試合は一つもない。取り組んできたことをどれだけ出せるかが夏につながる」と目を輝かせた。
◇17年ぶり県大会 上位進出へ闘志 熊谷工 |
17年ぶりの県大会出場を果たした熊谷工は、地区大会で熊谷農、上尾南に2試合連続のコールド勝ちと強打を発揮した。増田監督が掲げる「工業高校らしく強い野球をしよう」という旗印の下、練習後も熱心にバットを振り込んできた。
左腕小谷野、細田、和田の両右腕が踏ん張れば上位進出も見えてくる。主将の白根は「うちはバッティングのチーム。投手陣がしっかり抑えることで打線が波に乗る。まずは目標のベスト8に入って、さらに上を狙いたい」と闘志を燃やした。
(埼玉新聞)