球界最小兵も関係ないね!オリックスは18日、大阪市内のホテルで、14選手の新入団発表を行い、育成4位の坂本一将内野手(26=BC石川)は親交がある俳優の柴田恭兵の名ゼリフを座右の銘とし、プロの世界で生き残ることを誓った。
同期の13人と比べてもひときわ小柄。1メートル62は来季はプロ野球最小兵となる。だが、坂本はハンデとは思っていない。幼少時から肝に銘じてきたのは、07年に他界した父・貢さんの「大きいヤツには負けるな」の言葉。父はかつて漫画家・水島新司氏率いる草野球チーム「あぶさん」に所属。そこで柴田恭兵とチームメートとなり、坂本も幼い頃から一緒に野球をし、柴田邸でも遊んだという。
大物俳優相手にも「友達ですね。恭兵さんと呼んでます」。父亡き後も頻繁に連絡を取り、プロ入りに際しては「ちゃんと敬語を覚えてから入れよ」とエールを送られた。出演映画、ドラマはほぼ全て観賞。もちろん「あぶない刑事」シリーズはお気に入りの一作だ。
坂本は武蔵府中リトル時代には世界一に輝いた経歴を持つ。本職は内野手ながら、昨季所属したBC石川では外野も練習。足と守備を磨き続けてきた。「監督が“1人いたら助かる”と思える選手になりたい。年齢上、1年ダメだったら終わり」と持ち前の反骨心で生き残る覚悟だ。
大きな夢がある。「活躍したら、絶対に言いたい」。支配下登録を勝ち取り、お立ち台の上から「関係ないね!」と叫ぶ。憧れの名俳優と同様に千両役者の道を歩んでみせる。
坂本一将(さかもと・かずまさ)
1990年(平2)11月16日、東京都出身の26歳。小1から野球を始め、浦和学院では3年夏に甲子園出場。東洋大、セガサミーを経て16年はBCリーグ・石川でプレー。今季は打率.305、29打点、19盗塁。1メートル62、65キロ。右投げ左打ち。
▽球界の小兵選手 今季の現役選手(育成含む)で最低身長は西武・水口とDeNA・内村の1メートル63。近年では07年まで中日に在籍した内野手の鎌田圭司が1メートル62だった。歴代では、阪急・浜崎真二投手と中日・忠治内野手の兄弟がともに1メートル56で最も低かったとされる。
(スポニチ)
柴田恭兵と知り合いオリ育成坂本は小兵も関係ないね
あぶない育成新人現る!? オリックスの新人選手入団会見が18日、大阪市内で行われ、支配下9人と育成5人の計14人が出席。育成4位のBCリーグ石川・坂本一将内野手(26)は、俳優の柴田恭兵(65)が古くからの知人でプロ入り前に激励された。身長162センチは現役で最も小さい選手となるが、“関係ないね”とばかりに早期の支配下登録を勝ち取るつもりだ。
プロ入りという長年の夢をかなえた坂本が、意外なつながりを明かした。柴田といえば映画化もされた主演ドラマ「あぶない刑事」などの代表作がある大物俳優。坂本は「恭兵さん」と呼び、父のように慕っている。「先週も会いましたよ。ドラフト指名されて電話で連絡はしましたけど、あいさつに行けてなかったので」。柴田からは「良かったね。プロ入りの前にちゃんと敬語を覚えろよ」と激励されたという。
実父の貢(みつぐ)さんと柴田が草野球のチームメートだった縁で、坂本も子供のころから知り合い。「1年に1回は絶対に会います。キャッチボールもやりますよ。甲子園に出た時とか、節目で花を贈ってくれたりしました」。貢さんは高2の5月に57歳で心不全で急死。かなり落ち込んだが、柴田の励ましも支えになった。
柴田と言えば缶コーヒーのCMでも使われた「関係ないね」のせりふが有名。坂本にとっては162センチの身長や26歳という年齢のハンディも“関係ないね”と言いたいところ。「周りより頭1つ、2つ小さいことが当たり前。その中で生き残った経験と生命力で頑張りたい。年齢も年齢だし、ショート、サード、セカンド、外野、代走、バント…。すべてできるようになって、監督が『1人いたらいいな』と思うような選手になりたい」。
本職は二遊間だが、ドラフト指名された時に備えて三塁や外野も個人特訓してきた。50メートル5秒8の足と、粘り強い打撃が売り。早く1軍デビューを果たし「恭兵さん」にも喜びの報告がしたい。
(日刊スポーツ)