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浦学、春日部共栄にサヨナラ勝ちで4年ぶり決勝 高校野球埼玉大会

 第99回全国高校野球選手権埼玉大会第13日は24日、県営大宮球場で準決勝2試合を行い、ともにAシードの浦和学院と花咲徳栄が26日の決勝に進んだ。浦和学院は4年ぶり17度目、花咲徳栄は3年連続6度目の決勝進出。昨秋、今春の県大会決勝と同カードで両校が夏の決勝で顔を合わせるのは初めて。埼玉を代表する両雄が甲子園への切符を懸けた大一番で激突する。

 名門同士のぶつかり合いとなった浦和学院―春日部共栄は、秋、春に続く今季県大会3冠を目指す浦和学院が3-2でサヨナラ勝ち。九回に蛭間が右前打で出塁。山本が犠打で送り2死後、本田が内野安打を放って決勝点を奪った。二回に秋山がソロ本塁打、五回には森川のスクイズで得点した。

 春日部共栄は七回、谷島の適時打と暴投で2点を挙げ、同点とした。しかし、八回の2死二塁の勝ち越し機に主砲山本の左中間へのライナーが浦和学院のセンター山本に好捕されるなど、1点に泣いた。

 花咲徳栄は山村学園を11-1で退けた。2-1の七回、西川が中越えに満塁ランニング本塁打を放つなど、一挙9点を奪い試合を決めた。西川は今大会4本塁打。

 初の4強に名乗りを上げた山村学園は、先発の1年生左腕和田が準々決勝に続き粘投。強打の花咲徳栄打線を2失点に抑えたが、七回以降、代わった投手陣が踏ん張り切れなかった。

 4年ぶり13度目の頂点を目指す浦和学院と、1県1校代表制では史上初の3連覇を狙う花咲徳栄。春、秋を合わせた過去10年の県大会決勝では9度顔を合わせているが、夏の決勝対戦は初。

 両校は秋季、春季県大会の決勝でも激突。秋は延長十一回の末、浦和学院が4-3でサヨナラ勝ち。春も延長までもつれ込む熱戦を演じ十回の末、浦和学院が7-6でサヨナラ勝ちした。

 決勝は26日午前10時、県営大宮でプレーボール。

底知れぬ勝負根性 浦和学院

9回裏2死二塁、本田の内野安打でサヨナラの生還を果たした二塁走者蛭間(9)を迎える清水ら浦和学院ナイン

 これぞ、浦和学院というべき勝ち方だ。

 放った安打はわずかに5安打。それでも好機を何が何でも仕留める勝負強さと執念で、夏の大会では15年ぶりの対決となった宿敵・春日部共栄に今大会2度目のサヨナラ勝ち。過去3年間、逃してきた決勝切符をまずは手にし、森監督は「最後にきて、選手がよく成長してくれている」と満足そうにうなずいた。

 偉大な先輩たちから代々受け継がれる底知れない勝負根性が、最後の場面に凝縮されていた。

 2-2の九回、2死二塁。本田の強烈な打球が二遊間を襲う。だが、3年ぶりの甲子園へ執念を燃やす春日部共栄の主将、二塁手川畑が飛び付き、グラブに当てた。転々とするボール。ぐるぐる腕を回す三塁コーチャーの赤岩に勇気をもらい、二塁走者蛭間に迷いはない。

 三塁ベースを全力で蹴る。はじいた打球に追い付いた川畑からワンバウンドのストライク送球。蛭間は体を傾け、やや回り込みながら、頭から突っ込んだ。捕手又吉のタッチをかいくぐり、一瞬早く左手でホームベースを触った。主審の両手が横に開く。サヨナラ劇に、普段は冷静な浦学ナインも喜び爆発だ。

 報道陣から知らされるまで中堅に抜けたと思い込んでいた蛭間は「とにかく一心不乱だった」と決死の好走塁を誇った。

 2-2とされた八回には2死二塁で左中間への大飛球を中堅手山本が飛び付いて好捕。勝ち越しは許さず、守備でも関東王者の意地を見せた。

 聖望学園、春日部共栄と甲子園出場経験のある強豪私学を連続でなぎ倒し、決勝で迎え撃つのは2連覇中の花咲徳栄だ。

 4年ぶりの聖地へ、そして史上2校目の3冠へ、最後にして最大の難敵が待ち構えるが「厳しいゾーンを勝ち上がってきたことを自信に思いっきりプレーしてほしい」と森監督。浦学の強さを証明するために、さあ舞台は整った。

外角直球を強振 初のサヨナラ打

 2-2の九回裏2死二塁、カウント2ボール1ストライク。7番本田が「ここで俺が決めるんだ」と4球目の外角直球を踏み込んで振り抜いた。「抜けてくれ」。執念が実り、鋭い打球が横っ跳びした二塁手川畑のグラブをはじいて後方に転がると、二塁走者蛭間が生還した。

 外の直球は得意なコースで、森監督からも「外のストレートを思い切っていけ」と言われていた。まさに狙い通りの打撃で「記憶にない」という初のサヨナラ打に、顔がほころんだ。

扇の要 攻守に奮闘 秋山

2回裏2死、秋山が左越えソロを放つ

 秋山が攻守で見せ場をつくり、チームを決勝へ導いた。森監督は「いつもは捕手として引っ張ってくれるけど、攻撃でも良い役割をしてくれた」と背番号2の奮闘ぶりを褒めた。

 まずは打撃で魅せた。先制点が欲しい二回。2死走者なしから、「普段は場面に合わせて打つけど、今日は何も考えないようにした」とチェンジアップを強振した。打球は左翼スタンドに突き刺さるソロ本塁打となり、「早くに点を取れて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 捕手としても3投手を巧みにリードした。

 七回は3番手佐野のスライダーを後ろにそらし(記録は暴投)、同点とされたが、気持ちを切り替え、その後の2人はいずれも三振に切って取り「ここで抑えられたのが鍵だった」と振り返った。

 空いている時間があれば、打撃練習を削ってでも「自分が受け止めなければ勝てない」と捕手練習に力を注ぐ。新チーム結成当初は佐野の一級品のスライダーを止めることができず、試合を落とすこともあったが「当時と比べて捕れるようになった」と成長を実感。決勝でも頼もしい扇の要に注目だ。

おそろいシャツ 200人一丸で応援

 浦和学院は生徒会を中心に応援団「FIRE REDS」を結成し、生徒約200人で応援に駆け付けた。生徒会副会長の2年豊広徳輝さんは「全員で戦っている。苦しいときこそ声援を届けたい」と応援団おそろいのTシャツに汗をにじませながら力を込めた。

(埼玉新聞)

捕手秋山、体を張った捕球で勝利に貢献

 浦和学院がサヨナラで春日部共栄を下し、4年ぶりの決勝進出を決めた。

 試合後、秋山拓海捕手(3年)の右あごにはくっきりとボールの縫い目がついていた。9回、救援の佐野涼弥投手(2年)が繰り出した鋭いスライダーを顔で止めたからだ。「同点にされたのは自分が逸らしたせい。一個も後ろにやらないという気持ちだった」。ベースの手前でワンバウンドする佐野の宝刀・スライダー。腕の振りが鋭く、打者はことごとく空振りするだけに捕手のブロックが肝心だ。

 昨秋も後逸で負けた苦い経験から、秋山は「佐野のスライダーが止められなければ勝てない」と考えた。佐野がブルペンに入れば受け続け、暇さえあればワンバウンドを止める練習を重ねた。自らの打撃練習の時間を削り、朝からストップの練習を1日中続けていたこともあった。「今年に入ってから止められるようになった」。

 夏に向けて自信をつけたブロック。この日佐野は2点を追う7回無死一、二塁から登板。暴投で同点にこそされたが、以降は秋山も体を張ってボールを止め、6三振を奪って追加点を許さず、サヨナラ勝ちを呼びこんだ。秋山は打っても2回に先制の左越えソロ。「決勝もリードで引っ張っていきたい」と力を込めた。

(スポニチ)

念じた一打 Vへ王手 本田選手

 「ここで俺が決めてやる」。同点で迎えた九回裏2死二塁、浦和学院の本田渉選手(3年)が打席に入った。この日は3打席で1犠打のほかは凡退。悔しい思いを晴らすことができる一打サヨナラの最高の舞台を、仲間が整えてくれた。

 4球目の低めの球を捉えた。鋭いゴロが二塁手の左へ。「抜けてくれ」。ぎりぎりで追いつかれたが、打球はグラブをはじいた。二塁から蛭間拓哉選手(2年)が一気に生還。本田君は叫びながら一塁から蛭間君のもとへ駆け寄った。「とにかく勝ちたいという思いがつながった」

 2014年から遠のく夏の甲子園に王手をかけた。蛭間君は「チーム全員が役割を果たせていると思う。次も全員で勝つ」。

打撃直撃 対戦相手が手当て

 四回裏、浦和学院の先頭打者の打球が、春日部共栄の大木喬也投手の左ひざを直撃した。大木君が倒れ込むと、浦和学院の一塁コーチ武富舜選手(3年)、三塁コーチ赤岩航輔主将(同)がすぐに駆け寄り、相手投手の足を冷却スプレーで手当てした。

 武富君は「練習試合でも相手に気を配る。野球人として当たり前です」。大木君は赤岩君の肩を借りてベンチに運ばれ、試合は7分間中断された。大木君は「もうろうとしてあまり覚えていないけど、相手が『大丈夫?』と言って、介抱してくれた」と相手に感謝。ベンチでの治療後、九回まで続投した。

(朝日新聞埼玉版)

 試合結果
 準決勝 7月24日(県営大宮)
TEAM123456789HE
春日部共栄000000200271
浦和学院010010001x350
【浦】清水、渡邉、佐野-秋山
【春】大木、高橋-又吉
秋山(浦)
 浦和学院打撃成績
位置選手名打数安打打点
矢野300
杉山420
家盛200
蛭間410
山本100
秋山411
本田311
清水100
H燈中000
R武富000
1渡邉000
1佐野100
森川201
2553
 春日部共栄打撃成績
位置選手名打数安打打点
川畑420
矢田300
410
山本410
谷島421
又吉410
金子300
一宮100
H鈴木100
6宮崎100
大木300
1高橋000
3271
 投手成績
TEAM選手名被安打奪三振四死球失点自責点
浦和学院清水525100
渡邉1 0/330022
佐野 326100
春日部共栄大木8 1/342432
高橋1/311000
TEAM三振四死球犠打盗塁失策併殺残塁
浦和学院3450015
春日部共栄11210106

 浦和学院が春日部共栄に九回サヨナラ勝ちした。2-2の九回、蛭間の右前打を皮切りに、2死二塁とすると本田が二塁への内野安打を放って激闘に終止符を打った。投げては先発の清水が5回2安打無失点と試合をつくり、3番手佐野が締めた。春日部共栄は相手を上回る7安打を放ったものの、七回に追い付いた直後の1死一、二塁で押し切れず。一、三回のバントミスも痛かった。

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