第100回全国高校野球選手権記念大会は5日、甲子園球場で開幕。5年ぶり13度目出場の浦和学院は大会第8日の第2試合で仙台育英(宮城)と対戦する。豊富な投手陣を中心とした堅守と強化を図ってきた打力で南埼玉大会を制し、夏の甲子園に帰ってきた。4年間、積もりに積もった鬱憤(うっぷん)を大舞台で晴らし、深紅の大優勝旗を目指す。
“新生ウラガク” 夏舞台で進化を
精度高め頂へ挑む 森士監督
「春夏20度出場し、50歳を過ぎて一区切りと思っていた。これからが第2の人生」。監督にとって5年ぶり11度目(春夏通算21度目)の夏の甲子園は新たな船出だ。「さまざまな取り組みに時間がかかってしまったが、次の一歩目を踏み出せた。今の段階で、どれくらいできるのか試してみたい」と心を躍らせる。
これまで以上に意識したのが打撃だ。「全国的に打力が上がっている。昨年の甲子園もホームラン数が多い。そうでなきゃ勝てない」。昨年、花咲徳栄が圧倒的な「破壊力」で頂点まで上り詰めたことには衝撃を受けた。
聖望学園や花咲徳栄が行っているハンマートレーニングや、秀岳館(熊本)が行っている100球のロングティーで飛距離に応じて打撃力を数値化する練習を取り入れた。「まずはまねから」といろいろなところで見聞きした練習方法を試してきた。
戦う準備は整った。幸いにもけが人が復帰し「役者はそろった。あとは精度を上げるだけ」と万全の態勢で臨める。4年分の夏の甲子園への思いを胸に“新生ウラガク”が華々しくデビューを飾る。
投手「層の厚みは全国屈指」
南埼玉大会を危なげない継投で逃げ切った投手層は、全国屈指の厚みがある。甲子園でも投手の調子や相手に合わせた組み合わせで継投し、消耗を最小限に抑えたい。
身長190センチの右腕渡邉は上から投げ下ろす最速149キロの直球が武器。エース右腕河北は威力のある球が力強い。左腕永島は制球力があり、中継ぎ候補。抑えは1年生ながら最速143キロの右横手投げの美又か。
技巧派の右腕近野、球のキレがいい左腕下薗も控える。左腕佐野は左翼手での先発が濃厚。
攻撃「例年以上の強力打線」
例年以上の打力を備えている。上位から下位まで穴がなく、県大会を勝ち上がるにつれてつながりの増した打線は上り調子だ。
主砲の3番蛭間は決勝で3ランを放つなどここぞでの一発が頼もしい。足もあり、9盗塁はチーム最多だ。4番上野は本塁打1本を含む長打5本とパンチ力がある。打率4割8分0厘の1番中前と同6割9分2厘の2番矢野がつくった好機を確実に仕留めたい。
下位を打ちそうな後藤、坪井、畑も打率は4割超えと振れている。
守備「投手陣支える好連係」
6試合で2失策と堅守を誇る。準決勝で見せた好連係など、投手陣をしっかりと支えている。県大会前にけがした三塁手矢野と捕手畑が復帰し、万全だ。
内野は、二遊間の後藤、中前の2年生コンビが落ち着いてできれば問題ない。一塁手坪井や三塁手矢野の3年生が声を掛け、細かなミスを減らしたい。
守備範囲が広い俊足の中堅手蛭間がまとめる外野は、左翼手佐野、右翼手上野が脇を固める。豊富な投手陣の強みを最大限に引き出す捕手畑のリードに期待。
活躍を心からお祈り 上田清司知事
浦和学院高校の皆さん、5年ぶりの全国高校野球選手権大会への出場おめでとうございます。甲子園では全国制覇を目指し、自信と誇りを胸に、一戦一戦全力プレーで頑張ってください。ご活躍を732万県民の皆さまとともに心からお祈りしています。
甲子園で浦学旋風を さいたま市・清水勇人市長
5年ぶり13度目となる全国高校野球選手権大会への出場、本当におめでとうございます。南埼玉代表としての誇りを胸に、埼玉大会のような勝負強さと執念で、甲子園で浦学旋風を巻き起こしてください。チーム一丸となって持てる力を存分に発揮していただき、選手権全国初制覇を成し遂げることを120万さいたま市民の皆様とともに祈っています。
ご健闘を心から祈念 小松弥生教育長
浦和学院高校の皆さん、5年ぶり13度目の甲子園出場おめでとうございます。甲子園では日々の練習の成果を存分に発揮し、頂点を目指して突き進んでください。皆さんのご健闘を心から祈念しております。
徳栄との決勝を期待 小山友清・県高野連専務理事
浦和学院高校、5年ぶり13度目の夏の甲子園出場おめでとうございます。豊富な投手陣、安定した守備、層の厚い打線は相手にとって脅威です。自身初優勝、埼玉県勢2連覇を目指し、花咲徳栄高校と決勝戦で相まみえることを期待しています。
(埼玉新聞)