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<浦和学院だより>春の王者撃破へ一丸 4強懸けきょう大阪桐蔭戦

アップでダッシュする永島(左)ら浦和学院ナイン=17日午前、大阪府豊中市の豊中ローズ球場

 第100回全国高校野球選手権記念大会第14日は18日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準々決勝4試合を行い、4強が決定する。南埼玉代表の浦和学院は32年ぶりの準決勝進出を懸けて、第1試合で史上初の2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)と対戦する(8時試合開始予定)。

 チームは17日、大阪府豊中市の豊中ローズ球場で午前9時から2時間、シートノックやフリー打撃などで念入りに最終調整した。16日の二松学舎大付(東東京)戦で完投した渡辺勇太朗と捕手の畑敦巳は兵庫県伊丹市の伊丹スポーツセンターのプールでコンディション調整に務めた。

 夏は自身11度目の出場で初の準々決勝に挑む森士監督は「今まで何度も出させていただいて、勝ち上がれずに申し訳なく思っていた。次も普段通りの力が出せればいい」と冷静に意気込みを語った。

春の王者撃破へ一丸

 32年ぶりの8強に進出したチームは18日、ベスト4を懸け、春の選抜王者・大阪桐蔭(北大阪)と激突する。前日の17日、大阪府豊中市の豊中ローズ球場で午前9時から2時間の練習を行った。

 投内連係やシートノックに続き打撃練習を約1時間実施。フリー打撃では大阪桐蔭のエース柿木や根尾の両右腕を想定し、右の手投げと140~145キロのカットボールに設定したマシン相手に速球対策を図った。

 投手陣は河北、美又の両右腕と左腕永島がブルペン入り。3回戦で完封した渡辺と捕手畑はプールで疲労回復に努めた。森監督は「投手陣の調子がいいので、先発を誰にするかはまだ決めていない。渡邉の意思も確認して考えたい」と語った。

譲れない大一番

 文字通りの大一番。悲願の初優勝と県勢2連覇を狙う浦和学院にとっては避けては通れない最大の関門だ。「大阪桐蔭を倒して優勝することが目標」。森監督はリラックスした表情の中にも、闘志をみなぎらせる。

 大阪桐蔭には浅からぬ因縁がある。

 同校が春夏甲子園連覇を達成した2012年。選抜大会準々決勝で2-1の九回1死から逆転負けを喫し、底力を見せ付けられた過去がある。森監督は「対戦が決まったのは神様のおぼしめし」という。南埼玉大会決勝の川口や、甲子園初戦の仙台育英(宮城)など、雪辱を果たしてきたチームは、また一つ先輩たちの借りを返す機会を得た。

 今年3月18日に行った練習試合は1勝1敗。森監督が不在で、大阪桐蔭の西谷監督もノーサインだったそうで参考にはならないが、今大会の両校の戦いぶりから見れば実力は互角と言える。

 柿木、根尾ら相手投手陣を打ち崩すのは簡単ではないが、2試合連続で無失点の守りからリズムをつかみ、15回無失点の右腕渡邉と2年生左腕永島の好投に期待したい。

 2、3回戦と理想的な戦いぶりで勝ち進み「いいイメージしかない」と自信を示すのは主将の蛭間だ。底力は随一の大阪桐蔭に挑む投打で絶好調の浦和学院。間違いなく特別な一戦になるが、総力を結集し、必ずや勝利をつかみ取る。

貢献誓う4番上野「今までにない感覚」

森監督(左)から打撃指導を受ける浦和学院の上野

 甲子園にきてから7打数1安打と苦しんでいる4番上野だが、3月の大阪桐蔭との練習試合ではエース柿木から右越え本塁打を放っている。「感覚は残っている。何とかチームに貢献したい」と鬱憤(うっぷん)を晴らす一発に期待だ。

 「軸足に体重が乗り切っていなくて打ちにいけてなかった」という不調の原因は森監督に「かかとを上げて落とす『ヒールダウン』」を指摘してもらい解消。打球を外野の後ろまで飛ばし、「今までにない感覚がある」と手応えを口にした。

勝負は五分五分 森監督一問一答

 浦和学院の森士監督が32年ぶりの準決勝進出が懸かる春の王者・大阪桐蔭との決戦に向けて意気込みなどを語った。

 ―3回戦を振り返って。

 「渡辺が頑張ってくれたし、打線は投手が変わっても対応して加点できた。理想通りの試合」

 ―大阪桐蔭の印象。

 「絶対的王者。底力を持っているが、波に乗り切れていないと思うので、勝負は五分五分」

 ―警戒する選手。

 「エース柿木、4番藤原、5番根尾。投打に均整が取れた総合力の高いチーム」

 ―理想の展開。

 「どんな展開になっても諦めずに食らいついて、最後は相手を上回っているというイメージ」

 ―次戦への意気込み。

 「次も変わらず普通に。どこが相手でも自分たちの野球をするだけ」

(埼玉新聞)

新たな指導者迎え進化 組織化・研究・調整 選手に自信

準々決勝を前に、森大コーチ(左)に投球指導を受ける美又王寿投手

 第100回全国高校野球選手権記念大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)8強の浦和学院は第14日の18日、準々決勝の第一試合で大阪桐蔭(北大阪)と戦う。今春の選抜王者だが、浦学もここ数年で新たな指導者を迎えて進化。選手の自信も十分だ。

 「次、7番。甘くなってもいいから強く攻めろ!」。17日、投球練習で相手打者に扮し、声を張り上げるのは、森士(おさむ)監督の息子で2016年に就任した森大(だい)コーチ(27)。部OBで、2008年夏の甲子園にも出場した。ピッチングコーチとして、7人の投手陣をまとめ上げている。

 監督を補佐するため、この1年は先頭に立ち、データ分析や試合前の選手のコンディション調整などの役割を明確化。選手に加えOBらの協力も得て、組織づくりを進めた。自らは相手打線の研究を担う。

稲村忠明トレーナー(左)にトレーニング指導を受ける渡邉勇太朗投手

 初戦で140キロ近い直球を2球投げ、1死を奪った美又王寿(みまたおうじゅ)投手(1年)は「コーチに配球の仕方を教わり、いい感覚で投げられた。大阪桐蔭戦でも、直球に変化球を加えて三振を奪いたい」と意気込む。

 コンディション調整は、昨秋に数年ぶりに浦学のトレーナーに復帰した稲村忠明さん(54)が担う。チームに同行して甲子園入りし、トレーニングやストレッチを指導する。

 4番の上野暖人(はると)選手(3年)は、人によって違う体の部位の使い方をパフォーマンスに生かす理論や、打席での呼吸法を稲村さんに教わった。甲子園入り後は、それらを踏まえフォームを調整。甲子園の2試合9打席を終え、1安打だが「打ちたい気持ちが出すぎて力んだ。南埼玉大会よりも調子は断然いい」と言い切る。大阪府出身で、大阪桐蔭には知り合いもいる。3月に練習試合し、上野君の本塁打などで勝利したという。「人一倍強い思いで、今度こそ練習の成果を出す」と気合が入る。

(朝日新聞埼玉版)

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