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浦和学院、4強ならず 大阪桐蔭に完敗 渡邉「相手の方が上」

 浦和学院(南埼玉)が、大阪桐蔭(北大阪)に11-2で敗れた。

 前回の3回戦で109球を投げて完封したプロ注目の渡辺勇太朗投手(3年)が、3試合連続の先発。初回は大阪桐蔭打線を3者凡退に抑えたが、2回に根尾に先制の本塁打を左中間スタンドにたたき込まれ、チームとして今大会初失点を喫した。5回には4番藤原にも右翼への1発を浴び、0-3の6回1死二塁で降板。左翼の守備に回ったが、9回には再びマウンドに上がり、意地を見せた。

 渡辺は「悔しいです。自分の力を出し切ったが相手の方が上でした。甲子園のマウンドに立てて野球を続けてきてよかったです」と振り返った。また、進路については「上のレベルで野球をさせていただけるなら、今日の反省を生かしたい。今日で引退だが、切り替えて練習します」と話し、夢のプロの舞台へ向けて再発進する。

(日刊スポーツ)

浦学ナイン「あれをホームランにするか…」大阪桐蔭の一発攻勢に驚愕

 浦和学院(南埼玉)が、大阪桐蔭(北大阪)の一発攻勢に沈んだ。

 注目右腕・渡辺勇太朗投手(3年)が140キロ後半の直球を軸に、強力打線に対抗。初回を三者凡退で退けたが、二回は根尾昂内野手(3年)に左中間最深部へ先制ソロを被弾。2点ビハインドとなった五回には藤原恭大外野手(3年)に右翼席へソロを打たれた。

 その後、八回に河北将太投手(3年)も藤原にバックスクリーンへ被弾。再登板した渡辺は九回、石川瑞貴内野手(3年)にも一発を浴びた。

 結局、4本塁打を含む12安打11失点。渡辺は「悔しいです。藤原のホームランは自分の自信のあるボールをコースに投げ込んで、『あれをホームランにするか』という感じです。すごいです」と脱帽した。

 藤原にバックスクリーンへ運ばれた河北は「甘い球は一発で仕留める。打球も違う。いい勉強になりました」とコメント。捕手の畑は「根尾君に打たれたのだけ失投。あとはいい球を打たれた。打球の速さ、スイングスピードも一番。藤原君は詰まった当たりもホームランにされた」と、振り返った。

 32年ぶりの4強入りならず。森監督は「力負けです。大阪桐蔭さんは真っすぐの振り負けがない。打ち損じがなく、スタンドまでもっていく力がある。継投は最初から決めていたが、うまくいかなかった。代えたところで相手打線を増強させてしまった。それは監督として残念です」と、落胆した。

(デイリースポーツ)

プロ注目右腕・渡邉、藤原の一撃に脱帽「あれをホームランにするのか」

 浦和学院の森士(おさむ)監督は、11失点の大敗に「監督の失敗です。選手は最高のパフォーマンスをしてくれました」と話した。 

 0―3で迎えた6回、先発のプロ注目右腕・渡辺が1死二塁のピンチをつくると、渡辺を左翼に回して永島に継投。2回戦の仙台育英戦で2回完全のリリーフを見せた左腕だったが、連続四死球で満塁とし、青地、中川、藤原に3連続適時打を浴びた。試合の流れを決定づけた6失点。森監督は「渡辺は先発、抑えと考えていた。勝機のあるところで戻そうと思ったが、そういう展開にならなかった」と悔しさをにじませた。

 今大会15イニング連続無失点でこの日に臨んだ渡辺は最速148キロを出し、大阪桐蔭打線に立ち向かった。ポイントゲッターの根尾、藤原は左打者。「内角のストレートを見せ、外に逃げる球で勝負と考えていた」という。2回、根尾に対してその速球が中に甘く入って左中間に先制アーチを運ばれた。3回は1死満塁から藤原を内角攻めで完全に詰まらせながら、不運な内野安打で2点目。5回には藤原にきっちり内角に投じた直球をスタンドに持っていかれ「あれをホームランにするのか」と脱帽するしかなかった。

 再登板した9回、3本目のアーチを石川に浴びた。1年生の冬。練習の厳しさなどから、一時チームを離れた。蛭間らチームメートの励ましもあって再び野球に戻った右腕は「浦和学院の野球部に携わる人みんなに助けられた。こうして甲子園で投げられて、感謝しかないです」と話し、進路については「上のレベルで野球をやらせていただけるのであれば、この悔しさをバネにもう一段階成長したい」とプロ志望を口にした。

(スポニチ)

浦和学院・渡邉「あの時やめなくて良かった」

 ”浦学の大谷”こと今秋ドラフト候補の浦和学院・渡辺勇太朗(3年)が、王者・大阪桐蔭の前に散った。

 同じく今秋ドラフト候補の根尾昂投手(3年)に左越えソロ、藤原恭大中堅手(3年)に右越えソロを浴びるなど、6回途中6安打4失点。9回にも再びマウンドに上がったが、石川瑞貴一塁手(3年)にも左越えソロを浴びた。

 それでも入学当初の右腕は、ここまで来られると思っていなかった。

 2日の抽選会。右腕は「あの時、野球をやめなくて良かったと思っています」と明かした。

 チームを離れ”引退”を考えていた時期があった。

 1年冬。合宿所から、渡辺の姿が消えた。初めて迎えた冬の厳しい練習に、不安を覚えていた。すぐさま、関係者が埼玉県内の自宅を訪問。同級生からは、思いが込もった手紙を受け取った。

 現チームで主将を務める蛭間拓哉中堅手(3年)は「今はキツイけど、最後に笑える時が来る。つらいけど、今は頑張ろう、と伝えました」。約1か月の”充電期間”を経て、右腕は大切な仲間の元へ戻った。

 自身初の甲子園。二松学舎大付(東東京)との3回戦では、高校初完投を5安打10奪三振の完封勝利で飾った。初戦から15イニング無失点で迎えたが、大阪桐蔭の壁は高く、厚かった。

(スポーツ報知)

多彩な投手そろう浦和学院、つかまった継投「力み出た」

 浦和学院(南埼玉)は18日、2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)との準々決勝に臨んだが、中盤に集中打を許して大敗。32年ぶりのベスト4進出はならなかった。

 「継投が思うようにいかなかった。監督の失敗です」。試合後、森士監督(54)は淡々と述べた。

 2点を返して1点差に迫った直後の六回表の守り。1死二塁で森監督は動いた。先発の渡辺勇太朗君(3年)を左翼へ回し、左腕の永島竜弥君(2年)がマウンドへ。左打者に対応するための継投策だった。

 しかし永島君は死球と四球を与え、ピンチを広げる。さらに満塁から3連打を浴びて5失点。「抑えなくてはいけないと力みが出てしまった」。アウトを一つも取れないまま、エースの河北将太君(3年)にマウンドを譲った。それでも大阪桐蔭打線の勢いは止められず、この回結局6失点。つかみかけていた主導権を逃した。

 浦和学院は今夏、5人の投手を駆使して南埼玉大会を勝ち上がり、5年ぶりに代表の座をつかんだ。甲子園での初戦の2回戦は4人の継投、続く3回戦は渡辺君が完封し、無失点で8強入りした。

 左右のタイプが異なる投手をそろえた背景には、5年前の森監督の苦い記憶がある。埼玉勢として45年ぶりに選抜大会を制し、春夏連覇を狙って臨んだ第95回大会。仙台育英(宮城)との1回戦は点の取り合いになった。森監督は左腕エースの小島和哉投手(現早大)を九回途中まで続投させ、182球を投じたところで交代。結果は10―11でサヨナラ負けを喫した。

 「小島1人に悲しい思いをさせてしまった」と森監督。エースだけに頼らず、総合力で勝負――。春夏通算23回出場を誇る浦和学院の新たなスタイルの象徴が多彩な「投手陣」だった。

 九回、森監督は渡辺君をマウンドに戻した。「もう一度、最後行くぞ」。勝負どころで渡辺君に再び託すのが、理想の継投と考えていたからだ。

 持ち前の速球で強力打線に立ち向かった渡辺君だったが、交代の直後、自身3本目となる本塁打を浴びた。試合後、「155キロくらいまで出せるように鍛える。悔しさを糧にしたい」と力を込めて言った。

渡邉、後輩継投は「つらい経験させた」

 浦和学院の先発渡辺勇太朗(3年)は「力負けです」とすっきりとした表情で試合を振り返った。

 最も実感したのは五回、大阪桐蔭の4番藤原恭大(3年)に打たれた本塁打だ。初球、143キロの直球で勝負した。「しっかりインコースに投げられた。詰まらせた。よしと思った」。しかし打球は右翼席で弾んだ。

 強打者ぞろいの大阪桐蔭打線に対し、「かわして抑えられる相手ではない。全力でいきました」。140キロ台後半の直球にスライダー、ツーシームなど変化球も含め、「どれも悪い球はなかった」という。それでも打たれた。「相手が上でした」。涙目だが笑顔で取材に応えた。

 ただ、唯一といっていいほど悔いたのは六回、1死二塁で2年生左腕の永島竜弥にリリーフをあおいだ場面だ。動揺があったのだろう。後輩投手は制球を乱し、大量失点した。「つらい経験をさせてしまった」。責任を感じた。

 高校野球をこう総括した。「入学したばかりの頃はつらいことから逃げていた自分がいた。今日は強気で投げられた。良かったです」。将来は「上(プロ)でやりたいです」と宣言。球速、体力、筋力をつけて改めて藤原たちと勝負する――。新たな目標ができた。

(朝日新聞)

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