埼玉県高野連は31日、さいたま市内で臨時業務執行理事会を開き、春季地区予選と県大会の中止を決めた。新型コロナウイルス感染拡大が止まらず、選手、関係者の安全を確保するのが困難と判断した。夏のシード校をどうするかは、今後、検討する。
関東地区(1都7県)で春季大会を中止したのは、東京、千葉、群馬、茨城に続き5県目。
(日刊スポーツ)
春季高校野球、初の中止
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4、5月に開催予定だった県内高校スポーツ大会の中止が31日までに、相次いで決まった。
県高野連は同日、さいたま市の県高野連事務局で臨時の業務執行理事会を開催し、春季高校野球大会の中止を決定した。大会の中止は1948年に第1回春季県下高校野球大会として始まって以来、初めて。本年度の大会は4月10日から地区予選が始まり、同月23日から5月5日まで県大会を実施する予定だった。
県高野連は感染防止に努めながら大会開催を模索してきたが、県内で新たな感染者が増えている状況で、生徒や指導者、大会関係者らの健康と安全が確保できないとして中止を判断した。関東地区高野連は29日、山梨県で5月に行う予定だった春季関東大会の中止を決めている。(以下省略)
ぶっつけ本番の夏を覚悟
苦渋の決断を下した県高野連の小山友清専務理事は「何とかやらせてあげたかったが、県内で感染が止まらない状況や日程的にも難しかった」と春季高校野球地区予選と県大会の中止に理解を求めた。
昨秋の県大会を制した花咲徳栄は、中止された選抜大会に続いて公式戦の機会を失った。岩井隆監督は「うちだけじゃないが、一冬越えて成長した選手やチームの姿を見られないことは残念」と話した。
昨秋の県大会準優勝の西武台は、21日から学年ごとに時間差で活動するなどの対策をして練習を再開していたが、状況の悪化を受けて30日に再び練習自粛を決めたばかりだった。河野創太監督は、選手たちに会員制交流サイト(SNS)の「LINE(ライン)」で「君たちの野球はまだ終わっていない。夏がある」と激励の言葉を添えて中止を伝えたという。
感染対策をしながら短時間の練習にとどめてきた昨秋の県ベスト4の浦和学院・森士監督は「センバツが中止になり、今の世の中の情勢を見れば中止は致し方ない」と理解を示す。その上で、「夏だけは何とか開催してもらいたい」と選手たちの心情を思いやる。
昨秋の県大会4強で唯一の公立校の川口市立は、2月29日から練習ができていない。鈴木久幹監督は「開催されていれば、準備ができない状態で試合をする怖さもあった」と胸の内を吐露した。
本来なら春季県大会の上位16チームに与えられる夏の全国高校野球選手権埼玉大会のシード権については、今後協議されるという。鈴木監督は「このような状況だからこそ、フリー抽選も一つの選択肢」と、ぶっつけ本番の夏を覚悟している。
(埼玉新聞)
春の県高校野球も初の中止
県高校野球連盟は31日、今月開催予定だった春季高校野球県大会の地区予選と、勝ち上がってきたチームによる県大会をともに中止すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、部員や指導者らの安全を確保するのが難しいと判断した。同日の業務執行理事会で決定した。春季大会の中止は、1948年の開始以来、初めて。
同連盟によると、各校が十分に部活動ができていない状況も考慮した。会場を予定していた複数の球場が臨時休業していることも踏まえた。小山友清専務理事は「本当に残念だが、延期や代替大会の開催という対応ではなく、中止せざるをえない」と話した。
地区予選は今月10日から順次各地区で、県大会は23日開幕の予定だった。例年、春季県大会の結果を受けて、夏の全国高校野球選手権埼玉大会のシード校が決まっているが、その選出方法は未定。5月下旬に開催予定の大会運営委員会などで検討していくという。
(朝日新聞埼玉版)