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2年ぶり夏、149チーム出場 組み合わせ決まる 大会展望 高校野球埼玉大会

【写真】受付時に検温を受ける出場校の球児たち

 7月9日に開幕する第103回全国高校野球選手権埼玉大会の組み合わせ抽選会が16日、さいたま市大宮区の同市民会館おおみやで行われ、出場149チーム(160校)の対戦カードが決まった。今春の県大会王者で3年ぶりの頂点を狙うAシード浦和学院は、初戦の2回戦で聖望学園の挑戦を受ける。

 春季県大会で準優勝し、6大会連続の甲子園出場を目指すAシード花咲徳栄は2回戦で朝霞と対戦。同4強のBシード勢は上尾が川越工、昌平が飯能南とそれぞれ顔を合わせる。昨夏の独自大会で優勝したノーシードの狭山ヶ丘は、昨秋の県大会準優勝のDシード細田学園と2回戦を争う。

 選手宣誓は、第103回にちなんで、103番の抽選くじを引き当てた星野の星静流(せいる)主将が務める。

 抽選会は新型コロナウイルス感染防止のため、各チームの主将と引率教諭のみが参加して実施された。

 大会開幕日は開会式を行わず、開幕試合を戦う東農大三と川越南のナインと選手宣誓する星野の星主将が参加して、県営大宮で開始式を実施。順調に日程を消化すれば、決勝は27日、県営大宮で行われ、優勝校が全国高校選手権(8月9~25日・甲子園)に出場する。1、2回戦は一般無観客となり、3回戦から有観客で実施予定。

組み合わせが決まり、決意をにじませるA、Bシードの主将たち(左から)浦和学院・吉田瑞樹、上尾・宮沢勇聖、昌平・岸望樹、花咲徳栄・飛川征陽=16日午後、さいたま市民会館おおみや

大会展望 2校突出、波乱も

 第103回大会の組み合わせが決まった。総合力では今春の県王者の浦和学院、同準優勝の花咲徳栄がリードしている。だが、昨秋の県大会で優勝した昌平や上尾などの実力校がひしめく。また、昨夏の独自大会は狭山ヶ丘が初の栄冠を手にし、2年前の埼玉大会では山村学園が準優勝するなど夏の大会は波乱が付き物だ。今大会を展望する。

「浦学が4強最有力」 浦和学院-立教新座ゾーン

 春を制したAシード浦和学院が4強入りの最有力。これをCシード立教新座などが追う構図になる。

 浦和学院はエース左腕宮城らの好投手に、打線は吉田匠、吉田瑞と好打者が並び投打に層が厚い。初戦の2回戦でともに私学4強と言われる聖望学園との一戦は注目だ。立教新座は南木、金子、佐藤を筆頭に持ち味の打力で勝ち上がりたい。昨夏覇者の狭山ヶ丘と昨秋準優勝の細田学園の2回戦も目が離せない。ノーシード勢の市川越、熊谷商など、公立勢の活躍も楽しみだ。

「鍵握る投手の出来」 上尾-春日部共栄ゾーン

 Bシード上尾、Cシード春日部共栄、Dシード秀明英光など実力校がひしめき、どこが勝ち上がってきてもおかしくない。投手陣の出来が鍵を握る。

 上尾は新井と中沢の両右腕を中心に守りからリズムを築きたい。春日部共栄はエース左腕高橋が頼もしいだけに2、3番手の活躍が必須だ。秀明英光はプロ注目の右腕岩井を軸に、堅守で4強まで進みたい。その他に山村国際、川越東などが上位候補。松山をはじめ、公立勢の躍進も期待できる。

「昌平追うシード勢」 昌平-埼玉栄ゾーン

 昨秋王者で今春4強と最も勢いのあるBシード昌平が大本命。Cシード埼玉栄、Dシード川口市立が追う展開だ。

 昌平は強打者の吉野、古賀を筆頭に切れ目ない打線の攻撃力が高い。田村、吉川ら投手陣は継投策が予想される。埼玉栄は投打で主軸になる塚本ら、総合力で上位を目指す。川口市立の原口と小柳津の両右腕は安定感が抜群だけに、打線の奮起が肝になる。

 ほかにも正智深谷、武蔵越生といった実力校が控える。ふじみ野、鷲宮も意地を見せたい。

「戦力充実 徳栄優位」 花咲徳栄-浦和実ゾーン

 6大会連続の甲子園出場を狙う花咲徳栄は最も戦力を備えて視界良好。

 冨田、味谷、秋山ら強打者がそろう打線は破壊力抜群で、高安、堀越、松田ら投手陣も粒ぞろい。だが、Cシード浦和実、Dシード大宮東と総合力のあるチームが入っているだけに油断は禁物だ。

 浦和実は熊谷、神尾と攻撃力を売りに上位を見据える。大宮東は力のある2年生が多いものの、宇田、市岡ら3年生の奮起も必要だ。エース右腕小泉を擁する山村学園など、ノーシード勢がどこまで食い下がれるか。

浦和学院、3年ぶりVへ 初戦から気合

 春季県大会王者のAシード浦和学院は、初戦の2回戦でともに私学4強と言われる聖望学園と顔を合わせる。2校の対戦カードが決まると会場にどよめきが起きた。主将の吉田瑞は「どこが入っても準備はできていた。強豪校として知られるだけに、初戦から気が引き締まる」とほほ笑みつつも闘争心を燃やした。

 チームは、2月上旬に部内で新型コロナウイルスの集団感染が判明。3月下旬まで全体練習ができなかったものの、春季大会はエース左腕宮城の活躍に松嶋と藤井の強打者が打線をけん引し、関東大会で8強入りした。

 夏に向けての課題が明確になり、「(春は)走塁で刺されることが多く、足を絡めた攻撃で得点を奪うことができなかった」と3年ぶりの夏の埼玉大会制覇へ、さらなるチーム力向上を図っている。

 そして、甲子園の出場を懸けた埼玉大会が中止になった一つ上の先輩の思いも背負う。吉田瑞は「甲子園出場の夢がなくなった瞬間を見ているからこそ、先輩たちの分までプレーしないといけない」と2年分の気持ちを胸に白球を追う。

「集大成 出し切る」 選手宣誓 星野・星主将

 大会回数と同じ「103番」のくじを引き、選手宣誓に決まった星野の星主将は「創部10年目の節目の年に光栄」と顔をほころばせた。宣誓の文言は自分で考えるといい、野球をやらせてもらえることへの「感謝」を伝えるつもりだ。

3回戦から有観客 入場券完全前売り 観客、応援など発表

 県高校野球連盟は16日、大会の入場券販売、応援方法などを発表した。

 1、2回戦は一般無観客。ただし、学校関係者と野球部関係者の入場は認める。3回戦以降は有料有観客試合となる。一般入場者の入場券は全て前売り自由席を準備中で、当日券の販売はしない。入場料は千円。詳細については、後日県高野連のホームページなどで告知する。

 応援については、新型コロナウイルス感染予防のため、楽器を使用しての応援は禁止。ただし、太鼓1台の使用は可能となる。メガホン、エアスティックの使用も禁止された。

(埼玉新聞)

149チーム頂点へ挑む 来月9日開幕

祈るように抽選のくじを引く選手

浦学筆頭 私学強豪そろう 左上ブロック

 春の県大会優勝の浦和学院を筆頭に、私学の強豪がそろった。

 浦和学院は2年生エースの左腕宮城を中心に、140キロ超の直球を持つ三奈木も控える。遊撃手を兼ねる吉田匠も制球が安定しており、投手の層は厚い。打撃は長打力のある吉田瑞を中心に、バントや走塁も絡めた粘り強さがある。初戦の相手の聖望学園は入間向陽に逆転負けを喫して春の県大会出場を逃しており、今大会への思いは強い。

 春16強の本庄東を引っ張るのは右腕の菊池。決め球はスライダーだが直球でも勝負できる、勢いある投球が強みだ。

 昨秋の県大会では準々決勝で花咲徳栄を下すなどして準優勝した細田学園と、昨夏の独自大会で優勝した狭山ヶ丘の対戦は好カード。細田学園の松本と、狭山ヶ丘の星野。双方ともエース中心の守りのチームで投手戦になりそうだ。

上尾や春日部共栄が軸に 左下ブロック

 今春の県大会4強の上尾、8強の春日部共栄が軸となりそうだ。

 上尾は四隅を丁寧につき打たせてとる投球が強みの新井と、本格派右腕・中沢の二枚看板が軸。攻撃ではバントや足を絡めて確実に点を重ねる。初戦の相手は川越工で甲子園出場経験がある公立高同士の対戦だ。

 春日部共栄は花咲徳栄にコールド負けした春からメンバーを大きく入れ替えて臨む。1年秋から登板しているエース高橋らの継投で雪辱を期す。

 春の県大会16強の大宮北は安定した守備が強みだ。主軸の篠田の前に走者を出せるかが試合を左右する。同じく16強の秀明英光は、最速142キロの直球が光る右腕・岩井が引っ張る。

 上尾以外にも力のある公立校が集まった。中でも、狭山清陵は投打のバランスの取れた好チーム。市浦和や松山などの戦いぶりにも注目だ。

花咲徳栄を中心に激戦か 右上ブロック

 一昨年まで5年連続甲子園出場の花咲徳栄を中心に強豪校・実力校がひしめき、激戦が予想される。

 春の県大会準優勝の花咲徳栄は飛川、味谷、秋山を軸にした打線に切れ目がない。投手陣も速球派の松田、堀越、高安がそろう。

 浦和実はエース栗山の立ち上がりがポイントで、内野の堅い守備からリズムを作る。昨秋の県大会4強、一昨年夏の埼玉大会も4強入りした大宮東は、清水、高橋、吉田の3人の左腕を擁する。春の県大会16強の叡明は、いずれも左投手の松岡、青木の継投でチームを作る。

 入間向陽-山村学園は好カード。春の県大会西部地区予選で聖望学園に打ち勝った入間向陽は朝倉、田中らの長打力が強み。山村学園は一昨年夏は初めて決勝に進出し、悲願の甲子園に迫った。今春は県大会の初戦で敗れており、どう巻き返しを図るかに注目だ。

昨秋Vの昌平にどう挑む 右下ブロック

 昨秋の県大会で初優勝し、春も4強と着実に力をつけた昌平に、埼玉栄や川口市立などが挑む展開が予想される。

 昌平の打線の中心は1年生から主軸を担うプロ注目の吉野。前後の福地、古賀も長打力があり、下位打線も層が厚い。変化球が持ち味の右腕・田村ら投手陣を、強肩の捕手・川田が支える。

 春の県大会で上尾に惜敗した川口市立のエース原口は、140キロ台の直球が強み。左打者の松田、沼口らの長打力にも期待がかかる。春8強の埼玉栄は昨夏の独自大会でも登板経験のある右腕・塚本を中心にした守りから流れをつかむ。

 春16強の早大本庄は、主軸・飯塚の甘い球を逃さない勝負強い打撃に注目だ。積極的な走塁も絡めて上位をうかがう。ほかにも、武蔵越生や正智深谷、西武文理など、力を秘めた私学勢がそろっている。

(朝日新聞埼玉版)

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