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浦和学院・森士前監督、肩書変わっても子どもたちへ「浦学魂」伝える

【写真】浦和学院OBのオリックス榊原、西武渡辺、ロッテ小島が贈ったTシャツを着る選手たち

 8月22日付の日刊スポーツ紙面(東京本社版)には、教え子からのコメントがずらりと並んだ。その1つ1つに思い出が詰まっていて、1人1人に思い出が残っている。

 浦和学院・森士前監督(57)の30年間の監督生活は、甲子園で幕を閉じた。最後の試合となった8月21日の2回戦日大山形戦の後には、教え子からの連絡が続いた。

 甲子園の期間中、NPBで活躍する現役選手からもエールが届いていた。OBのロッテ小島和哉投手(25)、オリックス榊原翼投手(23)、西武渡辺勇太朗投手(20)は、3人で一緒にオリジナルのTシャツをチームにプレゼントした。白地で、胸の部分に赤いローマ字で校名が入ったシンプルなデザインで、選手たちは練習で愛用。埼玉に戻ってからも、練習参加の際にグラウンドで着ている3年生が多かった。森前監督の指導を受けた卒業生から、現役生へ。目に見えない伝統が、引き継がれている。

 森前監督は、甲子園から戻ると、改めて選手たちへ退任を告げた。けじめとして、3年生全員と握手を交わしたという。さらに、OBが中心となって退任のセレモニーが行われた。コロナ禍のため参加者は最低限となってしまったが、それでも「開催してくれて、うれしかった。自分の中で(セレモニーをやるという)そういう考えはなかったけど、OBがやろうと言ってくれて、うれしかった」と振り返った。

 高校野球界は、大きな節目を迎えている。東海大相模の門馬敬治監督(51)、帝京の前田三夫監督(72)が今夏限りで退任。さらに星稜の林和成監督(46)も、22年3月の退任を発表した。

 森前監督は27歳で監督に就任し、30回の夏を過ごした。今夏の県大会後には「浦和学院の監督って、プレッシャーがあるんだよ」とも明かしていた。

 今後は「NPO法人ファイアーレッズメディカルスポーツクラブ」の理事長としての活動の幅を広げていく。「自分自身が、野球を通じて成長させてもらえた」という恩返しの意味合いも強い。地域の小学生、中学生の体作りやケガの予防、治療などもバックアップしていきたいという。「浦和学院のインフラを活用しながら人材育成をして、社会に貢献していきたい」。肩書は変わるが、子どもたちへ「浦学魂」を伝えていく。

(日刊スポーツ電子版「野球手帳」)

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