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浦学の大冒険(1)愛されるチームに 原点回帰へ、装い一新

【写真】昨秋から母校である浦和学院の指揮を執る森大監督=2021年9月29日、県営大宮球場

 7年ぶり11度目の選抜高校野球大会出場が決まった浦和学院。昨夏の第103回全国高校野球選手権を区切りに、30年間指揮を執った森士(もり・おさむ)氏が勇退し、森大(もり・だい)監督が誕生した。親から子へバトンが引き継がれ、新体制で始動した昨秋の関東大会で4強入りし、選抜大会出場の切符を獲得したウラガクの“大”冒険の足跡を迫った。

原点回帰へ、装い一新

 選抜出場が決まり、ウラガクに笑顔の花が咲いた1月28日から、さかのぼること5カ月前の昨年8月24日。新監督は「父と同じことはできない。僕ができることをやるだけですよ」と第一歩を踏み出した。

 森家の長男として生まれた新監督は、同校3年時に投手として夏の甲子園に出場。卒業後は早大、社会人野球の三菱自動車倉敷オーシャンズでプレーし、16年からは同校野球部のコーチを務めていた。前監督の息子という周囲からの視線、強豪校を引き継ぐ重圧の中、昨秋から監督人生がスタートした。

 就任時に掲げた目標は、「地元から愛されるチーム」。背景は2015年夏の第97回埼玉大会準決勝で白岡に1-4で敗れた試合にあった。OBとしてスタンドで試合を観戦していると、県営大宮球場の雰囲気や声援に違和感を覚えたという。「自分の現役時代はアットホーム感があったが、応援が少なくアウェーな感じだった」

 近い将来監督に就任することを伝えられた19年から、県内出身者のスカウトに力を入れた。県内の中学校や硬式野球のリトルシニアなどに自ら足を運び選手に声を掛けたという。現2年生でレギュラーの金田(川口芝西中)、伊丹(大宮シニア)、大内(新座東シニア)ら県内出身者の選手は増え、地元色を濃くしている。

 それだけではない。「昔のユニホームで戦ってくれた先輩たちや昔から応援してくれている人たちに、感謝の意とこれからも支えてもらいたい」という思いから装いも一新。前監督が09年のアジアAAA選手権で関東高校選抜チームを率いたことを機に採用した白地に縦じまのデザインから、以前のアイボリーで無地の旧ユニホームに戻した。

 強豪校を引き継いで約2カ月。旧チームからのエース宮城と右腕金田の二枚看板と強力打線で県大会を制し、関東大会では準決勝まで進んだ。上々の初陣にも新監督は「引き継いだばかりだったから結果が出せた。関東大会を経験してやりたいことが明確になった」と語る。新たな戦いを経て打ち出したのが「体づくり、脳の活性化、メンタル強化の『三本の矢』」だ。新生ウラガクへと大きなかじを切ることになる。

(埼玉新聞)

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