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浦学の大冒険(2)睡眠改善で体づくり 朝練習の廃止を決断

【写真】睡眠と食事で体づくりに励む(右から)伊丹、金田、近内、八谷、大内の浦和学院の選手たち=同校グラウンド

 森監督が打ち出した三本の矢(体づくり、脳の活性化、メンタル強化)。第1の矢として射ったのは、「監督になって一番やりたかった」という睡眠に特化した体づくりだ。

 きっかけはコーチを務めながら心理学を学んだ早大院時代にさかのぼる。睡眠療法を研究する教授と出会い、体に及ぼす睡眠の重要性を学んだ。また、ラグビーのイングランド代表など、トップ選手が取り組んでいる体づくりでも睡眠を重要視していることを認識した。「うちの選手は成長過程にあるから体重だけでなく身長も伸びるかもしれない」と目を付けた。

 森監督が最も注目したのは、量ではなく質。野球部員の9割が寮生活を送り、平均7、8時間の睡眠の中で良質な眠りを取るにはどうすればいいのか。「練習量が睡眠の妨げになってはいけない」。その考えから、午前6時から1時間実施していた朝練習の廃止を決断した。

 森監督は、選手にストレスを与えないための措置だという。「明日、朝練があると思うとそれだけでストレスになる。ストレスがあると体に負荷がかかって寝付けない」と説明する。練習メニューが記されたタイムスケジュールの「朝練習」の文字が「睡眠」に変わり、トレーニングの一環として組み込まれた。

 選手たちは当初戸惑いがあったものの、主将の八谷は「今まで朝練に遅れないように迫られていた部分があったけど、今は気持ちを楽にして眠れるようになった」と心境を語る。

 体づくりの基本となる食事にも力を入れた。野球部の食堂に常駐する栄養士やトレーナーの堀口コーチが練習メニューに合った献立を作成。豚肉などが入ったスタミナラーメンや野菜中心の定食など、練習で消費した以上に栄養を摂取するように心掛けさせた。

 「脂肪になってもいいから、とにかく食べさせる」(森監督)とエネルギーを蓄えさせて、高い質の睡眠を繰り返す。このサイクルが3カ月経過したころ、約70人の部員は平均で身長が2センチ伸び、体重は4キロ増加した。

 「食べたものを蓄えて過ごす熊のような冬眠の生活」と森監督は笑う。雪解けが進む3月中旬に開幕する選抜大会で、冬眠から覚めたナインの姿が見られそうだ。

(埼玉新聞)

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