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第94回選抜高校野球 ゾーン別大会展望

 第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の組み合わせ抽選会が4日、オンラインで行われ、対戦相手が決まった。

Aゾーン 広陵vs敦賀気比など地区覇者4校の最激戦区

 Aゾーンは昨秋の明治神宮大会準優勝の広陵など地区大会優勝校が最多4校も集まり「最激戦区」となった。

 1回戦屈指のカードは、昨秋の地区大会を制した広陵-敦賀気比の対決だ。中国王者の広陵はともに注目のスラッガーである内海、真鍋の3、4番を擁し、打線の破壊力は大会屈指。北信越覇者の敦賀気比はエースで4番の上加世田の出来がポイント。ともにセンバツ優勝経験がある広陵・中井監督と敦賀気比・東監督の采配も試合の鍵を握る。

 クラーク記念国際-九州国際大付は明治神宮大会1回戦の再戦で、この試合は九州王者の九州国際大付が5-1で勝利した。九州国際大付は1年生の強打者・佐倉、強打の捕手・野田を中心とした打線が強力で、昨秋の公式戦は出場校中トップの18本塁打を放った。クラーク記念国際は本格派右腕・辻田、技巧派左腕・山中の二枚看板でしのぎ、ロースコアの展開に持ち込めるか。

 開幕カードは浦和学院と大分舞鶴の対戦。浦和学院は森士(おさむ)前監督が昨夏限りで退任し、長男の森大監督が引き継いで初の甲子園となる。21世紀枠で初出場の大分舞鶴も攻守で鍛えられている。

Bゾーン 京都国際が一歩リード 関東勢対決にも注目

 Bゾーンは3季連続の甲子園となる京都国際が一歩リードしている。昨夏の甲子園で4強入りの原動力となったエース左腕・森下を筆頭に、右腕・平野、主将で主軸の辻井ら戦力が充実している。対する長崎日大は昨秋の公式戦で打率4割超の3番・松尾、4番・河村を軸に相手投手陣を攻略したい。

 山梨学院-木更津総合は唯一の同じ地区同士の対決となった。山梨学院は昨秋の関東大会で準優勝し、チーム打率は4割超の強力打線が持ち味。関東大会4強の木更津総合は昨秋の公式戦の防御率が0点台で、最速146キロを誇るエース右腕・越井が相手打線を封じられるか。

 日大三島-金光大阪はともに好投手を擁する。日大三島はエースで4番の松永が大黒柱で、報徳学園(兵庫)の監督として2002年センバツを制した永田監督の采配にも注目が集まる。金光大阪はエース右腕の古川が切れのあるスライダーを操り、奪三振率が高い。

 二松学舎大付は好左腕の布施、聖光学院はエース右腕の佐山をともに打線がどれだけ援護できるかがポイントになりそうだ。

Cゾーン 1回戦屈指の好カード 星稜vs天理 実力校そろう

 Cゾーンは初戦から実力校同士の戦いが展開される。ともに名門の星稜-天理は1回戦屈指の好カード。星稜は昨秋の北信越大会で準々決勝、準決勝を連続完投した右腕・マーガードが中心。接戦で強さが光る。今季限りで退任する林監督の花道を飾りたい。前回大会4強の天理は主将の戸井、内藤を中心に打線に切れ目がない。長身右腕・南沢は横手気味からの変化球で抑える。

 高知-東洋大姫路は投げ合いに注目。東洋大姫路はエース右腕・森に期待がかかる。内角をえぐる直球を武器に伝統の守り勝つ野球を体現する。高知は制球力の高い山下、直球に力のある川竹の両右腕ら多彩な継投でしのげるか。打線も好機に強さを見せる。

 国学院久我山は東京大会決勝で九回2死から2点差を逆転するなど勝負強さが光る。対する有田工は、右腕・塚本らを中心に堅守からロースコアの展開に持ち込みたい。

 大垣日大は左腕・五島、右腕・山田はともに安定感があり、打線では西脇らが鋭いスイングを見せる。選手13人で挑む21世紀枠の只見は、吉津、室井らの勝負強い打撃に期待したい。

Dゾーン 大阪桐蔭、花巻東…注目校が集中

 Dゾーンに注目校が集まった。好打者対好投手の対戦が目白押しとなった。1回戦最後の登場となる昨秋の明治神宮大会王者・大阪桐蔭と対戦するのは鳴門。ともに甲子園優勝経験校だ。

 大阪桐蔭は、昨秋の公式戦17本塁打と出場校中2位。3季連続の甲子園となる3番・松尾の上位だけではなく、下位打線も長打力を秘める打線に切れ目はない。一方、鳴門の左腕・冨田は主要投手の中で出場校中3位の防御率0・86。制球も良く、チェンジアップなど緩急も使った投球で強力打線をかわしたい。

 花巻東と市和歌山の対戦も興味深い。花巻東は高校通算50本塁打で今大会一の注目打者・1年生の佐々木、高校通算41本塁打の主将・田代の長距離打者を擁し、出場校中1位の1試合平均10・5得点の強力打線を誇る。対する市和歌山の最速149キロの右腕・米田は昨年のセンバツで甲子園のマウンドに立っているだけに経験は十分だ。米田が強打者に臆することなく内角攻めを徹底できるかが鍵になる。

 大島と関東王者・明秀日立の一戦も面白い。大島は最速146キロの直球にスタミナも十分の左腕・大野を擁するだけに、明秀日立は3番・石川、4番・武田を中心に狙い球を絞って攻略したい。春夏の甲子園計7回優勝の古豪・広島商は21世紀枠の丹生と対戦。ともに粘り強い守りが持ち味だ。

(毎日新聞)

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