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大声援背に熱戦開幕 開会式145チーム全員参加 浦学、すべては夏のために

【写真】開会式で力強く行進する参加145チームの選手たち=8日午前、さいたま市の県営大宮球場

 第105回全国高校野球選手権記念埼玉大会は8日、県営大宮球場で145チームが参加して開会式が行われた。夢の甲子園出場を懸け、21日間にわたる熱戦の火ぶたが切られた。決勝は28日午前10時から同球場で行われ、優勝チームは全国高校野球選手権(8月6~22日・甲子園)に出場する。

 午前11時、大勢の観客がスタンドから見守る中、開会が告げられた。球場のセンターゲートから春季県大会王者の昌平を先頭に、最後の浦和学院まで全145チーム、計2657選手が入場行進。コロナ禍前の通常様式で開催され、全登録選手が参加する開会式は2019年以来4年ぶり。選手たちの顔は誇らしさと緊張感、笑顔に満ちていた。

 グラウンドでは聖望学園の柳京四郎主将が優勝旗を返還。続いて高橋直人県高野連会長が「本日に至るまで仲間とともに厳しい練習に取り組んできたその成果を、今大会で遺憾なく発揮していただきたいと思います」とあいさつした。

 大野元裕知事は祝辞で「相手チームに対する敬意を持ちながら、これまで培ってきた努力、練習の成果を最大限に生かし勝利に向けて最後の一瞬まで戦っていただきたいと思います」と選手たちの活躍に期待した。

 最後に選手代表で大宮工の鍵山大地主将が力強く選手宣誓を披露。「一球一球、青春を球に込め、聖地・甲子園を目指し正々堂々、力いっぱいプレーすることを誓います」と球児たちの思いを代弁した。

 開幕戦は宮代が7-4で狭山経済に逆転勝利。一回1死から浅野が中越え三塁打を放つと、続く金子和の左越え適時二塁打で先制。2-2の三回には2死三塁の場面で金子竣が中越え適時打を放って勝ち越した。投げては2年右腕安類が4失点完投で守り切った。

 大会は第2日の9日から本格化し、8球場で1回戦16試合が行われる。昨年は大声での応援などが禁止されていたが、今大会は制限なしで応援が可能。入場料は一般800円、身分証明書を提示した中高生は200円。引率された少年野球、中学生チーム(引率者・保護者有料)、障害者(障害者手帳を提示)と介添者1人、小学生以下は無料。

誇り高く球友へエール 選手宣誓 大宮工の鍵山主将

 大勢の観衆が見つめる中、大宮工の鍵山大地主将が選手宣誓を務めた。大きな拍手に包まれ「生涯こんなたくさんの拍手をもらえる機会はない」と誇らしげに振り返った。

 宣誓文で特に思いを込めたのは、野球部の3年13人で話し合い、自分たちの姿を重ねた「青春を球に込め―」の一文。さらに「全員が甲子園に行けるチャンスがあると伝えたかった」と、英文を入れ、球友たちへのエールも忘れなかった。

 7月に入ってからは、毎晩のランニングのついでに近所の田んぼの中心で大きな声で練習していたことを照れくさそうに明かした。リハーサル後に人前で話すのは苦手だと話したが、本番では堂々と宣誓を披露し自己採点は「100点」と晴れやかな表情を見せた。

 大役を終え「ほっとしている。次は試合でベストコンディションを出せるよう切り替えたい」。春日部工-大宮の勝者と顔を合わせる13日の初戦に向け「(大宮工は)打順に関係なく点を取れる。そこを生かして勝ちたい」と、次はプレーで球場を沸かせたい。

選手宣誓全文

 宣誓 4年ぶりの声を出して応援交じる、本来の夏の大会が戻ってきました。その喜びに今、私たちは胸がいっぱいです。3月のWBCで日本中がたくさんの勇気をもらったように、私たち高校球児も野球を通して、元気や感動を届けられるよう全力で白球を追います。3年間ご指導くださった指導者の皆さま、支えてくれた家族、どんな困難も共に乗り越えてきた仲間と共に「If you can dream it, you can do it ―夢を見ることができるなら、かなえることができる―」の言葉を胸に試合に臨みます。一球一球、青春を球に込め、聖地・甲子園を目指し正々堂々、力いっぱいプレーすることを誓います。

 令和5年7月8日 選手代表 埼玉県立大宮工業高等学校 野球部主将 鍵山大地

Aシード・浦和学院、すべては夏のために

 Aシードの浦和学院は昨年の夏から県大会3季連続準優勝の雪辱に燃える。主将の江口は「合言葉の『すべては夏のために』を意識して準備してきた。やるべきことは変えずにいつも通りにプレーする」と決意を固める。

 春季関東大会の初戦では選抜大会8強の専大松戸(千葉)に八回まで3-1でリードするなど実力は十分。全国上位校を相手に5回を投げて1安打無失点に抑えたエース伊藤は、「優勝候補を相手に無失点で試合をつくれたことは大きな収穫だった」と関東の経験を自信に変える。

 春の県大会5試合で43得点の強力打線は4番の喜屋武が引っ張る。「得点圏打率とチャンスメークを意識してやってきた。冬からのバッティング強化を結果で示して甲子園に行く」と集大成の夏に臨む。

都道府県功労賞に神谷氏 育成功労賞に森氏を選出

 日本高野連は「都道府県功労賞」に県高野連専務理事の神谷進氏(59)、「育成功労賞」に浦和学院前監督の森士氏(59)をそれぞれ選出した。

 神谷氏は久喜北陽や上尾の部長などを経て2020年から現職。森氏は監督として春夏合わせて甲子園に22度出場し、13年の選抜では県勢45年ぶりの優勝に導いた。2人は上尾時代の同級生。神谷氏は「ありがたいの一言」、森氏は「一緒に受賞させてもらい感謝」と喜んだ。

 このほか沢田勉氏(越谷西)、今井孝氏(進修館)、西沢達氏(入間向陽)が永年勤続表彰を受けた。

(埼玉新聞)

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