第105回全国高校野球選手権記念埼玉大会は25日、県営大宮とレジデンシャルスタジアム大宮の2球場で準々決勝4試合を行い、4強が決定する。Aシード昌平、浦和学院などシード勢16校中、7校が勝ち上がり、ノーシードから川越東が8強入り。公立勢では唯一、Dシード春日部東が14年ぶりのベスト8に進出した。甲子園出場切符まであと3勝。終盤戦に突入する準々決勝の見どころを探った。
昌平-東農大三「昨秋の再戦 4強へ火花」
秋季県大会の準決勝の再戦。前回は7-0の七回コールドで昌平が完勝したが、今大会6失点と投手力が光る東農大三が雪辱を期す。
昌平は、ともに最速140キロ超えの佐藤勇、佐藤立ら速球派右腕の登板が見込まれる。5回戦で4安打3打点を挙げた4番で捕手の斎藤が攻守の要となる。
チーム防御率0・50の東農大三は、強気に内角を突けるエースの左腕金井に、制球力の高い2年右腕加藤と青木が控える。5回戦で2ランを含む2安打5打点の4番高嶋らが援護したい。
花咲徳栄-秀明英光「強力打線に粘投で対抗」
花咲徳栄の強力打線に秀明英光が投手力で挑むDシード同士の一戦。
秀明英光のエース左腕大石は、ここまで11回を投げ自責点0と安定。背番号11の右腕小川は大宮東との5回戦でスライダーを武器に被安打2で完投した。小島、豊田を含めた4人の3年生投手陣がどこまで粘れるか。
花咲徳栄は、4試合で51得点、無失点と攻守で盤石の戦いぶり。上位から下位まで強打者が並ぶ中、打率6割9分2厘の2番生田目、5割3分8厘の4番小野が特に振れている。
春日部東-川越東「新鋭勢い加速 好カード」
ともに実力校を倒し勝ち上がったDシード春日部東とノーシード川越東は注目のカード。
5回戦でBシード市川越に競り勝ち14年ぶりに8強入りを決めた春日部東は、ここまで12犠打、14盗塁と小技を絡めた野球が最大の武器。毎試合犠打を決めている山本が打線のつなぎ役となる。
川越東は、16回2/3を投げ3四死球と制球力が高いエース名取と打たせて取る井上が2枚看板。攻めては塁に走者を置いた状態で、ともに打率3割超えの5番河井、6番山根らを迎えたい。
埼玉栄-浦和学院「打撃好調同士 乱打戦も」
春季県大会の3回戦でともに2桁安打を放った両校の再戦は、点の取り合いも予想される。
埼玉栄は、狭山清陵の八巻ら好投手を攻略してきた打線が奮起したい。最速139キロのエース山下、制球力抜群の岡田、1年右腕和泉ら総力戦で相手打線をいかに抑えられるかがポイント。
浦和学院は、全4試合で2桁安打と持ち前の打力が健在。打率4割超えの1年西田、5割7分1厘の2年月山ら若い力が攻撃の機運を高める。出塁率の高い1番小林は好機の足掛かりとなる。
(埼玉新聞)