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JR東海、走攻守光るルーキー4人 要所で活躍、チームに勢い 社会人野球日本選手権

【写真】日本選手権出場の原動力となる活躍を見せたJR東海の(左から)河村唯人投手、山崎大輝選手、上神雄三選手、山本晃大選手=愛知県瀬戸市で2023年10月17日

 第48回社会人野球日本選手権大会で11日に登場するJR東海(愛知)。夏の都市対抗で予選敗退した悔しさをバネに大阪の舞台に立つ。東海地区予選を3連勝して代表の座を射止めたチームに勢いをもたらしているのが、今春加入した4人のルーキーだ。

 9月9日の予選初日に行われたHonda鈴鹿(三重)との一戦。接戦を繰り広げ、1点リードされた八回表から登板したのが河村唯人投手(23)だった。

 日大三高(東京)時代、夏の甲子園で好救援を見せて4強入りに貢献した。最速146キロの直球に加え「社会人になってからタイミングを外す緩急を学んだ」。失投が勝敗につながる緊迫する場面にも動じることなく、Honda鈴鹿の3人を危なげなく外野フライに仕留め、九回も無失点で抑えた。「新人とは思えないくらいタフなメンタルの持ち主」とスタッフも驚く。

 ルーキーながら予選の全3試合を4番・一塁手でフル出場したのは上神雄三選手(23)。今夏に現役を退いた元中日ドラゴンズ選手の中田亮二コーチ(36)が守っていたファーストでレギュラーをつかみ、西濃運輸(岐阜)戦と三菱自動車岡崎(愛知)戦でそれぞれ逆転と先制の長打を放った。

 関西大時代は1年の時から中軸で活躍。「広角に打てるのが自分の長所。特別なことをしようとせず、自分のスイングをするだけ」と頼もしい。現在は中田コーチから打撃のタイミングの取り方について学んでおり、本大会でのさらなる覚醒に期待が高まる。

 長崎商高、中部学院大出身の山崎大輝選手(23)は遊撃手として予選をもり立てた。打者のスイングや投球コースから打球が飛ぶ方向を予測して素早く反応。「スピード感あるプレーが魅力。さらに成長してほしいとの意味も込めて起用している」とスタッフの評価も高い。

 「守備の人」だけで終わらないのが山崎選手の特徴。勝負強い打撃も兼ね備え、投手の嫌がる打者として存在感を発揮する。代表決定戦では、2点リードされた八回の打席でファウルで粘った後に中前打で出塁。好機を広げ、チームの逆転勝ちを呼び込んだ。

 浦和学院高から慶大に進み、東京六大学リーグ・ベストナインの実績をひっさげて入社した山本晃大選手(24)は安定した守備が持ち味だ。

 代表決定戦の六回、既に5点を取られて逆転を許し、なお2死満塁のピンチの場面で相手打者が放った右中間の大飛球をダイビングキャッチ。このワンプレーで試合の流れを変え、その後の逆転劇につなげた。山本選手は「社会人になってから自分の成績よりチームの勝利を第一に考えるようになった。どんな形でもチームに貢献したい」と話す。

 井上裕貴監督(41)は4人について「『先輩たちがカバーするから思い切ってやれ』と伝えている。アグレッシブにやってほしい」と期待を込める。4人がそれぞれの個性をぶつけ、11日のJR四国(香川)戦に挑む。

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