【写真】伸びのある直球に、さらに磨きが掛かった浦和学院のエース・左腕小島和哉(埼玉新聞)
第85回選抜高校野球大会の開幕まで2週間と少しに迫った。浦和学院、花咲徳栄ともに沖縄合宿を敢行し、いよいよチームづくりも佳境だ。目指す全国の頂へ、エースや主砲はもちろん、復活を期す者、陰でチームを支える者…など、両校のキーマン、5人ずつに迫った。
◇上質な直球、真っ向勝負 小島和哉投手
好投手の条件を探ってみると、直球に関して言えば二つのタイプに分かれる。150キロ近いスピードボールで打者を制圧するのか、キレと制球力を駆使し、四隅を突くのか。小島は、紛れもなく後者に当てはまる。
最速は136キロ。目を見張る速さではないが、誰もがうらやむ、しなやかなフォームから投じられる真っすぐは、ホームベース上で浮き上がるように、ぐいっと伸びる。
直球とは背番号1にとってどういう存在なのか、本人に尋ねてみた。すると「軸となり、変化球よりも信頼できる球。困った時は真っすぐ。甲子園でも内角にどんどん投げたい。分かっていても打てないストレートを投げられるように、これからも努力していきたいです」。やはり相当なこだわりがあるようだ。
今冬はタイヤ引きや砂場ダッシュなど、日々の鍛錬を欠かさず「低めが秋より伸びている感覚がある」と手応えも得ている。昨秋以降、新たにスクリュー系のチェンジアップを覚えた。それも、確固たる”武器”を最大限に生かすため。
昨夏の甲子園では1年生ながら天理(奈良)との3回戦に2番手として登板したが、「緊張で足が震えていた」。3回3失点(自責点は1)と相手の勢いを止められなかった。
だが今回は違う。浦和学院の絶対的なエースへと進化を遂げた左腕。「チームが勝つために、とにかく全力で投げるだけです」。真っすぐな気持ちで投げ込む、上質な直球に大注目だ。
(埼玉新聞)