埼玉の浦和学院。先輩たちの思いを胸に甲子園に臨みます。
この年の選抜で全国制覇を果たした浦和学院。去年秋の関東大会で強豪を抑えて優勝し、2年ぶり10回目の選抜出場を決めました。
エースは左腕の江口奨理投手です。去年の公式戦の防御率は1・57。チェンジアップなど切れ味鋭い変化球を織り交ぜた抜群の制球力が持ち味です。
江口投手「守ってもらったり打ってもらったりしているので、その分自分が抑えて、ピンチでも気持ちで打者を打ち取れるように心がけてやっています。」
今年のチームの特徴は、なんといっても堅い守りです。去年の公式戦の平均失点はわずか1・7。全国でもトップクラスの守備力です。堅い守りは、この練習で鍛えられました。
5人のバッターが一斉にノックをする、その名も「乱れ打ち」。選手全員がひたすらノックを受け続けます。普段はコーチなどが行っていたノック。しかし、今年は違います。打つのは去年夏に引退した3年生たちです。
去年2度目の全国制覇を期待されながら、夏の地方大会は3回戦で敗退。卒業する前に再びチームを盛り立てたいと多くの3年生がチームに残り、後輩たちを支えてきました。
高橋友人選手(3年)「このままじゃ絶対に終われない、次の代に受け継ぐという形で最後まで面倒を見ようと思いました。」
一昨年の選抜優勝投手、小島和哉選手もバッティングピッチャーを買って出ます。早稲田大学に進学が決まったあとも後輩たちを支え続けました。後輩の投手には変化球の投げ方など技術面の指導のほか、甲子園の大舞台でも緊張せずに力を発揮できる秘訣を伝えます。
江口投手「この秋は(3年生の)背中を見て追いかけていたので、春の選抜では優勝できるように、小島さんや3年生に恩返しできるようにやっていきたいです。」
先日、お世話になった3年生たちを送り出す会が開かれました。
森監督(3年生一人一人と抱擁して)「おめでとう、頑張ってな」
津田主将「甲子園に行かせてもらったことに感謝して、3年生すべての方に恩返しできるように甲子園で目いっぱい暴れてきます。」
3年生の思いを強さに変えて、狙うは2度目の全国制覇です。