5年ぶりの夏の甲子園となった浦和学院(南埼玉)は32年ぶり8強入りの結果を残した。昨夏に甲子園出場を逃した悔しさをバネに、この1年「新生浦学」づくりに励んだ成果だった。甲子園での戦いぶりは、今後のさらなる飛躍を予感させた。
自主性を重視 打撃鍛え成果
花咲徳栄が県勢悲願の夏制覇―。昨年、その衝撃と向き合うところから新チームは始まった。春夏通算23回の甲子園経験がある強豪が、本気で「復活」を模索した1年だった。
森士(おさむ)監督(54)が新たに始めたのが選手への問いかけ。指導者は質問を重ね、選手が解決策を導くやり方で自主性を伸ばした。南埼玉大会では選手同士の連携で盗塁を重ね、甲子園に出た56校中、最多の30盗塁を記録。5年前の雪辱となった初戦の仙台育英(宮城)戦でも、上野暖人(はると)君(3年)がサインなしで二盗を決めた。「ずっと練習してきた。打者とはあうんの呼吸で迷わず走れた」と胸を張った。
打ち勝つ野球を目指し、あらゆる打撃練習に取り組んだのも実を結んだ。課題だった左腕投手が先発した3回戦の二松学舎大付(東東京)戦では、2桁安打を記録。甲子園の3試合で5安打4打点と活躍した矢野壱晟(いっせい)君(3年)は「力があるわけではなかったが、この1年で打球が抜けるようになった」。
ベンチ外の選手やOBらが積極的にチームを支える姿も印象的だった。
主将の蛭間拓哉君(3年)はトレーナーに教わった呼吸法を打席で実践し、本塁打を放った。けがから復調した渡邉勇太朗投手(3年)は、体に無理のない投球をするための身体理論を採り入れ、調整を続けて高校初完封を達成した。
梅村剛君(3年)は元投手だが5月に脇腹のあたりを骨折し、今大会は記録員を務めた。部OBでもあるコーチ陣と相手校の分析を助けた。
「第2のスタートとしては上出来」。打倒が目標だった大阪桐蔭に準々決勝で敗れたが、チーム復活にかけた森監督はそう話す。捕手として投手陣をリードした畑敦巳君(2年)は「自分が引っ張りリベンジする」と闘志を燃やす。
昨夏の衝撃を強さに変えた。同じように、浦学と徳栄がともに甲子園で戦った経験が、来年きっと県勢を押し上げる。
(朝日新聞埼玉版)
今年の夏は、久々の甲子園出場&2つ勝ってくれた上に更にU18に2人選出!
仕事に集中出来ない日々が続きそうだ。無論、新チームの飛躍にも期待しております。
頑張れ渡邉君&蛭間君&新チーム!!