(17日・ひたちなか市民ほか)
第3日は準々決勝4試合が行われ、浦和学院が11-4で日川(山梨1位)に七回コールド勝ちし、準決勝に進出。習志野(千葉)、横浜創学館(神奈川)、前橋商(群馬)もそれぞれ勝って4強が出そろった。
浦和学院は一回、押し出しと犠飛で2点を奪うと、三回には今大会初先発の沼田の3点三塁打などで4得点。六回にも星、久保、萩原大の適時打で着実に加点した。大会初先発の萩原大は4失点ながら最後まで粘り強く投げ切った。
第4日は18日、準決勝2試合が行われ、浦和学院は前橋商と対戦する(12時30分・水戸市民)。
【戦評】
相手投手の乱調につけ込んだ浦和学院が9安打で11得点を奪い、日川にコールド勝ちした。
浦和学院は日川の先発・古屋から5四球、4死球を得たのが効いた。一回、押し出しと犠飛で2得点。三回は4つの四死球で2死満塁とし、沼田が走者一掃の三塁打を放った。
先発の萩原大は9安打を浴びながら与えた四球は1と無駄な走者を許さず、4失点で切り抜けた。
◇今大会初先発で必死にアピール
今大会初スタメンで8番に入った2年生の沼田が一振りで結果を出した。三回2死満塁で打席に立つと、5球目の高めのスライダーを左中間へ。打球に飛び込んだ中堅手が後逸する間に悠々と三塁を陥れ、「一気に突き放せてよかった」と走者一掃の三塁打を喜ぶ。
東京出身で「甲子園に行きたかった」と誘いを受けて入学。大会直前にけが人が出たため、急きょメンバー入りした。「次は代打しかないけれど、決めていきたい」。わずかなチャンスを生かそうと必死にアピールした。
◇質の違いが点差に
日本代表仕様のユニホームもすっかり板についてきた浦和学院が試合巧者ぶりを発揮。32年ぶりの関東大会出場で勢いに乗る古豪・日川に力の差を見せつけた。森監督は「相手のミスをうまく生かして加点できたことが良かった」と冷静に試合のポイントを挙げる。
七回コールドながら試合時間は2時間28分。両先発投手がピリッとしないためか、一見すると長く退屈な試合に思われがちだが、その中でも攻守に浦和学院の質の違いがはっきりと表れていた。
今大会初先発で横手投げに変えてから1カ月半の左腕・萩原大は打たせて取る投球が持ち味。9安打を浴びながら、四球はわずか1つで傷口を最小限にとどめたことが大きかった。10-1とリードした七回に3本の長短打で3点を奪われ、「詰めの甘さが出た。自分の課題です」と反省するが、指揮官は「これもいい経験」と大目に見る。
逆に攻撃では相手と同数の9安打ながら、日川のエース古屋から5四球、4死球を得るなど145球を投げさせたことが決め手になった。2四球を選んだ2番の濱田優がいい例だ。「ファウルを打つ練習をしてきて、球が見えるようになった」と4打席で出塁し、すべて本塁に生還した。
「点を取りあぐねることがなく、最後まで集中が途切れなかった」と森監督。快勝に納得の表情だった。
(埼玉新聞)
森士監督 「打線が集中力を保ち、相手のミスを見逃さずよく打ってくれた。夏につながる試合になった」
星稜太主将 「先制して攻撃からリズムをつくる自分たちの野球ができた。必ず優勝したい」
(読売新聞埼玉版抜粋)