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浦和学院、準々決勝で春日部共栄に1点差惜敗「浦学らしいプレー見せてくれた」

【写真】8回裏浦和学院1死二塁、三井の適時打で二塁から生還する石田(左)

 第10日は準々決勝4試合を行い、Aシード花咲徳栄、同昌平、Bシード山村学園、同春日部共栄が準決勝に駒を進めた。4強入りは花咲徳栄が3年連続、昌平が2年連続、山村学園が2年ぶり、春日部共栄が3年ぶり。

 花咲徳栄は延長十回タイブレークにもつれる一戦で西武台に12-9で勝利した。春日部共栄は昨夏王者の浦和学院に6-5で逆転勝ち。山村学園は東農大三を6-4で下した。昌平は浦和麗明を10-0の六回コールドで退けた。

 第11日は26日、県営大宮で準決勝2試合を実施。花咲徳栄-山村学園(午前9時)、春日部共栄-昌平(同11時半)の対戦で決勝進出を争う。

浦和学院、粘り及ばず敗戦糧に

 2年連続の夏の甲子園を目指していた浦和学院が、長年宿敵関係にある春日部共栄に激しい攻防の末、逆転負けを喫した。森監督は「ずっと競り合いの苦しい展開が続く中で最後の最後、粘り切れなかった」と肩を落とした。

 春日部共栄の先発大野の前に序盤は打線が沈黙。1点を追う四回、月山がチーム初安打、2死一塁とした。ここで主砲西田が「4番としてチャンスで貢献したい一心で春から練習してきた」と左越え二塁打で試合を振り出しに戻した。

 1-2の八回には、主将三井の意地の内野安打と浅田、落合の連続適時打で3点を挙げ、土壇場で試合をひっくり返した。この試合初めてリードを奪い九回を迎えたが、投手陣が相手打線につかまった。

 先発メンバーに昨年の甲子園経験者4人が名を連ねたが、無念の準々決勝敗退。森監督は「去年甲子園に出場した主力を中心に最後まで諦めず底力を見せた。2年生がきょうの3年生の姿を見てやり返してくれるだろう」と今回の敗戦を浦和学院の糧とする。

浅田、感謝の思い胸に 勝負強さを発揮

 今大会、これまでここぞという場面で打点を挙げてきた浅田が、勝負強さを発揮して適時打を放った。

 八回に先頭の石田が内野安打で出て、三井の適時打で同点。さらに2死一、三塁で浅田がしぶとく左前へヒットを放った。浅田は「皆のため打席に立った。今までやってきたことを全てぶつけた」と振り返り、「メンバー外の部員や、支えてくれた皆のおかげ」と周囲への感謝を忘れなかった。

(埼玉新聞)

森大監督「浦和学院らしいプレーを見せてくれました」

 浦和学院は春日部共栄に競り負け、連覇はならなかった。森大監督(33)は「甲子園連続出場はなりませんでしたが、浦和学院らしいプレーを見せてくれました」と選手たちをたたえた。

 最後の夏になる春日部共栄・本多監督は父・士氏の代からのライバルで「恩返しのつもりで挑みました」という一戦だった。「3年生には“君たちの夏も最後だから”と言いました。勝たせてやりたかったです」と唇をかんだ。

三井雄心主将は涙「悔しいし、寂しい」

 浦和学院・三井雄心内野手(3年)は「悔しい気持ちでいっぱいです。1つになってやってきましたが、結果として出なかったので」と声を落とした。

 3番三塁で出場し8回、9回と勝負どころで1打点ずつ挙げたものの、最後はあと1点が及ばなかった。昨夏は甲子園に出場。「まだ実感がわきません。甲子園を目指せないとなって悔しいですし、寂しいです」と涙がこぼれる。

 広角に打てる勝負強い選手をこれからも目指していく。「夢や思いはずっと変わっていないので」。これからの話し合いになるものの、プロ志望届も提出する見込みだ。

(日刊スポーツ)

三井雄心主将、長打狙い覚醒 同点適時打

八回、適時打を放った浦和学院の三井

 浦和学院の主将、三井雄心(3年)は昨夏、2年生ながら甲子園の土を踏み、初戦で9-19という悔しい負けを経験した。新チームの主将となってからは、リベンジすべくチームを引っ張ってきた。

 だが、今春は県大会の16強で敗れた。ここぞという場面で打てず、主将としてふがいなさを感じて自信をなくした。「今思えば、後ろにつなぐ模範的なバッティングを意識しすぎて、思い切ったプレーができていなかった」と当時を振り返る。

 森大監督のアドバイスもあり、積極的に長打を狙うプレースタイルに切り替えた。スイングスピードの強化のために素振りをくり返した。次第に打力が上がり、自信がついた。今大会では何度も長打を放ち、勝ちに貢献した。

 この日は追う展開となった。1-2で迎えた八回、1死二塁の場面。「決めるのは自分だ」。2球目の直球をフルスイングすると遊撃手を強襲する適時打となり、打球はセンター前まで転がった。二塁走者が生還し同点に追いついた。チームは勢いづき、この回さらに2点を挙げて逆転した。

 だが、九回表に再び逆転される。三井はその裏二ゴロで1人をかえすも、自分はアウトになった。次打者が打ち取られ、夏が終わった。

 試合後は、グラウンドで泣き崩れてしばらく動けなかった。森監督は「お前は本当によく頑張ったよ」と肩をたたいたが、「もうこの仲間で野球ができないなんて…。寂しいし、悔しいです」と涙が止まらなかった。

(朝日新聞埼玉版)

試合結果

全国選手権埼玉大会・準々決勝(7/24・レジスタ大宮)

TEAM123456789HE
春日部共栄0100100046130
浦和学院0001000315100
【浦】山浦、松本、山崎、岡部、鈴木由-川原、落合
【春】大野、松村-野口
西田、落合(浦)佐藤2(春)

打撃成績

 浦和学院
位置選手名打数安打打点
石田510
月山430
三井512
西田531
垣内300
浅田311
川原200
2落合111
山浦000
1松本100
1山崎300
1岡部000
1鈴木由000
吉田300
35105
 春日部共栄
位置選手名打数安打打点
和田410
9松浦100
三田村430
佐藤422
平尾310
成井420
高田521
野口301
坂寄422
大野400
1松村100
37136

投手成績

 浦和学院
選手名安打三振四球死球失点自責
山浦2400011
松本2132000
山崎4 1/3741044
岡部1/3110111
鈴木由1/3000000
91383166
 春日部共栄
選手名安打三振四球死球失点自責
大野7 2/3971144
松村1 1/3111010
91082154

チーム成績

TEAM攻撃守備
三振四死球犠打盗塁残塁失策併殺
浦和学院8320800
春日部共栄84401200

九回に粘り強く打線をつないだ春日部共栄が浦和学院に逆転勝ちした。九回1死から3連打などで同点とし、なお2死満塁に坂寄が中前打で2点勝ち越した。浦和学院は10安打を放ち、八回の3点で逆転したが、守り切れなかった。

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