【写真】8回裏浦和学院1死二塁、玉榮の中前打で二塁走者西村が勝ち越しの生還を果たす。捕手並木
秋季県高校野球大会第6日は4日、県営大宮球場で準決勝を行い、浦和学院と花咲徳栄がそれぞれ勝利して決勝に進出するとともに、秋季関東大会(18~21、25、26日・山梨)の出場権を獲得した。関東大会出場は浦和学院が3大会ぶり20度目、花咲徳栄が2大会ぶり16度目となった。
浦和学院は上尾を4-3で下した。浦和学院は2-3の八回に西村、玉榮の連続適時打で逆転。九回は4番手西村が三者凡退に抑えた。花咲徳栄は浦和麗明を9-3で退けた。花咲徳栄は先発全員の10安打で9得点と打線がつながった。投げては先発黒川が6回1/3を3失点。2番手左腕古賀が無失点で試合を締めた。
最終日は5日、県営大宮で決勝(10時)を行い、浦和学院は4大会ぶり、花咲徳栄は2大会ぶりの栄冠を狙う。
終盤に底力 接戦制す
浦和学院は終盤に勝負強さを発揮し、上尾との接戦を逆転で制した。勝利への執念が最後に報われた形となり、森監督は「苦しい中でも全員がつないで、最後は浦和学院らしい野球を見せてくれた」と目に涙を浮かべて選手たちをたたえた。
2-3で迎えた八回に西村が同点適時二塁打を放ち、なお1死二塁。森監督から「おまえなら打てる」と背中を押され打席に入った玉榮は、外の変化球を中前にはじき返し、勝ち越しの二塁走者を生還させた。「あの場面でヒットを打てて本当にうれしい」と喜びをかみしめた。
八回の先頭打者として安打を放ち、逆転の呼び水となったのは3番法量。今大会はここまで11打数1安打と苦しんでいたが、ここ一番で重要な役割を果たした。「ビハインドの試合も何度も経験した。絶対に勝てると思っていた」と強い精神力で逆境を打ち破った。
準決勝を勝ち抜き、関東大会出場が決定したが、チームが見据えるのはあくまで県の頂点。主将の蜂巣は「必ず県1位で関東大会に行く」と決勝戦に闘志を燃やした。
(埼玉新聞)
浦和学院が上尾に逆転勝ち 3年ぶりの秋季関東大会出場へ

浦和学院・西村虎龍外野手は八回から救援し、勝利を労われる
上尾に先行された浦和学院は、1点差を追う八回に2点を奪って逆転勝ち。3年ぶり20度目の秋季関東大会(18日開幕、山梨県)出場を決めた。
八回表、2死一、三塁のピンチに、右翼の守備についていた西村虎龍外野手(2年)はベンチから救援の指示を受けて戻ってきたが、前の回の送球時から右足ふくらはぎがつっていることを訴え、治療を受けてから登板し、遊ゴロに仕留めた。
西村は、その裏の打席で同点二塁打を放ち、6番・玉栄久豊内野手(2年)の中前打で決勝のホームを踏み、さらに九回のマウンドで三者凡退に打ちとって決勝進出を決め、涙を流した。
「(秋季)新人戦で失点して、どうしたらいいんだろうと思って、『やることしっかりやっていこう』とやってきて、2本(安打を)打ててよかった」
入学したときは野手だった西村は、180センチ、75キロまで成長し、秋からは右腕として期待されているだけに、投打にチームに貢献した喜びを滲ませた。
森大監督は「『時間があったら見ておけ』と(昨年1月の準決勝)WBCのメキシコ戦を見るように言っておいて、選手は見た。夏3回戦で負け、たくさん、50試合以上練習試合をやってきて、関東大会を決める成果を出してくれた。皆でまとまった浦和学院になった」と感慨深げに話した。
(サンスポ)
試合結果
秋季県大会・準決勝(10/4・県営大宮)
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
上尾 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 9 | 0 |
浦和学院 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | x | 4 | 9 | 1 |
【浦】 | 伊藤、日高、城間、西村-内藤 |
【上】 | 辻岡-並木 |
三 | 西村、大宮(浦) |
二 | 内藤、西村(浦)菊池(上) |
打撃成績
浦和学院 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑦8 | 鈴木 | 4 | 0 | 0 |
⑧ | 荒居 | 3 | 0 | 0 |
1 | 日高 | 0 | 0 | 0 |
H | 蜂巣 | 1 | 0 | 0 |
1 | 城間 | 0 | 0 | 0 |
9 | 坂田 | 0 | 0 | 0 |
⑤ | 法量 | 4 | 3 | 0 |
③ | 藤澤 | 2 | 0 | 0 |
⑨1 | 西村 | 3 | 2 | 1 |
④ | 玉榮 | 3 | 1 | 2 |
② | 内藤 | 4 | 2 | 0 |
⑥7 | 大宮 | 3 | 1 | 0 |
①6 | 伊藤 | 1 | 0 | 1 |
計 | 28 | 9 | 4 | |
上尾 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑦ | 小森 | 4 | 0 | 0 |
⑥ | 関根 | 3 | 1 | 1 |
① | 辻岡 | 3 | 2 | 0 |
③ | 菊池 | 3 | 1 | 1 |
⑨ | 丹田 | 3 | 0 | 0 |
⑤ | 関谷 | 4 | 1 | 0 |
② | 並木 | 4 | 2 | 0 |
⑧ | 坂田 | 4 | 1 | 0 |
④ | 森田 | 4 | 1 | 1 |
計 | 32 | 9 | 3 |
投手成績
浦和学院 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
伊藤 | 6 1/3 | 6 | 2 | 1 | 2 | 3 | 1 |
日高 | 2/3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
城間 | 2/3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
西村 | 1 1/3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
計 | 9 | 9 | 4 | 1 | 2 | 3 | 1 |
上尾 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
辻岡 | 8 | 9 | 1 | 2 | 0 | 4 | 4 |
計 | 8 | 9 | 1 | 2 | 0 | 4 | 4 |
チーム成績
TEAM | 攻撃 | 守備 | |||||
三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 | 併殺 | |
浦和学院 | 1 | 2 | 4 | 1 | 6 | 1 | 2 |
上尾 | 4 | 3 | 2 | 0 | 7 | 0 | 1 |
終盤に底力を発揮した浦和学院が上尾に逆転勝利を収めた。浦和学院は2-3で迎えた八回、先頭の法量が安打で出塁。続く藤澤が犠打で1死二塁の好機をつくると、西村、玉榮の連続適時打で2点を奪い逆転に成功した。終盤でこの試合初めてリードし、そのまま逃げ切った。上尾は得点した直後の守備で失点し流れをつかみ切れなかった。