第41回明治神宮野球大会は13日から5日間、神宮球場で行われる。高校の部には全国各地区大会を制した10校が参加。関東大会で15年ぶり2度目の頂点に立った浦和学院が初出場する。浦和学院は15日の準々決勝が初戦となり、東北(東北)-金沢(北信越)の勝者と対戦(11時)。勝てば16日の準決勝で北海(北海道)-日大三(東京)の勝者と当たる(11時)。今大会で好成績を残し、選出が確実な来春の第83回選抜高校野球大会(来年3月23日から12日間・甲子園)に弾みをつけたい。
積極的な「フルスイング」を掲げる強力打線を武器に、関東王者にまで登りつめた。1年生エース佐藤も経験を積んで成長し、投打の歯車ががっちりかみ合っている。
チーム打率は9試合で3割5分3厘。関東大会決勝でサヨナラ適時打を放った5番日高は好調。3本塁打と長打力もある。打率では6番石橋が5割5分6厘とチームトップ。1番佐藤は打撃センスを備え、15打点と好機に強い。主砲沼田も3本塁打と長打力を誇る。
エース佐藤の防御率は0・83。関東大会は3試合で1・33と安定感が光った。カーブ、ツーシームの使い方がうまく、要所では最速135キロの直球を内角に投げ込む。
控え投手の経験不足は不安材料。だが、守備は9試合で7失策と安定しているだけに、佐藤が粘り強く投げている間に打線が援護したい。
◇関東の勢いで頂点狙う 森士監督
関東代表として恥ずかしくない試合をやりたい。コンディション調整は難しいが、関東の勢いで頂点を狙う。
◇自分たちの試合運びで 小林賢剛主将
打撃は一発で仕留め、守備は打たせて取る確率を上げて、自分たちの試合運びで勝てるようにしたい。
(埼玉新聞)
◇浦和学院高等学校(関東・埼玉) 初出場
<チーム紹介>
地元1位校としてシードされた関東大会は準々決勝からの登場。プレッシャーのかかる中で、3試合全てで二桁安打と打線が気を吐いた。打線の核になるのは1番を打つエースの佐藤。11打数5安打、打点は全試合で挙げる7と、打撃でも非凡なセンスを見せた。「最初に打つとピッチングでもリズムが出ます」と佐藤。
チームトップの7安打をマークした日高は2試合連続で本塁打を放っている。決勝の東海大相模戦では9回2死満塁からセンター前へサヨナラ打。勝負強さが光った。初戦は代打出場でヒットを放ち、準決勝からスタメンに起用された柴、それに6番の石橋が全3試合でヒットを放っている。
準決勝で2、決勝で3の失策が出たように守備は課題。捕手は関東大会で初めて1年生の林崎を起用。ただ決勝の後半は林の癖が読まれていることを察知した森監督が次男の森光司に代える場面があった。
小林主将は「今年のチームは弱いと言い続けられていた」と話す。そのチームが徹底したのは声を出すこと。例年以上に大きな声をベンチからも出して、バックを後押しした。
<投手紹介>
関東大会3試合を一人で投げ切ったエース佐藤の存在が大きい。身長171センチと決して大きくないが、センスと投球術は高校生離れしている。直球の最速は135キロから136キロくらいと本人は話す。
球種はカーブ、スライダー、カットボール、ツーシームと多彩。特にカーブはスローカーブ気味に遅く、やや落ちるツーシームとともに大きな武器になっている。直球はもの凄く速いわけではないため、緩急を使って「いかに打者に速くみせるかを常に考えている」と佐藤は話す。さらにやや招き猫気味になるリリースポイントが、打者にとって球を絞りつらくなっているようだ。
クレバーな配球については関東で対戦した横浜・渡辺監督や、東海大相模・門馬監督が「うまいピッチング」と驚いていた。背番号10の浅田、14の中山の両左腕が控え投手として準備する場面があったが、結局関東大会での登板はなかった。
<関東大会での登録選手>
①佐藤 拓也(1)171-71
②森 光司(2)180-81
③日高 史也(2)174-78
④遠藤 生 (2)172-72
⑤沼田洸太郎(2)180-83
⑥小林 賢剛(2)176-72
⑦荒井 大樹(2)177-75
⑧石橋 司 (1)182-73
⑨柴崎 裕介(2)171-65
⑩浅田 龍一(2)182-72
⑪松浦 光謙(2)177-75
⑫林崎 龍也(1)171-70
⑬明石 飛真(1)170-77
⑭中山 翔太(2)175-81
⑮室町 辰徳(2)164-68
⑯村上 和広(2)171-70
⑰今栄 尚人(2)174-82
⑱笹川 晃平(1)182-72
※背番号-氏名-学年-身長-体重
(高校野球情報.com)