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浦和学院、決勝へ 秋季高校野球関東大会

 高校野球の秋季関東大会第4日は4日、県営大宮球場で準決勝を行い、浦和学院は横浜(神奈川)に8-3で快勝し、6年ぶり5度目の決勝進出を果たした。浦和学院は5日の決勝で、15年ぶり2度目の優勝を懸け、東海大相模(神奈川)と対戦する(県営大宮・10時)。

◇浦学、猛打で横浜粉砕 15年ぶりV目指す

 浦和学院は10安打8得点とこの日も打線が好調だった。一回に2点先制されたが、二回に日高が2試合連続本塁打となる2ランで追い付き、佐藤の犠飛で勝ち越し。四回にも荒井のスクイズなどで着実に加点した。佐藤は3失点で完投した。

 浦和学院が10安打8得点と効率よく加点し、横浜に快勝した。

 浦和学院は2点を追う二回、日高の左越え2ランで追い付くと、佐藤の犠飛で勝ち越し。四回には荒井のスクイズ、七回は石橋の適時三塁打などで突き放した。エース佐藤は被安打6、3失点で完投。二回以降は緩急を織り交ぜた粘りの投球で横浜に的を絞らせなかった。

■準決勝(11月4日・県営大宮)

横浜
200010000=3
03020120x=8
浦和学院

▽バッテリー
【横】山内、柳-近藤
【浦】佐藤-林崎

▽本塁打 日高(浦)
▽三塁打 石橋(浦)
▽二塁打 石橋、沼田、柴崎(浦)樋口、高橋(横)

安打:浦10、横6
失策:浦2、横2

【浦和学院】
①佐 藤2-1-3
④遠 藤4-0-0
⑥小 林4-0-0
⑤沼 田5-1-0
③日 高3-1-2
⑧石 橋4-2-1
②林 崎3-1-1
⑨柴 崎3-2-0
⑦荒 井2-2-1
(打数-安打-打点)

横3430206
 振球犠盗失併残
浦4550218

◇強気の打撃が浸透

 埼玉王者と神奈川王者ががっぷり四つに組んだ好勝負は、浦和学院が春夏合わせて5度の甲子園優勝を誇る横浜を、力ずくで押しのけた。森監督も「こんなゲームになるとは思わなかった」と、快勝に選手たちの奮闘をたたえた。

 立ち上がりは不安だった。県大会から公式戦わずか2失点のエース佐藤が一回につかまった。暴投と四球などで招いた1死一、三塁のピンチ。4番樋口に直球を完ぺきにとらえられ、2点二塁打を許した。佐藤も「甘く入って打たれた」と今までとの違いを痛感した。

 しかし、慌てるそぶりはまったくなかった。落ち着いて後続を打ち取ると、強力打線がこの日も爆発した。

 二回無死一塁で5番日高が2試合連続弾となる2ラン。手を休めず1死満塁とし、佐藤の犠飛で勝ち越した。四回には荒井がスクイズを決め、その後も手堅く加点。初戦の12安打に続く2試合連続二けた10安打で8得点し、横浜を突き放した。

 今年2月から主に打撃指導に当たる中村コーチは「前チームと技術的には変わらないが、『当てにいかず振り切れ』としつこく言いだしたのは新チームから」と説明する。

 森監督も「思い切りが功を奏しており、それが全体に見受けられる」と感心する。狙い球を絞り、結果を気にせずファーストストライクからどんどん振っていく打撃がここまで吉と出ている。

 横浜を粉砕して進んだ決勝の相手は、夏の甲子園準優勝校の東海大相模。昨年の準々決勝でコールド負けした上、秋の関東大会では3戦全敗。だが、投打に好調を維持している今の浦和学院には負ける気配は感じられない。

◇期待応え、迷いなき一打

 何の迷いもなかった。2点を追う二回無死一塁、日高は横浜バッテリーが不用意に投げ込んできた初球の直球を強振。大きな放物線を描いた2試合連続アーチは貴重な同点2ランとなり、チームを勢い付かせた。

 2点を追う展開だけに、堅実に送りバントのサインも考えられたが、森監督のサインは「打て」。日高は「シャープにバットを振って、単打でつなぐ」と初球の甘い直球を、左肩の開きを抑えて強くたたいた。ガッツポーズでダイヤモンドを一周し「打たせてくれた期待に応えられた」と笑顔を見せた。

 今夏は大会直前でメンバー落ち。「悔しかった」とバットに思いをぶつけた。スイングスピードを磨き、素振りも一球一球イメージを大事にしながら振った。

 決勝で戦う東海大相模には昨年の関東大会準々決勝でコールド負けした。自身も夏の甲子園準優勝投手・一二三の前に三振に倒れている。リベンジに向け「3試合連続ホームラン?狙わないです。結果的に打てたらいいですけど・・・」。不敵な笑みを浮かべ足早にバスに乗り込んだ。

◇強豪相手に真っ向勝負

 あどけない顔に似合わないずぶといマウンドさばきで横浜に真っ向勝負を挑んだ。エース佐藤が被安打6で3失点完投。「いい打者ばかりなので、負けずに気合いを入れて投げた」と笑顔を見せた。

 一回に直球を痛打され2失点。だが、ここですぐに切り替えられるのが好投手の証だ。「初回以外は緩急を使って抑えられた」。五回無死一、三塁のピンチも二ゴロ併殺に打ち取り、最少失点で切り抜けた。「これを自信に次も頑張る」。背番号1の後ろ姿がチームに落ち着きを与えている。

◇決勝スクイズの荒井 9番打者が大仕事

 心の準備は万端だった。「サインが出るのは分かっていたから」。四回1死一、三塁から決勝のセーフティースクイズを決めた荒井は誇らしげだ。

 六回1死一、三塁の場面では佐藤の右飛で三塁走者の柴崎がタッチアップすると見るや、一塁から果敢に二塁を奪った。「常に先の塁を狙っている」と走塁への意識の高さも披露した。

 2打数2安打で1四球1犠打と9番打者として申し分ない働きだ。「明日もチームの勝利のために働きます」と力強く宣言した。

◇持ち味発揮し2安打1打点

 6番石橋が持ち味を存分に生かした。四回に口火を切る二塁打に続き、七回には適時三塁打を放った。いずれもライト方向に引っ張った強烈な打球で、「球も見極められたし、同じ学年の佐藤が頑張っていたから助けたかった」と白い歯がこぼれた。

 今春の関東大会では1年生ながら本塁打を放つなど、天性の長打力には定評がある。それでも「単打の延長が長打」と慢心はない。決勝戦に向けては「とにかく、がむしゃらにやりたい」と初々しく抱負を語った。

◇ミスも重なり投打に「完敗」 横浜

 神奈川王者の横浜が、投打で浦和学院に圧倒された。渡辺監督は「完敗です。守備があれだけ足を引っ張ると、こういう試合になる」と残念そうにため息を漏らした。

 守乱から流れを失った。二回、失策の走者を置いて浦和学院の日高に2点本塁打を被弾。その後も失策絡みで計3失点した。二回以降も、山内の不調と主将・近藤の単調なリードが重なり、計8失点。指揮官は「近藤も相手のようなリードをしてくれたらよかったんだが・・・。攻撃ではうちは受け身で、精神的な甘さが出ていた」と嘆いた。

 近藤は「浦学はいいチーム。佐藤は制球が良くて緩急が付いていた」と脱帽していた。

(埼玉新聞)

◇投打かみ合った--浦和学院・森士監督

 こんなゲームができるとは思っていなかった。佐藤が緩急よく投球し、その間に攻撃陣がうまく加点してくれた。(決勝も)思い切りの良さを全面に出してフルスイングしていきたい。

(毎日新聞埼玉版)

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