勝機呼んだ矢の送球 亡父の教え守り「走者を意識」林崎龍也捕手

 0-0の五回裏、先頭打者に右前安打を許し無死一塁の場面で、続く打者のバントミスを見逃さず、前方にはねたボールをつかむと二塁に向かって矢のように投げた。「常に走者を意識しろ。すきあらば投げろ」。昨年1月に事故で亡くした父和重さん(当時37歳)の教え通り、迷わず投げると併殺に仕留めた。この回まで味方打線は1四球のみと抑え込まれていた。雰囲気を変えるプレー。森士監督は「勝負を分けた併殺だった」と振り返った。

 171センチ、67キロ。小学3年で野球を始めた時、捕手のプロテクター(防具)にあこがれたが、和重さんから「体が小さいから無理だ」と反対された。それでも希望して捕手になると、弱音をはく度に「妥協するならやめちまえよ」と鼓舞された。

 2点リードした八回裏、暴投で走者が得点圏に進んだピンチでマウンドに駆け寄った。「次は絶対にそらさない。大丈夫だ。同じ低めを投げろ」。そう声をかけ、続く打者を見逃し三振に取った。甲子園にたつ前、和重さんの遺影に「勝ってくるから」と約束した。アルプススタンドでは、母美紀さん(38)と弟誠也さん(15)が和重さんの遺影を手に毎試合、応援を続ける。

 「優勝の報告をするまで頑張りたい」。はじけるように笑った。

(毎日新聞埼玉版)




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