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センバツ甲子園 息詰まる熱戦に拍手 浦学、初戦突破ならず

 得意の打撃戦で好機を生かし切れず、初戦で散る-。第83回選抜高校野球大会第5日の二十七日、浦和学院は鹿児島実(鹿児島)に3-5で敗れ、甲子園を後にした。エース佐藤拓也投手(二年)は制球が安定せず、中盤に逆転を許す苦しい展開。打線も毎回のように走者を得点圏に進めたが、大量点に結び付けられなかった。アルプススタンドを赤く染めた応援団は勝利を信じて最後まで声を張り上げ、試合後は選手たちに惜しみない拍手を送った。

 五回裏、制球の定まらない佐藤投手が無死満塁のピンチを招くと、森光司捕手(三年)はマウンドに駆け寄った。「何点取られてもいい。味方が取り返してくれるから、逃げるな」

 逆転適時打を浴びたが、優勝候補同士の息詰まるシーソーゲームは大観衆を魅了した。

 2年前、森捕手は父士(おさむ)氏が監督を務める浦和学院にあえて入学した。受験前、父から「もし同等の力のやつがいたら、そっちを使う。抜きんでなければ試合には出さない。その覚悟があるか?」と問われた。それでも「一番甲子園に近い学校。それは覚悟して入ってきた」と、決意は揺るがなかった。

 外では監督、家ではお父さんと呼ぶ。小さいころは、野球部にかかりっきりの父とたまにするキャッチボールがうれしかった。高校入学後は、日付が変わるまで配球の反省会をしたこともあった。

 「父と一緒に甲子園に来られて良かったけど、悔いが残ります。もう一回チャンスがあるので、絶対に勝ちたい」。泣きじゃくる仲間たちの中で、森捕手は瞳に強い意志を宿したまま、冷静に言葉を紡いだ。

(東京新聞埼玉版)

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