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浦学V2へ止めるかライバル 埼玉大会156チーム参加あす開幕

 第95回全国高校野球選手権記念埼玉大会は10日、県営大宮球場で開幕する。連合2チームを含む156チームが参加。1枚の甲子園行きの切符を懸け熱戦を繰り広げる。例年になくハイレベルな今大会。優勝争いは、選抜大会を制覇し、今春から公式戦14連勝中のAシード浦和学院が頭一つリード。追うのは選抜出場校で春季県大会準優勝のAシード花咲徳栄。同準々決勝で浦和学院を追い詰めたCシード春日部共栄、昨夏準優勝のDシード聖望学園。鷲宮、埼玉栄のBシード勢も健在だ。だが高校生の力は無限。思わぬ伏兵が出現する可能性もある。戦いの行方を各ゾーンごとに占った。

◇名勝負8強で再現か 浦和学院-春日部共栄ゾーン

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【写真】球速も増し、攻略法が見当たらない浦和学院のエース小島(埼玉新聞)

 史上初の4季連続甲子園出場を狙う大本命の浦和学院と、対抗の春日部共栄が飛び抜けた存在。春季県大会準々決勝で延長十二回の死闘を繰り広げた両校が、再び準々決勝で激突しそうだ。

 浦和学院はエース左腕小島の成長が大きい。もともとの上質な直球に最速143キロと、球速が加わり打ち崩すのは至難の業。春季県、関東大会で主戦だった右腕山口も健在。竹村、山根、高田、木暮らを擁する強力打線の仕上がりはやや遅れている印象だが、序盤は比較的組み合わせにも恵まれ、勝ちながら本来のつながりが戻ってくるだろう。

 4回戦は松山、春日部の伝統校、5回戦は斉藤、坂倉の両右腕と機動力が持ち味のシード狭山ヶ丘や熊谷商、成徳大深谷との対戦が見込まれる。

 春日部共栄は県内随一の投手力を誇る。西沢、金子、倉井の強力左3枚はいずれも完投能力があり盤石だ。打線も守屋、三浦、杉本ら強力だが、ここぞの場面での一打が出るかが鍵になる。

 初戦の2回戦で顔を合わせる春日部東は油断できない相手。山崎、高橋の右左2投手を軸に接戦に強い。5回戦では9年ぶりシードの西武台や昨秋に浦和学院を追い詰めた上尾らが待ち構える。

 台風の目になり得るのはそれぞれ小副川、田川の好左腕が引っ張る蕨と熊谷工。妻沼の武藤、埼玉平成の佐々木は本格派右腕だ。進修館-羽生一は1回戦の好カード。

◇実力校多く波乱含み 川越工-埼玉栄ゾーン

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【写真】4番として好打線をけん引する埼玉栄の酒井(埼玉新聞)

 昨夏準優勝で昨秋4強の聖望学園を筆頭に、投打で高レベルな埼玉栄、春は23年ぶりに8強入りした川越工のシード勢が有力。だが3校とも初戦から気の抜けない相手との対戦なだけに波乱が起こる可能性は十分ある。

 聖望学園は経験豊富なエース右腕川畑に加え、右下手の長谷川が成長したことが最大の強み。左腕清水を含め川畑の負担を軽くできそう。打線は寺田、笠原と左右の大砲を軸に強打者ぞろいだ。

 初戦で当たる小松原は下級生中心だが急激に力を付けており侮れない。

 川越工はともに最速140キロほどの直球に威力のある小林、坂本の両右腕が頼もしい。打線も1番村井、3番太田ら上位から6番小田原ら下位まで抜け目なく、古豪復活に大きな期待が掛かる。

◇力の差なく最激戦区 鷲宮-市川口ゾーン

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【写真】チーム一のバント成功率を誇る鷲宮の2番渋谷(埼玉新聞)

 春季県大会3位で関東大会でも1勝した鷲宮が有力だが、全体的に力の差がほとんどない最激戦区。どこが4強に進んでも不思議ではない。

 鷲宮は打たせて取る投球が光るエース右腕大塚を堅守が支える。攻撃でも1番橋本の出塁から2番渋谷らお家芸のバントを多用し、しぶとく得点を奪い取る野球は健在。

 最初のヤマ場は本庄第一と対戦しそうな4回戦だろう。本庄第一は最速140キロの直球と多彩な変化球が武器の右腕平良がけん引する。攻守にまとまりもあり、波に乗ると怖い存在だ。

 この勝者が5回戦で当たりそうなのが、投打のバランスが整っているシード武南。経験豊富なエース左腕森幹に加え、長谷川、三上、珍田の3~5番は長打力もある。ただ初戦の久喜北陽は好チーム。4回戦で待つのは昨秋8強で右腕菊島が柱の朝霞、正智深谷か。

 市川口はパンチ力のある4番黒沢を中心とする打力のチーム。鍵は右の野辺、左の太田ら投手陣の踏ん張り。初戦の所沢北は攻守で粘り強いが5回戦までは順当か。

 シード坂戸西は宇津木、岩瀬の両左腕ら投手層は厚い。武器の機動力で後半勝負に持ち込めれば、面白い。4回戦で対戦が見込まれる大宮東は左腕中田浩ら自慢の守備力で1、2回戦で富士見、早大本庄の好チームとの戦いを抜けられるか。

 所沢中央の朝比奈は楽しみな左腕だ。

◇無風濃厚も見応え大 川越東-花咲徳栄ゾーン

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【写真】最後の夏で会心の投球を披露したい花咲徳栄の右腕関口(埼玉新聞)

 県内屈指の総合力を誇る花咲徳栄が断トツに強い。追い掛けるのは昨秋4強の川越東。この両校が8強で対戦しそうだ。

 投手の出来が鍵を握る花咲徳栄は、147キロ右腕関口の安定感が増したのがプラス材料。変化球の精度が上がって投球の幅が広がった。小暮、小栗、佐藤も出番はありそう。バックも強肩捕手若月ら不安はない。打線は楠本、若月、古川の3~5番を軸に大技で大量点や小技で1点をもぎ取るしぶとさを兼ね備える。

 3回戦は左腕遠藤を擁する西武文理、4回戦は昨夏Aシードの南稜、5回戦では遊撃手小暮、中堅手和久津らセンターラインがしっかりしているシード浦和実や、ノーシードながら力のある所沢商、立教新座らとの対戦が見込まれるが足をすくわれる可能性は低い。

 川越東は渡辺新監督の下、攻守にバランスが取れている。打線は高梨、小寺の3、4番を筆頭格に全体的にスイングが鋭い。投手陣はエース右腕渡辺ら駒は豊富。守備も強肩捕手長野、遊撃手高梨ら安定している。

 初戦で対戦する武蔵越生はまとまりがあり、簡単ではないが、抜ければ準々決勝まで順当か。

 公立では唯一、2年連続シードの白岡はチーム力で勝負。昨夏4強の川口、夏は初出場となる星野の戦いぶりにも注目したい。八潮南、北本も好チーム。大宮西-秀明英光の開幕戦は見応えのある試合になりそうだ。

(埼玉新聞)

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