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連覇へ浦学は大宮西と 勝利の”意識”徹底 秋季県高校野球19日開幕

 19日に開幕する秋季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が16日、上尾市のスポーツ総合センターで行われ、各地区を勝ち抜いた37校の対戦相手が決定した。夏の甲子園大会8強で、2季連続の甲子園出場を目指す花咲徳栄はAシードに推され、初戦の2回戦で小鹿野の挑戦を受ける。

 抽選会では本抽選に先立って県大会出場校によるシード校(A、B)を選ぶ投票を行い、29票を獲得した浦和学院、28票の花咲徳栄がAシードに収まった。Bシードは聖望学園(18票)、14票で春日部共栄と川越東が並び、決選投票で春日部共栄が選ばれた。抽選により、聖望学園が浦和学院ゾーン、春日部共栄が花咲徳栄ゾーンに入った。

 引き続き33校の主将らが予備抽選順にくじを引いた。浦和学院は大宮西と、聖望学園は蕨と、春日部共栄は川口とそれぞれ初戦の2回戦で対戦することが決まった。

 大会は県営大宮など4球場で熱戦を展開。国体期間(26~30日)の中断を挟み、10月4日に県営大宮で決勝と3位決定戦が行われる予定。上位3校が関東大会(10月31日~11月4日・県営大宮ほか)に出場する。

 県大会は1回戦から有料で一般500円、中高生200円。引率された少年野球・中学生チーム(引率者・保護者有料)、障害者(障害者手帳の提示)と介添え者1人、小学生以下は無料。

◇勝利の“意識”徹底 Aシード浦和学院

 2年連続の選抜大会出場を狙うAシード浦和学院は夏の準決勝敗退を糧に、勝利への“意識”をキーワードに掲げる。森監督は「夏負けたところからの集大成をどれだけ出せるか」と新チームの飛躍に期待を込める。

 主将の諏訪は「森先生に言われたことができなかったり、個々の意識がまだまだ甘い」と不安を口にしたが、エース右腕榊原を軸とする投手陣、左打者が6、7人並ぶ打線も昨季に比べて見劣りしない力がある。

 神宮大会決勝まで駆け抜けた昨秋の快進撃を再現するべく、諏訪は「テーマは一つにまとまること。挑戦者の姿勢を貫いて一戦必勝で戦いたい」と表情を引き締めた。

◇際立つ投打の充実 Aシード花咲徳栄

 初の8強入りを果たした夏に続く2季連続の甲子園出場を視野に入れる花咲徳栄は、投打とも充実ぶりが際立つ。主将の岡崎は「いい組み合わせになったと思うが、油断してはいけない」と一球の重みを強調する。

 8月下旬の始動直後は「右も左も分からない状態だった」と岡崎。それでも「9月に入ってチームがまとまってきた」と成長を実感する。試合を勝ち抜く中での伸びしろにも期待できそうだ。

 大会期間中、前チームが埼玉代表として和歌山国体に参加。主力の2年生には厳しい日程となるが、岡崎は「目の前の試合を全力で戦い、関東優勝までノンストップで突き進む」と力を込めた。

◇選抜へ雰囲気良好 Bシード聖望学園

 Bシードに推された聖望学園は「去年に比べて元気がよく、自分たちの流れに持ってくることができる」と主将の大野亮。試合中は好プレーに対する賛辞や、ミスへの叱咤(しった)激励の声が絶えず、チームの雰囲気は良好のようだ。

 練習中から「甲子園」という単語が飛び交い、選手たちの視線は来春の選抜大会出場に向けて一致している。3番・捕手として攻守の大黒柱を担う大野亮は「相手がどこでも、元気のよさを存分に発揮していきたい」と決意をにじませた。

◇小技絡め 狙う優勝 Bシード春日部共栄

 3季ぶりの甲子園出場を狙うBシード春日部共栄は2回戦で粘り強い川口の挑戦を受ける。夏も主力だった関谷主将は「一戦を大事に。油断せず力を出し切れるように調整していく」と慎重な姿勢を崩さない。

 例年に比べ打線に破壊力はないが、足の速い選手が多く、小技を絡めて攻撃する。エース右腕大道は140キロ近い力のある直球が武器で、捕手磯田の配球も光る。

 関谷は「関東出場の3位以内を目標にしていたら選抜出場は手に入らない。優勝する」と力を込めた。

◇夏のリベンジへ 再び浦学と初戦 大宮西

 大宮西は夏に続き初戦でAシード浦和学院との対戦が決まった。中島主将は「またかという感じ」と驚くも、「相手に自分のスイングをさせなければ勝機はある」とエース右腕佐々木の奮闘に期待を寄せる。

 夏は終盤で大量得点され敗北。新チームは「夏を経験したセンターラインが残り、守備が充実している。粘り強く戦う」とリベンジへ向け拳を握った。

◇経験を糧に地力 伝統校準備万端 今夏躍進の松山、熊谷

 今夏を沸かせた伝統校が選抜を狙い着々と地力を整える。夏に24年ぶりの4強入りを果たしたメンバー6人が残る松山は地区予選を戦い、「まとまる意識が付いてきた」と主将の清水。三振も取れるエース右腕金子の投球が守備にも好影響を与える。

 33年ぶりのベスト8に入った熊谷は、エース左腕稲毛田を中心に戦う。主将の吉田は「プレッシャーもあるが、勝利に貪欲になった。一つでも多く勝てればいい」と、夏の経験を糧にした伝統校が再び輝きを放つ。

◇勢いに乗る坂戸 少数精鋭の杉戸 ともに9年ぶり出場

 ともに9年ぶりの県大会出場となる坂戸、杉戸。坂戸は新人戦で敗れた西武文理に、地区予選の代表決定戦でリベンジし勢いに乗る。初戦は早大本庄との顔合わせが決まり、田中主将は「どこと当たっても倒すだけ。上位3チームに入って関東に出る」と話す。

 杉戸は部員21人と少数精鋭で県大会に名乗りを上げた。主力の2人をけがで欠き万全の状態ではないが、新井主将は「攻撃はつないで、ロースコアの接戦に持ち込めればいい」と闘志をみなぎらせた。

◇関東切符 2強が軸

 3位以下に大きく差をつけたシード決めの得票数が物語るように、県内開催の関東大会出場権をめぐる戦いは、浦和学院と花咲徳栄の2強を軸に展開されそうだ。

 2年連続の選抜切符を狙う浦和学院はエース右腕榊原を軸とした投手陣の安定感が光る。左打者が6、7人並ぶ打線も経験豊富な3番諏訪を中心に、山本、家盛、杉山ら1年生が脇を固める。夏に続いて初戦でぶつかる大宮西は、右腕佐々木の踏ん張りで接戦に勝機を見いだしたい。

 県内屈指の左腕高橋昂を擁する花咲徳栄も始動の遅れを感じさせない充実ぶり。夏の甲子園8強メンバーの岡崎、楠本に加え、4番に座る左翼手隈本が好調で、滝口、清水ら右の投手陣も順調な仕上がりを見せている。

 聖望学園は前チームから正捕手を務める3番大野亮が攻守の柱。大野隼、西野ら打力のある選手がそろい、左腕高橋、右腕西沢の両1年生の出来が鍵となりそうだ。右腕大道ら投手陣が上り調子の春日部共栄は打線のスイングに切れが出てくればチャンスがある。

 本庄第一-叡明は2回戦注目の好カード。右横の馬場、左腕権藤の2本柱が残った本庄第一は北部で頭一つ抜けた地力を有する。小山、中山の1年生リレーで勝負する叡明も粘り強く、互いに機動力を絡めた打線の対決は見逃せない。

 川越東-昌平、立教新座-山村学園も見どころ十分。昨秋準V川越東の左打線に昌平の岩瀬、関口の右2枚が挑む。新人戦北部優勝の上尾はつなぐ意識が高く、夏4強の松山、同8強の熊谷もまとまりがある。西武台の左腕唐沢、入間向陽の右腕今野は注目の好投手だ。

(埼玉新聞)

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