高校野球の秋季地区高校野球は5日、埼玉県営大宮球場で関東の決勝が行われ、浦和学院(埼玉1位)が東海大相模(神奈川2位)を5-4で破り、15年ぶり2回目の優勝を遂げた。浦和学院は4-4で迎えた九回2死満塁から日高の中前適時打でサヨナラ勝ちした。
◇1年生右腕奮闘 サヨナラを呼ぶ
引き締まった好ゲームを制し、15年ぶりに頂点へ駆け上がった浦和学院。優勝を引き寄せたのは、強気のマウンドさばきが光る1年生右腕・佐藤だった。
多彩な変化球と直球のコンビネーションがさえ、準々決勝で千葉経大付を3安打完封。横浜との準決勝も完投。だが自身初の3連投となった決勝は「疲れもあって球が走らなかった」。しぶとく投げ続けたが、八回に2失策も絡んで同点にされ、九回も1死二塁で東海大相模の中軸打者を迎えた。
ここで抜群の度胸を見せた。「打たれてもいいから、当たって砕けろ」。3番・田中を見逃しの3球三振。4番・佐藤は中飛。どちらも勝負球は、こん身の内角直球だった。土壇場の大胆さは、再び勝負の風向きを変える。「果敢に攻めた佐藤の頑張りがサヨナラの攻撃につながった」と森監督も、その踏ん張りをたたえていた。
投手では珍しい1番打者としても、六回に右翼フェンス直撃の適時打を放つなど3試合連続打点。「自分で打てて投球も楽になった。こんなに早く活躍できて自信になった」。ユニホームを日本代表そっくりに一新した、新たな浦和学院を象徴する存在だ。
(毎日新聞)