<毎日新聞号外>浦学センバツ出場 6年ぶり7回目

◇堅守と積極的な打撃

 浦和学院は、1年生右腕の佐藤拓也投手を中心にした堅守を、沼田洸太郎三塁手(2年)、日高史也一塁手(2年)らを軸とした積極的な打撃陣が支え、勝ち進んできた。

 秋季の地区予選・県大会では、5試合連続のコールドがちで他校を圧倒。春日部共栄との決勝戦でも佐藤投手が完封した。

 関東大会でも勢いは衰えなかった。2回戦の千葉経大付(千葉)戦は9-0で圧勝。甲子園常連校の横浜(神奈川)との対戦となった準決勝は、2点を先制されたが、日高三塁手の2点本塁打などで逆転勝利した。

 決勝は3カ月前の甲子園で準優勝した東海大相模(同)。リードしては三度追いつかれる苦しい展開だったが、9回裏2死満塁の好機に日高三塁手がサヨナラ打を放ち、15年ぶり2度目の優勝を果たした。

 続いて開かれた全国10地区の優勝校が集まる明治神宮野球大会(神宮大会)では、初戦となった準々決勝で東北(宮城)を7-2で破り快勝。佐藤投手は県大会決勝から神宮大会準々決勝までの5試合を一人で投げ抜いた。準決勝では、同大会で優勝することになる日大三(東京)に2-5と惜敗したが、選手らは、日大三に負けた悔しさをもとに、練習を重ねている。甲子園で勝つための戦いが始まる。

 センバツ出場の喜びと意気込みを、小沢友紀雄校長と森士監督に聞いた。

◇頑張る仲間をみんなで応援 小沢友紀雄校長

―2008年に校長に就任されましたが、浦学はどのような学校ですか。

 小沢校長 全校生徒は約2400名という大きなスケールですが、そのスケールにもかかわらず先生の個別指導が行き届いている点が大きな特徴と思います。と言いますのは、野球部以外にも、ハンドボール部、テニス部、パワーリフティング部などの運動部やソングリーダー部、吹奏楽部などの文化部の活躍も目覚しいものがあります。また、学業面では、大学・短大現役進学率が昨年度88%を超えております。これはとりもなおさず、先生方の個別指導が行き届いている証左と思います。

―野球部の活躍はどう見ておられますか。

校長 新チームのスタート時点では「大丈夫かな」と思うぐらいだったが、戦っているうちにだんだん強くなる。「底力」があるんです。森監督の「日本一」と言われる練習量に、生徒がついて行く。それが底力を作っています。

―応援にも力が入りますね。

校長 生徒の間では、「頑張る仲間をみんなで応援」という気持ちを育てていきたいと思っています。頑張る仲間がいたら自然に応援する気持ちをお互いに持つことです。それから、保護者や同窓会、後援会、地域の方々なども含めて「浦学ファミリー」として応援していきたい。

―甲子園がその舞台となります。

校長 甲子園のスタンドでは、生徒たちも目の色を変えて必死に応援します。生徒はその気持ちを思い出として一生持ち続けます。これは、教室の中では得られない貴重な体験です。野球部員だけでなく、生徒全員がいい思い出にしてほしい。

―野球部にはどのような活躍を望みますか。

校長 大差ではなく、底力を見せて逆転で勝つ。それで優勝する。そのような前向きの精神を持つことが重要だと思います。あきらめない精神です。一人ひとりが100歩ずつ進むのは簡単だけども、全員でそろって1歩前に出るのは難しい。大差で勝たなくてもいいから、一つ一つ前に進む精神で勝ち上がってほしいと願っています。

◇一戦一戦強くなってきた 森士監督

―出場おめでとうございます。

監督 率直に嬉しいです。選んでいただき、戦うチャンスをいただいたので本当にありがたいと思います。

―地区大会を勝ち抜いた全国の強豪が集う昨秋の神宮大会で4強入りしました。関東・神宮大会と1年生の佐藤拓也投手が連投しました。

監督 新チーム発足にあたり、生徒に対して、チームを育てるためには「ピッチャーが野手を育てる」か「野手がピッチャーを育てるか」の2つしかないと伝えました。今年は野手がピッチャーを育てるチームではないかなと思っています。こちらの方が経験上伸びしろが大きいと感じてきました。そういう意味では、楽しみを持ってスタートしました。

―打率も平均3割4分4厘と高かった。

監督 打率だけではなく、得点に絡む一打が積極的に打てました。ただ、神宮大会に勝ち残った上のレベルの投手から得点を取れる力をと考えると、まだまだ課題があると思います。

―甲子園ではどんな戦い方を。

監督 ゲームを作るためには佐藤投手の働きは大事なポイントですが、投攻守の中でほかにもいろいろな新しい戦力が出てくれればと思っています。神宮大会準決勝で負けた悔しさをバネに、冬の間にやってきたものが、センバツが終わった後に「こういう形で生かせました」と言えることが理想の戦い方です。

―選手たちに伝えたいことは。

監督 甲子園は、あこがれの舞台ですが、あくまでも相手と戦う場所。浦学のグラウンド、県営球場でやるのと同じで、まずは戦うことに集中してもらいたい。メンタル面でもセルフコントロールができて最高の自分たちのパフォーマンスをしてもらいたいと思います。

―ぜひとも負けない野球で頂点まで行けることを期待しています。ありがとうございました。

◇男女共学の私立校 浦和学院高校

 浦和学院高校(小沢友紀雄校長)は1978年4月に学校法人明星学園によって設立された男女共学の私立校。さいたま市緑区代山にあり、生徒数は2328人(男子1353人、女子975人)。国際社会で活躍できる人材を育てる国際類型、難関国立大などの進学を目指す特進類型などのコースがある。

 孔子の言葉に由来する「吾道一貫」(人生のいかなる場面でも、社会人としての自覚を持ち行動する「仁」の精神を貫くこと)に由来する建学精神と、「克己、仁愛、共生」の校訓のもと、自立的に行動できる力と仲間を思いやる気持ちを育むことができる学園づくりを目指している。

 部活動では、多数のプロ選手を輩出している野球部はもとより、世界大会で個人準優勝を果たしているパワーリフティング部や、20年連続で県大会優勝を果たしているハンドボール部などの運動部の他、吹奏楽部などの文化部も全国レベルで活躍する。

 卒業生には、サッカーJリーグヴィッセル神戸の榎本達也選手、ハンドボール日本代表の豊田賢治選手(大崎電気)、タレントの畑野ひろ子さんらがいる。

◇浦和学院野球部

 78年6月に創部。84年に上尾高校野球部監督だった故野本喜一郎氏が三代目監督に就任すると、チームは急成長し、86年夏の甲子園に初出場を果たした。91年に上尾高時代の野本監督の教え子である森士氏が五代目監督に就任。翌92年のセンバツでベスト4入りした。今年で就任20周年となる森監督の下で、春6回、夏8回の甲子園に出場している。今回が春7回目。

 部員は43人(2年生22、1年生21)。石井義人(西武)▽坂元弥太郎(西武)▽大竹寛(広島)▽須永英輝(巨人)▽今成亮太(日本ハム)▽赤坂和幸(中日)らの現役選手のほか、これまでに15人のプロ野球選手を輩出している。昨秋には南貴樹投手(3年)がソフトバンクに3位指名され入団した。

―「頑張る仲間をみんなで応援」のスローガンの下、09年に缶バッチが誕生した。「浦学ファイヤーレッド」を示す赤色の下地に清潔潔白をあらわす校章の白鷺をあしらい、「We are URAGAKU Family」と刻んだ。生徒から公募したデザインが元になっている。浦和学院の活動を応援する「浦学ファミリー」によって、さまざまな場所で着用されている。甲子園でも、スタンドで羽ばたくはずだ。

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(毎日新聞号外)



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