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浦学、6年ぶり7度目の選抜出場 校歌響かせ頂点に

 第83回選抜高校野球大会(3月23日から12日間・甲子園)の出場32校を決める選考委員会が28日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で行われ、埼玉から浦和学院が6年ぶり7度目の出場を決めた。

 浦和学院は昨秋の県大会決勝で春日部共栄を破り、2連覇を達成。本県開催の関東大会では準々決勝から登場し、千葉経大付、横浜(神奈川)を次々に撃破。決勝では東海大相模(神奈川)に5―4でサヨナラ勝ちし、15年ぶり2度目の関東王者に輝いた。

 同校に出場を知らせる連絡が届いたのは午後3時13分。電話対応した小沢友紀雄校長は「野球部の頑張りと同時に、頑張る仲間を応援できる喜びがある」と感激した。

 その後、グラウンドで選手たちに出場決定が伝えられた。森士(おさむ)監督は「品格、姿勢を含めて選んでいただいたことを忘れず、勝つのにふさわしい学校だと思ってもらえるように準備していこう」とナインに呼び掛けた。

 校内放送で出場決定が全校生徒に知らされ、校舎の正面に出場を祝う垂れ幕が掲げられるなど、学校中がお祝いムードに包まれた。

 選抜大会の組み合わせ抽選会は3月15日に行われる。

◇校歌響かせ頂点に

 待ちに待った陽春の訪れだ。浦和学院が6年ぶりの選抜切符を獲得。森監督の就任1年目で初出場し、4強に入った1992年の第64回大会から数えて、7度目で最長の空白期間だっただけに、同監督は「6年はあっという間だったけど、振り返ると長かった。そんなに空いてしまったのかな」としみじみと話した。

 昨秋の関東大会を15年ぶりに制し、出場はほぼ確定していたとはいえ、甲子園出場は2008年夏を最後に2年半も遠ざかっていた。1、2年生にとっては初の大舞台となる。うれしいのは当然だろうが、主将の小林は「まだ出場が決まっただけ。向上心を持ってこれからも練習に臨みたい」と浮かれることはない。

 昨秋の公式戦を終えてから約2カ月がたち、選抜大会の開幕まで残り2カ月弱。現在は投手、野手に分かれて個人のレベルアップを図っており、春に満開の花を咲かせられるかは、これからの取り組みにかかっている。

 「甲子園で校歌を歌って7年が過ぎた。是が非でも校歌を歌って帰りたい」と森監督。小林も「どのチームより多く校歌を歌いたい」と話す。まずは04年の夏以来となる1勝が先決。そして誰よりも校歌を響かせた先にあるのは夢の全国制覇だ。

◇大舞台へ下半身強化 エース佐藤

 「早く甲子園のマウンドで投げたい」。6年ぶりの選抜大会に導いたエース佐藤が、早くも大舞台を心待ちにしている。

 昨秋の明治神宮大会では準決勝で日大三に敗れ、全国トップレベルを痛感。それだけに、持ち味の緩急と内角を強気に突く投球に磨きをかけるため、今冬は下半身強化に重点を置く。食事の量も増やし、体重は昨秋から2キロ増の73キロになった。

 本番まであと50日余り。「目標は全国制覇」。そう意気込む小さな大エースが、甲子園で格段にスケールアップした姿を披露する。

◇強力打線の主砲 練習にも手応え 沼田と日高

 浦和学院の誇る主砲・沼田と日高が全国制覇へ意欲を見せた。昨秋の県大会、関東大会と合わせ、ともに3本塁打。自慢の長打力を遺憾なく発揮した。沼田は「守備でも貢献したいけど、打席でのフルスイングを見せたい」と話せば、日高も「1球1球イメージしながらバットを振り込む量を増やした」と冬の練習にも手応えを感じている様子だ。

 「ワクワクしている」と声をそろえる2人。幼い頃からの憧れだった甲子園で、特大のアーチをかけるつもりだ。

◇親子出場果たし並々ならぬ決意 森監督次男・光司

 森監督の次男・光司が親子での甲子園出場を果たし「素直にうれしい」と喜びを語った。

 2008年の夏に出場した長男・大は初戦の横浜戦で先発し、チームは1点差で敗れた。それだけに「借りを返すつもりで頑張りたい」と並々ならぬ決意で臨む覚悟だ。

 昨秋の県大会では捕手で出場したが、選抜を当確させた関東大会では1つ下の林崎にスタメンの座を譲り、屈辱を味わった。「まずは出ること。冬の走り込みなどで精神的に強くなったと思う」。自信に満ちた表情だ。

◇吉報に喜色満面 選手を熱く激励 小沢校長

 吉報が届く直前は報道陣の多さにやや戸惑い気味だった小沢校長だが、出場決定の知らせを受けると満面の笑み。「うれしいの一言に尽きる」と喜びをかみしめた。

 すぐさま選手たちが待つグラウンドへ向かった小沢校長は、「諸君たちには、地道に勝ち抜く底力がある。一戦必勝で優勝してほしい」と熱く激励。その後は森監督の呼びかけでサプライズ胴上げが始まった。ナインの手で6度宙に舞い「空も青くて気持ちが良いもんだね」。最後までご満悦の様子だった。

(埼玉新聞)

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