浦和学院野球部を度々訪れるのは、元マネジャーの星真理子さん(32)。昨秋の全日本クラブ野球選手権大会で優勝した所沢グリーンベースボールクラブ(所沢市)唯一の女性マネジャーでもある。
93年の入学当時、前年に初出場したセンバツでベスト4に入ったチームは強豪校になり始めの時期だった。当時のコーチから「いいマネジャーのいるチームは必ず甲子園に行ける」と厳しく指導され、身だしなみに気を使い、試合のデータをとったり道具の準備などをしてきた。
しかし、3年生で甲子園の土は踏めなかった。後にプロとなる有力選手がいたにもかかわらず。「マネジャーとして何もできなかった」と後悔の思いが離れなかった。
高校卒業後はしんきゅう師の資格を取得。整骨院などで働く傍ら、森士監督の紹介で07年から所沢グリーンのマネジャーになった。昨年、所沢グリーンで優勝を果たし、当時のコーチに電話をかけ「17年かけてやっとあの言葉を実感できた」と報告できた。
「悔いの残らないよういつも全力を出し切ってほしい。結果はおのずとついてきます」。星さんは浦学の成長を見守っている。
(毎日新聞埼玉版)