東日本大震災の被害が広がるなか、「がんばろう! 日本」をスローガンとして開催が決まった第83回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)は23日、香川西-日本文理(新潟)で熱戦の幕を開ける。水城(茨城)-光星学院(青森)は被災地校同士の対戦。昨秋の明治神宮大会を制した強打の日大三(東京)と試合巧者の明徳義塾(高知)は力と技がぶつかり合う。離島から21世紀枠で出場する佐渡(新潟)は智弁和歌山に挑む。
ゾーン別のみどころを探った。
◇Aゾーン フレッシュな顔そろう
初出場校が多いフレッシュなゾーンとなった。天理は西口-吉田のバッテリーが安定。大館鳳鳴は左腕斉藤が踏ん張り、接戦にしたい。
創志学園はヒット・エンド・ランを多用する。北海は落ち着いて守ることが大事だ。九州国際大付のエース三好は投球術が巧み。前橋育英は狙い球を絞って対応したい。香川西は打、日本文理は守と特徴が分かれる。開幕試合だけに、早く平常心になれたチームが勝利に近づく。
◇Bゾーン 打の日大三、明徳と激突
日大三-明徳義塾は大会屈指の好カード。明徳義塾の尾松は日大三打線に的を絞らせないためにも、コーナーをしっかり突くことが大切だ。
横浜は守りに若干の不安が残る。波佐見はミスを逃さず突いて流れを引き寄せたい。金沢の釜田は150キロを超える直球が持ち味。加古川北は得意の機動力を発揮して釜田の全力投球を阻み、攻撃の幅を広げたい。京都成章は静清の右腕野村の低めをきちんと見極めたい。
◇Cゾーン 初出場2校、強豪に挑む
初出場2校が強豪とぶつかる。俊足選手がそろう総合技術は、履正社の強肩捕手・坂本に挑戦。大振りせず、コースに逆らわずに打ち返してくる智弁和歌山に対し、佐渡の右腕鎌田は丹念に低めを突いて粘りたい。
打力が持ち味の光星学院に対し、水城は堅守を生かして競り合いにしたい。九州学院の打線も下位まで穴がない。国学院久我山の右腕川口は140キロを超える直球が持ち味だが、高めは禁物だ。
◇Dゾーン 地区優勝並ぶ最激戦区
昨秋地区大会の優勝校がひしめく最激戦区。東日本大震災を乗り越えて甲子園に来る東北の相手は、昨春4強の大垣日大。1球に食らいついて、意地を見せたい。
報徳学園の好右腕田村と強打の城南の対決は見もの。鹿児島実に対する浦和学院のエース佐藤は投手には珍しい1番打者。打席での活躍がマウンドに直結する。昨夏準優勝の東海大相模と、堅田、水原の左右の好投手を擁する関西は、接戦になりそうだ。
(朝日新聞)