広島の大竹寛投手(28)の前半戦出場が絶望的になった。二回に、稲葉の打球がライナーで右手の薬指と小指に直撃。野村謙二郎監督(44)は詳細こそ語らなかったが、「あまりよくない」と長期離脱を示唆した。骨折の可能性が高く、29日にも出場登録を抹消する予定。チームも今季初のサヨナラ負けで、2度目の3連敗。5月の負け越しも決定した。
野球の神様は非情だった。二回、先頭の稲葉が放った打球が、大竹を襲った。捕球することも、避けることもできない。そのまま打球はライナーで右手に直撃。グラウンドに転がる白球を必死の形相で一塁に送球し、アウトにした大竹だが、マウンド上でグラブを脱ぎ捨て、苦悶の表情を浮かべた。
ただ事ではないのは明らかだった。すぐにベンチに下がると、首脳陣の動きが慌ただしくなった。ブルペンに何度も連絡を取る大野投手チーフコーチ。結局大竹は再びマウンドに戻ることはなく、試合中に札幌市内の病院で診察し、そのまま宿舎に帰った。
試合後、野村監督は「あまりよくないみたい」とため息を漏らした。「『(大竹は)まだ行きます』と言ったけど、いい加減にしろ、やめてくれと、止めたよ」と苦笑い。大野投手チーフコーチは「投げられない選手を1軍に置いておいても仕方ない」と出場選手登録を抹消することを明かし、「長引くかもしれない。いなくなるのはチームにとって痛い。治療して早く戻ってきてもらうしかない」と無念の表情を浮かべた。
このアクシデントに加え、今季初のサヨナラ負けの“二重苦”となったこの日のカープ。「点が取れないというのが一番響いた」と今季5度目の完封負けを嘆いた野村監督。まさに踏んだり蹴ったりの1日となってしまった。
それにしても大竹の離脱は痛すぎる。右肩痛から復活したのは1週間前の21日オリックス戦。5回1失点と好投し、チームにとってこの上ない明るいニュースになったはずだった。前田健、バリントン、大竹の3本柱で首位争いへ猛チャージをかける‐そんな青写真はもろくも崩れ去った。
2試合連続の延長戦敗退で、今季2度目の3連敗。5月の負け越しも決まり、貯金もわずか「1」となった。正念場を迎えた野村鯉。大竹に代わる救世主出現を待つしかない。
(デイリースポーツ)
◇大竹 打球当て途中降板…登録抹消へ
広島・大竹寛投手(28)が28日の日本ハム戦(札幌ドーム)の2回に稲葉の打球を右指に当てて途中降板した。
札幌市内の病院で診察を受けた。球団は症状については明かさなかったが、29日に出場選手登録を抹消される見込みとなった。大竹は5月21日のオリックス戦(京セラドーム)で右肩痛からの復帰登板を果たし、この日が復帰2戦目だった。
(スポニチ)
◇広島・大竹の1軍登録抹消、山本を登録
広島は29日、山本芳彦内野手を出場選手登録。大竹寛投手の出場選手登録を抹消した。再登録は6月8日以降。
(日刊スポーツ)
◇広島の大竹が抹消 右手骨折の可能性も
広島の大竹寛投手が29日、出場選手登録を抹消された。前日の試合で稲葉の打球が右手に直撃。詳細は発表されていないが、骨折した可能性が高い。大野投手チーフコーチは「指はかなり腫れていたし、長引きそうな感じ。チームにとっては痛い」と語った。大竹は30日に群馬県内の病院で検査を受ける予定。
この日大竹に代わって、山本芳彦内野手が1軍に昇格し、「7番・左翼」で日本ハム戦(札幌ドーム)に先発出場した。
(デイリースポーツ)
<追 記>
◇大竹の登録抹消、30日右手精密検査
広島は29日、28日の日本ハム1回戦(札幌ドーム)で右手に打球が直撃した大竹寛投手の出場選手登録を抹消した。30日に群馬県館林市の病院で精密検査を受け、その後の治療方針を決める。
大竹は二回に右手の薬指と小指に打球を受けて途中降板した。右手は腫れているという。球団によると、28日に札幌市内の病院では簡易検査となったため、30日に精密検査を受けることにした。大野投手チーフコーチは「(早期復帰は)難しそうだ。せっかく(右肩痛から)復帰してくれたのに」と話した。
代わって山本芳彦内野手が昇格した。
(中国新聞)
◇不運な広島“元エース” アクシデントで再度2軍
前日28日の試合中に打球を右手薬指、小指に当てて途中降板した大竹がこの日、出場選手登録を抹消された。
今後については、30日に群馬県館林市内の病院で故障箇所を再検査した上で決める。アクシデントで先発ローテの一角を失うことについて、大野投手チーフコーチは「時間がかかるかもしれない。チームとしては痛いが、全員でなんとかやっていくしかない」と話した。
(スポニチ)