涙をぬぐう右ひじには真新しい手術痕。浦和学院の荒井大樹外野手(3年)は八回表の1イニングだけ、左翼手として守備に就いた。
1年からベンチ入りし、今春のセンバツでも安打を放ったが、6月下旬に右ひじの遊離軟骨摘出の手術を受けた。医師からは「夏に間に合わない」と言われたが、父広伸さん(42)が「諦めるな」と毎晩、ひじをもみほぐしてくれた。
大会直前の今月6日、森監督のノックを受けた。次の日、ずっと付けていた背番号「7」が手渡された。「みんなが諦めるなと支えてくれた。最後にグラウンドに立たせてもらい感謝している」。試合後、声をあげて泣いた。
(毎日新聞埼玉版)