◇直球磨き開花の予感 山口瑠偉投手
【写真】「甲子園は夢ではなく目標」と力強く語る山口瑠偉(埼玉新聞)
「自分が全部投げて優勝する」と豪語する右腕山口。この春、ブレークの予感を漂わせる。
1年生ながら昨夏からベンチ入り。昨秋の県大会準決勝で公式戦初登板を果たすと、関東大会では初戦で前回の選抜覇者・東海大相模(神奈川)を1失点完投。大会を通じ、15回で防御率0・59という好成績を残した。
不利なカウントからでもストライクを取れる変化球の制球力は折り紙付き。ただ本人は、181センチから投げ下ろす直球にこだわり、磨きをかけた。「勢い、キレが出て、内外に投げ切れるコントロールも付いてきた」と手応えを口にする。
甲子園には今まで一度も訪れたことはないが、出るのが夢ではないという。「あくまで目標。プロを目指す上で最初のヤマ場」と舞い上がる様子はない。寝る前にマウンドに立つ自分をイメージし、「打たせて取るより力でねじ伏せて三振を奪う」。強豪相手に成果を試す時は近づいている。
◇チーム救う火消し役 渡邊剛投手
【写真】度胸満点の投球で、相手打者を手玉に取る渡邊剛(埼玉新聞)
この男にチームは何度救われただろうか。「与えられた場面で抑えるだけ」と涼しい顔で責務を全うする渡邊剛。相手の勢いを止め、流れを引き寄せるのはお手の物だ。
直球は速くないが、相手打者から手元が見えにくくタイミングが合わせづらい。特に、左打者には左横手投げ独特の内に食い込む直球は厄介で、打たされてしまう。制球が良く、四死球で自滅することも皆無に等しい。
昨秋は、登板した8試合全てで2番手としてマウンドへ上がった。県大会準決勝の聖望学園戦では、二回途中からロングリリーフ。選抜出場が懸かった関東大会準々決勝でも追い上げられた場面で見事な火消し。味方の強打に再点火させた。
1月末に負傷した左中指も完治し、あとは開幕に向けて仕上げていくのみ。「初の甲子園で不安もあるが、最高のパフォーマンスで日本一をとる」。細身の体から繰り出す度胸満点の投球で、聖地をうならせてみせる。
(埼玉新聞)