勝利へサポート 渡辺健一郎選手、亡き母の言葉胸に

 第84回選抜高校野球大会に出場している浦和学院には、ベンチ入りする18人の登録メンバーとは別に7人の選手がチームに帯同し、打撃投手などを務めている。その一人、渡辺健一郎選手(3年)は昨年12月に母園栄(そのえ)さん(55)を脳出血で亡くした。甲子園の土を踏む夢はセンバツではかなわないが「天国の母のためにもチームをサポートする」と決めている。

 園栄さんが亡くなった日の朝、最初に気付いたのは渡辺選手だった。「明るくて優しいお母さんだった」。スーパーの鮮魚コーナーでパートをしながら、通学のため東松山市の自宅を午前5時前に出る渡辺選手のため弁当を用意してくれた。昨年11月には自分の誕生日にもかかわらず「健ちゃんは何が欲しいの」と聞き、腕時計をプレゼントしてくれた。

 登録メンバーが発表された3月13日、以前園栄さんにもらったメールを読み返した。「諦めないでやり続けていればメンバーに入れるから。諦めちゃだめだよ」。胸がいっぱいになり、もう一度頑張ろうと思った。

 24日、甲子園出場チームに割り当てられた練習用グラウンドで、ノックを受けた野手からの返球を捕る渡辺選手の姿があった。「父が先日、母が得意だったオムライスを作ってくれたんです」。そう言うと、笑みがこぼれた。

(毎日新聞埼玉版)



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