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プロの気迫 伝えたい 木塚敦志(16期生・横浜投手コーチ)

 新米コーチの分厚い胸には一つの誇りがある。

 右横手から、プロ11年間で積み重ねた490試合。先発は一試合もない。連続救援登板のセ・リーグ記録だ。荒れたマウンドから前かがみにサインをのぞき、グラブ内の球をこねくり回す姿が印象的だった。

 だが、長年の疲労が右肩をむしばんだ。「投げられるかと言われて断ったことはなかった。それができなくなった」。33歳でマウンドへの未練を断ち、指導者の道を選んだ。

 体を張る。そして小手先で勝負しない――。気迫の投球を支えた信条だ。選手には気持ちをうまく切り替えることも伝えたい。「どんな結果が出ようと、次の朝、『おはようございます』と大きな声で言えないと。それがプロ」

 試合ではブルペンから流れを読み、選手をマウンドへ送り出す。現役時代は1回からブルペンに控え、その一方でストッパーの経験もある。「それぞれの思いを知っている。勝負どころや気持ちの持っていき方を伝えられたらいい」

 チームには若手が多い。春季キャンプから対話を心がけてきた。「人を見るのは難しい。自分の考えだけで見ないようにしている部分もある」。発見と勉強の日々だ。

◇きづか・あつし

 1977年7月、埼玉県生まれ。浦和学院高、明大から2000年にドラフト2位で横浜入団。01年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得し、通算成績は35勝25敗24セーブ、防御率3.35。182センチ、86キロ。

(2011年4月17日付・朝日新聞朝刊)

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