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浦和学院vs春日部東 高校野球ドットコムレポート

◇浦学、夏に向けて気になる左投手対策

 今大会、県立勢の躍進が目立つ大会となったが、この試合も例外ではなかった。

 浦和学院はセンバツの大阪桐蔭戦でも好投した2年生山口、春日部東は左腕・熊谷が先発する。試合は両投手の好投もありお互い無得点が続くが、4回試合が動く。

 4回裏、1死から4番・笹川の当たりはライトライン際へ落ちる。笹川は自慢の俊足を活かしこのヒットを2塁打とすると続く石橋がライト前へ打ち返し浦和学院が1点を先制する。

 だが、その後は熊谷の好投の前に無得点に抑えられると流れは徐々に春日部東へ傾く。6回表、この回先頭の松尾が左中間へ3塁打を打つが、1死後3番・西村を迎え2球連続でスクイズを敢行するが失敗しこの回は無得点に終わったが、最終回だった。

 この回先頭の及川が左中間への2塁打で出塁すると、2死後、5番・若月が初球にポンとバットを出すと打球はライト前に落ちる。春日部東が土壇場で同点に追いついた。

 だが、その後さらにギアを上げた浦和学院・山口の前に1安打無失点に抑えられると浦和学院が裏攻めということもあり防戦一方となる。12回、13回、そして15回とスコアリングポジションにランナーを進めるがあと一本が出ない。15回裏は2死2塁で4番・笹川の当たりはライナーで3塁線を襲うが、サード阿葉家が横っ飛びでキャッチし試合終了。引き分けで翌日に持ち越しとなった。

 春日部東はこれで延長15回引き分け再試合が2回目となるが、この日はとにかく熊谷の好投に尽きる。ロースコアに持ち込めば浦和学院が相手でも勝機を伺える。春日部東の選手達にも自信が芽生えたのではなかろうか。

 一方の浦和学院はこの日も3盗塁と機動力は使えている。だが、この日は9回まで4安打と熊谷に抑え込まれた格好だ。それにしても浦和学院打線がこれだけ熊谷に苦しむとは意外だった。確かに熊谷は良い投手だ。彼の球の出所が見づらいフォームと球質を考えると左打者は厳しい。フォローするつもりはないがセンバツ以降打線も下降気味では今が底なのであろう。

 だが、この日対戦した熊谷は明治神宮大会で対戦した愛工大名電・濱田のような絶対的な投手ではない。元々浦和学院打線は変則投手を苦にする傾向があるが、どうも今年に限って言えば打順にも問題がありそうだ。竹村、林崎、佐藤、笹川、石橋とチームのキーマンが軒並み上位に並んでおり4人が左打者だ。夏までに笹川以外の右打者が成長しない限り夏も今日のような試合が出てくるのではなかろうか。

 いずれにせよ、上尾戦やこの日の対戦での結果で他の高校に勇気を与えてしまったのも事実である。このままだと夏浦和学院は緩いカーブを持つ右サイドの投手や左の変則的な投手ばかりと対戦することとなるであろう。そういうことにならないよう、今後はこういうタイプの投手から結果を出していきたい所だ。

◇再試合は雨天ノーゲームに

 5月1日延長15回引き分けに終わった浦和学院と春日部東の再試合は、春日部東がエースの右サイドの田中、浦和学院は佐藤が先発する。

 試合は初回浦和学院が竹村、林崎の連打で無死1、2塁とチャンスを作るが佐藤以下後続が凡退しこの回無得点で終わると、春日部東が押し気味に試合を進める。3回裏に西村、及川の連打にダブルスチールを決め無死2、3塁とする。ここは佐藤が踏ん張り2死とするが、6番・小山のサードゴロを山根がエラーし春日部東が2点を先制する。

 浦和学院も4回表に明石のタイムリーで1点を返すと6回には笹川が1死からセンター前ヒットで出塁すると2盗、3盗を決め1死3塁とする。ここで山根に代わり途中から守備に入った木暮がレフトへ犠牲フライを打ち2-2の同点とする。

 しかし試合は、天候不良により結局その裏、春日部東の攻撃中無死1塁で雨天ノーゲームとなった。このゲームの再試合は5月4日。準決勝進出をかけて、浦和学院と春日部東が三度対戦する。

(高校野球ドットコム)

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