【写真】強靭な肉体で軽々とスタンドインさせる浦和学院の内藤
第108回全国高校野球選手権埼玉大会がは8日、県営大宮で139チーム(150校、連合3チーム)が参加して開幕する。
今夏の優勝候補筆頭は、春季大会で県を制覇し関東大会で準優勝した浦和学院、春のセンバツで23年ぶりに8強入りした花咲徳栄の両Aシード校。Bシードの昌平と立教新座、Cシードで秋4強の上尾、浦和麗明が後を追う。Dシードには大宮東、熊谷商をはじめ5校の公立校が入り、躍進に期待がかかる。
前年王者の叡明はノーシードから巻き返しを図る。甲子園の土を踏むことが許されるのは、139チームの頂点に立った1チームのみ。夢舞台への切符を巡る激闘の行方を四つのゾーンに分けて展望する。
浦和学院-秀明英光ゾーン「浦学軸に実力校多数」
春の県王者に待ったをかけるチームが現れるかどうか。優勝候補筆頭のAシード浦和学院に、Cシード秀明英光やDシード春日部共栄、熊谷商をはじめとする実力校が挑戦する構図になりそうだ。
県内随一の強力打線を誇る浦和学院は、投手層も厚く投打に隙がない。春季県大会でチーム打率は4割を超え、玉榮や内藤ら一発がある打者も多い。投手陣は最速147キロのエース日高を柱に佐々木、西村、伊藤ほか枚数がそろう。春の関東大会で得た経験も大きい。
浦和学院の対抗馬として有力なC、Dシードの3校は、それぞれ好投手を抱えている。万全の状態でぶつかり、波乱を起こしたい。
秀明英光は右腕草津が投手陣の中心。多彩な変化球を操り、9回を投げ切るスタミナもある。左腕大矢は緩い変化球が武器。昨夏、滑川総合が浦和学院を破った時と同じく、左の軟投派がキーマンになるか。
春日部共栄は今年のドラフト候補で最速140キロ左腕前田を擁する。昨秋には花咲徳栄を相手に9回3失点と好投した。熊谷商は左腕大久保が絶対的エース。決め球のスライダーを武器に昨秋8強の原動力となった。
ノーシードからは早大本庄、慶應志木、武南など安定して成績を残している私学が番狂わせを狙う。シード校を破り、4強に駒を進められるか。
浦和麗明-立教新座ゾーン「シード勢中心に混戦」
今春の県大会で25年ぶりに4強に入った立教新座がBシードに座り、昨秋に創部8年目で初の県4強と成長著しい浦和麗明がCシード。Dシードには地力のある公立校の大宮東と、安定して上位に食い込む私学の埼玉栄が入った。シード勢同士の力が拮抗しており、最も4強争いが激化しそうなゾーンだ。
立教新座は春季県大会で東農大三、春日部共栄、浦和麗明と力のあるチームを次々と破り準決勝まで勝ち進んだ。1番三ツ橋、3番赤沢らパンチ力のある打者が並ぶ打線に、積極的な走塁も絡め果敢に得点を狙う。投手陣はエースで主将の筒井を軸にした継投で、粘り強く失点を防ぎたい。
春の雪辱に燃える浦和麗明は、扇の要を務める主将の前田を中心に守備から流れをつかむ。エース剱持を含む左腕4枚が並ぶ投手陣は安定感抜群。前年王者の叡明とぶつかる初戦が最初の山場。激闘を乗り越えて勢いをつけたい。
混戦模様は、久方ぶりの4強入りを目指すDシード勢にとって追い風となるだろう。例年以上に投手陣が充実している大宮東は7年ぶりの4強入りを狙う。岸マ、本勝、木村のエース格の右3枚で試合をつくる。埼玉栄は上位から下位まで切れ目のない打線で春季大会はチーム打率4割を記録。準優勝した2009年以来、17年ぶりの4強に手が届くか。
昌平-山村学園ゾーン「強豪ひしめく激戦区」
昨夏の16強のうち9校がこのゾーンに集まった。強豪ひしめく激戦区で各チームがしのぎを削る。4強争いで一歩先を行くのは、2年連続で夏の決勝に進んでいるBシード昌平。春の県大会で浦和学院と1点差の接戦を演じたCシード山村学園が後を追う。
昌平は出塁率が高い1番大倉、一発がある3番斎藤ら前チームの主力野手が多く残り、打線は県内トップクラス。投手陣はエース佐藤佑を中心に継投で相手打線を抑え込む。初戦の相手は同じく強力打線が自慢の聖望学園。厳しい組み合わせを勝ち上がれるか。
山村学園は初戦敗退の秋から春は県8強と、夏に向けて成長曲線を描いている。攻撃の火付け役である1番畠山、3番松本の出塁が鍵。投手陣は最速144キロの速球派左腕亀田が引っ張る。
シード校が順当に勝ち上がれば、5回戦で山村学園とぶつかるのはDシードの西武台。堅実さを武器に昨夏準々決勝のリベンジを果たし、初の4強まで駆け上がる。60年ぶり夏シードの浦和は初戦で獨協埼玉と対戦。力がある相手だが、シード校の意地を見せたい。
ノーシードにも前回4強の浦和実や同8強の山村国際、伊奈学園、川越東などシード校と遜色ない実力校がひしめき、虎視眈々と上位進出の好機をうかがっている。
上尾-花咲徳栄ゾーン「公立校と私学が火花」
春夏連続の甲子園出場を狙うAシード花咲徳栄が頭一つ抜けた存在。すぐ後ろに秋4強のCシード上尾がつけている。Dシードには川口市立と市浦和が入り、4強争いは花咲徳栄を公立のシード3校が追う展開が予想される。
花咲徳栄は春の県大会で左腕古賀と右腕石田、長谷川の2年生投手陣が好投し、絶対的エースの黒川頼りを脱却。切れ目なくつながる打線は1番岩井、4番佐伯が勝負強く打点を稼ぐ。主将の本田ら下位打線にも一発があり、全国レベルの攻守で挑戦者を迎え撃つ。
上位は伝統の手堅い守備に加え、完投能力に優れたエース辻岡、長距離砲の関谷と菊池など攻守に役者がそろう。昨秋に浦和学院、春は昌平に1点差で惜敗しており、あと一歩届かなかった強豪私学の壁を破りたい。
市浦和は軟投派左腕小林と速球派右腕大戸の二枚看板で守備から粘り強く戦う。両投手が中軸に入る打線が奮起し、第1目標の16強を目指す。川口市立は得点源となる3番栗原、4番嶋埜にチャンスで打席を回し、打ち勝ちたい。
ノーシードには準優勝経験を持つ松山と鷲宮、1997年に県4強入りした春日部工など公立の伝統校と星野、細田学園、正智深谷など力を伸ばしつつある私学が入り交じる。それぞれの誇りを懸けた熱戦が序盤から繰り広げられる。
(埼玉新聞)

