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浦和学院、聖望学園破り決勝進出 秋季県高校野球

 (6日・県営大宮)

 第7日は準決勝を行い、4連覇を狙う浦和学院と、4年ぶりの優勝を目指す花咲徳栄の両Aシードが決勝進出を果たし、選抜大会への最終関門となる関東高校大会(27~31日・群馬)への出場権を獲得した。

 浦和学院は関東高校大会出場、決勝進出ともに4年連続14度目。花咲徳栄はともに2年連続8度目。両校の決勝対決は2年連続6度目となる。

 浦和学院は同点とされた直後の八回、1死満塁から斎藤の右前打で勝ち越すと、小島の2点適時打で聖望学園を4-1と突き放した。先発小島は制球が良く、被安打2で1失点完投。花咲徳栄は一回に若月の適時打などで2点を先制。1点差とされた三回には古川の中前打で1点を追加し、川越東を3-1で振り切った。先発関口は8安打浴びたものの要所を締めた。

 決勝は7日、県営大宮球場で午前10時から行われる。

◇小島快投 2安打完投

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【写真】聖望学園打線を2安打に抑え、完投した浦和学院の小島(埼玉新聞)

 1年生小島の快投が、浦和学院を4年連続の関東大会へと導いた。ここまでの3試合で27得点と強打を誇る聖望学園をわずか2安打に抑え1失点完投。「きょうは小島に尽きる」と森監督を思わずうならせた左腕は「最後の一人まで集中できていた」と拳を握った。

 高い修正能力を見せつけた。上尾との準々決勝では、一回に6安打を浴び3失点。だがこの日は違う。「先頭の1球目から百二十パーセントで投げろ」と森監督のげきに応え、立ち上がりからエンジン全開だ。130キロにも満たないが、打者の手元で伸びる上質な直球で打者の内角をえぐった。

 「とにかく腕を振る」と四回まで41球、3人ずつで切って取った。七回に完全に打ち取った投ゴロを自身が一塁へ悪送球し、同点とされたが「絶対に逆転されてはダメだ」。自らに言い聞かせ、続く2死二、三塁の大ピンチでもひるむことなく内角直球勝負。初球で遊飛に仕留めた。

 打線が応えたのは直後の八回。山根、高田の連打などで1死二、三塁を築くと渡邊が2度スクイズを失敗しながらも四球を選び満塁。ここで斎藤の右前打で勝ち越すと、背番号1が打席でも魅せる。2球目を中前にはじき返し、自身を強力に援護する2点を追加した。「まずは明日。勝つことだけ」とチームの思いを代弁する小島。浮かれることなく目の前の試合に全力を誓った。

◇泥くさく決勝打 斎藤

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【写真】8回表浦和学院1死満塁、斎藤が右前に決勝打を放つ。捕手中島(埼玉新聞)

 浦和学院の7番斎藤が前の試合の悔しさをぶつける決勝打を放った。

 1-1と追い付かれた直後の八回。仲間がつないでくれた1死満塁の絶好機に燃えないわけがなかった。準々決勝の上尾戦では、九回の無死満塁で空振りの三振に倒れている。それだけに「不安もあったけど全力で、がむしゃらに、必死に食らい付いた」。2球目の内角低めのツーシームを振り抜き右前に運んだ。

 打撃とガッツを買われて県大会からメンバー入り。この日は3安打と、下位には欠かせない左の強打者だ。「とにかく一球に対して泥臭くいきたい」。自身初となる決勝の舞台でも、持ち味を存分に発揮するつもりだ。

◇一瞬の勝機で凡退 聖望学園

 劣勢の中、勝利の女神がほほ笑みかけたのは一瞬だった。しかし、聖望学園はその手をうまく招き寄せられず、浦和学院に完敗。岡本監督は「やったらあかんミスで流れを渡してしまった。それを理解できていない。もったいない」と悔やみ切れない様子だった。

 最大のヤマ場は0-1の七回だった。敵失で労せず同点に追い付き、さらに2死二、三塁と勝ち越しのチャンス。相手は動揺している。ここまで1安打に抑えられていたことを考えれば、何が何でも点を取りたい場面だ。

 しかし、8番田畑は初球に手を出し、簡単に内野フライを上げてしまった。「ゴロを打てば全然違うのに」と岡本監督。二回にも2失策が絡んで先制点を与えており、捕手の中島は「チーム全体として一個のミスを防げなかった」と反省する。

 七回まで7安打を浴びながら1失点で粘っていたエース川畑も結局八回につかまり、「詰まらせても抜けていっちゃう。力不足だった」と受け入れた。田畑は「徹底力を鍛えたい」とひと言。接戦だっただけに小さなミスが目立つ結果となった。

◇決勝みどころ

 2年連続の決勝対決。4連覇を狙う浦和学院か、夏のスタメンが6人残り必勝を期す花咲徳栄か。昨年は浦和学院が終盤に突き放し11-3。戦力的には互角だが今回はチームの仕上がり具合で花咲徳栄がやや優位か。

 打線の奮起が勝敗の鍵を握る。浦和学院は、夏の甲子園以来の1番に戻った竹村が出塁し中軸、下位へとつなげていきたい。花咲徳栄はここ2試合のように、序盤で得点を奪えるか。絶好調の4番若月の前に走者を置けるかがポイント。

 先発は疲労などを考慮し両エースは温存と見る。浦和学院は右腕涌本、花咲徳栄は右腕木暮または左腕小栗と予想。両チームとも堅守なだけに、投手はテンポよく打たせて取り、打線に好リズムをもたらしたい。浦和学院・高田、花咲徳栄・若月の両捕手の駆け引きにも注目だ。

(埼玉新聞)

■準決勝(10月6日)

浦和学院
010000030=4
000000100=1
聖望学園

【浦】小島-高田
【聖】川畑-中島

【浦和学院】
⑥竹 村5-0-0
⑧服 部5-1-0
③山 根5-1-0
②高 田4-2-0
⑤木 暮2-1-0
⑨渡 邊3-0-0
⑦斎 藤4-3-1
①小 島2-2-2
④ 贄 3-1-0

(打数-安打-打点)

安 打:浦11、聖2
失 策:浦2、聖2
三 振:浦0、聖4
四死球:浦2、聖2
盗 塁:浦2、聖0
犠 打:浦4、聖1
併 殺:浦0、聖2
残 塁:浦8、聖5

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