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センバツ二重奏・浦和学院(上)「絶体絶命で王者の意地」

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【写真】秋季県大会準々決勝で上尾に逆転サヨナラ勝ちし、喜びを爆発させる浦和学院ナイン=2012年10月4日、県営大宮球場(埼玉新聞)

 第85回選抜高校野球大会は昨秋の関東大会で決勝を戦った浦和学院、花咲徳栄が文句なしで選出された。埼玉から2校が選ばれたのは2003年の両校以来、10年ぶり3度目の快挙だ。浦和学院が県勢初となる3年連続9度目、花咲徳栄は3年ぶり3度目。一戦ごとに力を付けた浦和学院、圧倒的な力の差を見せつけた花咲徳栄。勝ち方は対照的だったが、互いに試練を乗り越えてつかみ取った“春切符”だった。

 昨年、夏の甲子園16強に進んだ浦和学院。3回戦で天理(奈良)に敗れたのが8月19日。9月に入れば、すぐに秋の地区大会が始まる。竹村、高田の三遊間、4番山根ら主力が残った新チームは、次なる目標の選抜大会出場に向け、急ピッチで準備に取り掛かった。

 時間が足りない中、8月23日から9月3日までの間に練習試合を15試合実施するなど、実戦を中心にチームづくりを行った。森監督は「関東に行ける行けないかギリギリのライン。あとは目に見えない部分がプラスに出るかどうか」と一定の手応えは得ていた。

 地区大会を順当に突破。第1シードで臨んだ県大会も2、3回戦を快勝した。ここまでの4試合で29得点、無失点と強さを発揮しているように見えたが、森監督は「急仕上げしたしわ寄せから、選手の状態が上向いてこなかった」と不安を抱いていた。

 上尾との準々決勝でそれが現実のものとなる。一回表、1年生エース小島が6安打を浴び、3点を先制された。打線は八回まで11残塁の拙攻で2得点。好機を逃し続けると、九回に3点を追加された。2-6。浦和学院の完全な負けパターンだ。

 ここで負ければ、3年連続の選抜出場は絶望的。土俵際に追い込まれて、ぴりっとしなかったナインの闘争心にスイッチが入った。最後の攻撃、勝負を諦めた選手はいない。森監督の指示も単純明快。「諦めてないんだな?じゃあ、アウトになるな」

 先頭の贄が中前打で口火を切った。打順は中軸に回る。打席のすごみに上尾の投手が押されたのか、四球、死球で無死満塁。球場の雰囲気がにわかに変わった。

 こうなると流れは浦和学院のもの。高田、木暮の連続タイムリーで2点を返すと1死後、押し出し死球であっという間に1点差。続く渡邊の放った鋭いゴロが二遊間を襲い、打球が二塁手のグラブをはじいて、転々とする間に2者が生還し、一気の5得点で逆転サヨナラ勝ちとなった。

 珍しくナインは感情をむき出しに喜びを爆発させた。試合後の森監督も「奇跡だ」と興奮気味の第一声。竹村は「みんなが仲間を信じ、次に回そうとする思いが勝ちにつながった。絶対に負けてたまるかと思っていた」と力を込める。

 本来なら準々決勝で秋は終わっていた。しかし、王者の意地とプライドが絶体絶命のピンチを乗り越えた。この勝利が選抜出場への大きな転機となった。

(埼玉新聞)

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