【写真】対戦が決まり土佐高の織田真史主将(右)とガッツポーズする浦和学院高の山根佑太主将(埼玉新聞)
第85回選抜高校野球大会(22日から13日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が15日、大阪市内で行われ、浦和学院と花咲徳栄の対戦相手が決定した。ともに2回戦からの登場で、3年連続9度目出場の浦和学院は第3日第3試合で20年ぶり7度目の土佐(高知)と、3年ぶり3度目出場の花咲徳栄は第6日第3試合で18年ぶり27度目の県岐阜商と、それぞれ対戦する。
3季連続甲子園、3年連続で関東王者として乗り込む浦和学院は、エース小島を中心に一戦ずつ力を付けて勝ち上がった。21世紀枠で選出の土佐は「全力疾走」が伝統の古豪。花咲徳栄は関東大会決勝では浦和学院にサヨナラ負けしたが、投打で戦力が充実し、過去最強チームとの呼び声も高い。県岐阜商は51年ぶりに東海大会を制し、甲子園通算83勝を誇るこちらも伝統校。
初戦に向け、浦和学院の森士監督は「しっかりコンディションを整え、いい形で臨みたい」と決意を述べ、花咲徳栄の岩井隆監督も「伝統校と対戦したかった。自分たちの野球ができるかどうか」と力を込めた。
◇“敵地”の戦い警戒
土佐と言えば「全力疾走」で有名な古豪。初戦が行われる第3日は日曜と重なり、浦和学院の森監督は「素晴らしい伝統のある学校。完全アウエーになると思う。のまれないようにしないといけない」と警戒を強めた。
だが3季連続甲子園、3年連続の選抜出場を勝ち取った浦和学院ナインの経験と実力を持ってすれば何ら問題はない。
相手が見え、初戦まであと8日。森監督は「調整遅れでピッチを上げてきた。実戦感覚を取り戻しながら、しっかりコンディションを整えて、いい準備をしたい」と、まずは初戦突破への確固たる道筋を描く。
昨年は春2勝、夏2勝の計4勝を挙げ、一つの壁を越えた。さらなる上のステージへ、主将の山根は「相手も強いと思うので、勝つための準備を一人一人が意識してやり、束になって戦う。いつも通り一戦必勝です」と拳に気合を込めた。
◇打線の中軸は長打力に定評 土佐
21世紀枠。20年ぶり7度目の出場。1920年創立の私立共学。モットーは全力疾走、右文尚武。夏も4度出場。春、夏に1度ずつ準優勝に輝いている。学校のOBには尾崎正直高知県知事、漫画家の黒鉄ヒロシ氏ら。
四国大会出場の原動力となったエース右腕宅間が腰に不安を抱えるだけに、右横の高橋、右下の畠山らへの継投となりそうだ。チーム打率は2割7分4厘と高くないが、織田、南、久保田の中軸には長打力がある。1番森下も好打者。守備は捕手南を中心にまずまず。内野陣がやや不安定か。
◇浦学は3回戦が最初のヤマ 徳栄、強豪揃い激戦必至
埼玉県勢2校の実力は4強以上を十分に狙える。上位へ勝ち進むには浦和学院、花咲徳栄ともに大阪勢との対戦が予想される3回戦が最初のヤマになりそうだ。
関東王者の浦和学院は初戦の土佐(高知)を突破すれば、順当ならば3回戦で近畿大会8強で攻守のレベルが高い履正社(大阪)とぶつかる。ここを突破すると上位への道が開ける。
浦和学院の4強までのブロックはほかに、攻撃力で近畿大会を制した京都翔英、敦賀気比(福井)、沖縄尚学など実力校がいる。
花咲徳栄は強豪ゾーンに入った。初戦の県岐阜商は東海大会優勝校。3回戦では史上初の3季連続甲子園大会制覇に挑む大阪桐蔭が相手になりそう。昨年の春夏連覇に大きく貢献した捕手の森友主将を中心とした強力打線が看板だ。
準々決勝は済美(愛媛)-広陵(広島)の勝者との対戦が有力。済美の安楽は大会ナンバーワン投手との呼び声が高い。
昨秋の明治神宮大会王者の仙台育英(宮城)も同じブロック。昨夏も4番を務めた上林主将を筆頭に、一度打線に火が付くと止まらない。投手陣もまとまっており、総合力は高い。
このゾーンは明治神宮大会準優勝の関西(岡山)や、強力打線で四国を勝ち抜いた高知、近畿大会で大阪桐蔭を倒した報徳学園(兵庫)など実力校がそろっており、激戦は必至だ。
(埼玉新聞)