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浦和学院、山形中央に快勝 センバツ2年連続8強

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【写真】6回、左越えに本塁打を放つ浦和学院・高田=甲子園(サンスポ)

 浦和学院(埼玉)が東北絆枠の山形中央(山形)を中盤に突き放し、14安打11得点で大勝。2年連続で準々決勝へ進んだ。

 浦和学院は一回先頭の竹村が右前打で出塁し、続く贄が左中間へ適時三塁打を放ち先制。続く山根も三塁への適時内野安打で2点目を挙げた。1点差に迫られた六回、先頭の高田が左翼ポール際へソロ本塁打、さらに二死二、三塁から服部の2点適時打で5点目を奪い突き放した。七回にも高田の適時二塁打で1点を加えると、八回には竹村の右翼線2点三塁打と贄のスクイズ、木暮の左中間2点三塁打で5点を加え、ダメを押した。

 先発の2年生左腕・小島は、走者を背負っても内角を突く強気な投球で8回1失点。九回は山口が締めた。

 山形中央は2点を追う五回、二死から高田の死球、今野の右前打で一、二塁から高橋凌の右前適時打で1点差に迫り、なおも熊谷の死球で二死満塁としたが中村が空振り三振で同点はならず。6回以降は投手陣が打ち込まれた。

 浦和学院の森監督は「中盤に苦しい展開だったが、高田が打って勢いがついた。選手は甲子園の舞台で臆することなく、段々と乗ってきている。一戦必勝の思いを忘れずに試合に臨みたい」と選手を評価した。

(サンスポ)

▽小島和哉投手
 「勝てたことが一番うれしい。四死球が多かったのがちょっとよくなかったですが、自分で出したピンチは自分が抑える気持ちで投げました」

◇高田つなぐ意識でソロ弾

 浦和学院(埼玉)が、14安打11得点で東北絆枠で出場した山形中央を圧倒した。

 1点差に迫られた直後の6回無死、4番高田涼太内野手(3年)が左翼席へソロを放った。4番が3安打2打点で打線を引っ張ると、エース小島和哉投手(2年)は8回4安打1失点で要所を締めた。

 昨秋まで主将を務めていた高田は「4番だけど、2番バッターのような、つなぐ打撃を意識しています」と喜んだ。

(日刊スポーツ)

◇浦和学院・小島、5四死球に不満

 浦和学院のエース小島は、五回に死球から連打を浴びて1点差に迫られるなど5四死球。8回1失点とまずまずの結果だったが「無駄な四死球が多かった」と納得がいかない様子だった。

 中1日で北照と4強を懸けた戦いに臨む。同じ左腕で軟投派の北照・大串と投げ合うことに「胸を借りる気持ちで投げたい。一つの失投で試合が決まるので魂を込めたい」と意気込んだ。

(サンスポ)

◇浦和学院・小島、5回2死後の死球を反省

 浦和学院の小島は5回に反省しきりだった。「無駄な走者を出したくないのに。永遠の課題です」。2死後に与えた死球だ。内角を突く投球を心がけるあまり、スライダーが指にかかりすぎてしまった。これでつい投げ急ぎ、連打されて1点を失った。次戦の北照は、どんどん振ってくる、という印象がある。「1球1球、魂を込めないと」と表情を引き締めた。

 ○森監督(浦)「中盤に追加点が取れなかった中で、(本塁打の)高田が難しい球をよく打ってくれた。あれで勢いづいた」

 ○贄(にえ、浦)1回、先制の左中間三塁打。「一塁走者とのヒット・エンド・ラン。転がそうと思ったけど、上がってしまった。抜けてよかったです」

(朝日新聞)

◇4番高田、打線に火 浦和学院、「元主将」が一発

 2-1と1点差に迫られて迎えた六回、浦和学院の4番高田が先頭で打席に入った。1ボール2ストライクから内角直球を振り抜き、左翼ポール際へ飛び込む豪快な当たり。ソロ本塁打でダイヤモンドを一周した。

 「狙ってはいなかった。入るとも思わなかったが、芯で捉えることはできた」と高田。相手の追い上げムードを、主砲が一振りで瞬時に消した。続く木暮の内野安打で山形中央は投手交代。これをきっかけに浦和学院の打線が火を噴き、一方的な展開に持ち込んだ。

 高田は昨秋発足した新チームで主将に指名された。夏の甲子園で本塁打を放つなど、経験豊富なリーダーとして森監督は期待を懸けた。関東大会も優勝。ところが、秋の明治神宮大会後に交代を告げられた。怒りっぽい性格で、ナインをまとめきれなかったのが理由。今でも苦さの残る忘れられない出来事だった。

 それでも腐らず、バットで結果を積み重ねてきた。この日は2年生左腕の小島が五回に失点後、ベンチで声を懸けた。「俺が取り返してやる」。そして有言実行のアーチ。小島はリードを広げた六回から八回まで1安打と立ち直った。

 チームは2年連続で8強入り。昨春1点差で4強入りを阻んだ相手は、その後春夏連覇を果たした大阪桐蔭だった。「厳しい戦いが続くが、自分の役割を果たしていきたい」と高田。次の北照戦にも燃えている。

(時事通信)

◇リーダー2人 大勝を演出

 大会前、森士監督は何度も不安を口にしていた。「このチームにはリーダーがいない」。昨秋まで主将だった高田涼太選手(3年)と、現主将の山根佑太選手(同)にとっては、力不足だと言われているようなものだ。

 しかし、この言葉をはね飛ばすように、強打の2本柱がそろって3安打と活躍し、大勝劇を演出した。

 誰よりも元気に仲間を引っ張る高田選手。常に冷静で、言葉よりもプレーで示す山根主将。対照的な2人は、昨年から主軸に座り続けてきた。しかし、主将としては、チームをまとめ上げる難しさに悩んだ。

 昨夏の主将と比べると、差は歴然だった。「どんなに苦しい練習も自ら率先し、厳しいことも言えた」(山根主将)。「ただ怒るのではなく、みんなに伝える力があった」(高田選手)。前主将は、選手としての実力はもちろん、リーダーとして十分な力があった。

 自分に出来ることを続けていこう――。山根主将は早起きして黙々と自主練習に励み、高田選手は周囲に気遣いながら人一倍声をかけ続けた。

 この姿勢は試合でも表れた。高田選手は6回表、1点を返された直後のベンチでエース小島和哉投手(2年)に「おれが取り返してやる」と宣言。約束通りに本塁打を放って試合の流れを引き寄せた。

 山根主将は大振りせずに次打者へつなぐ打撃に専念。鋭い打球を広角に打ち分ける3安打で、後続の長打を呼び込んだ。それぞれの持ち味が光った打撃が、打線爆発に火をつけた。

 悲願の頂点まであと3勝に迫った。「昨年のチームには遠く及ばない」と語っていた辛口の森監督が「甲子園に臆することなく、乗ってきた。イメージ通りの野球ができている」と手応えを口にした。

 さらに、2人の働きには「今年のトップリーダーは1人ではない。明るい高田、冷静な山根。自覚が出てきたのでは」と目を細めた。力強い先導で、チームは一戦ごとに進化している。

《浦和学院・山根佑太主将》 5回まで初回の2点のみで浦学らしい攻撃ができなかったが、高田の一発で流れが変わった。小島はキレのある球でピンチをしのいでくれた。次も切れ目のない攻撃を見せたい。

《浦和学院・森士監督》 中盤は点が取れず苦しい中、高田が打ってくれて勢いがついた。小島も落ち着いて投げてくれた。勝っておごらず、でも気負わず、甲子園でプレーできることに感謝して次に臨みたい。

(朝日新聞埼玉版)

◇浦学主将クビの高田が約束1発

 浦和学院(埼玉)は1点差で迎えた6回に元主将の高田涼太内野手(3年)の1発が飛びだし、山形中央に大勝、2年連続のベスト8を決めた。

 男の約束は守る。それが目指してきた姿だった。5回に1点差に迫られた直後、4番高田は2年生エース小島に声を掛けた。「オレがとってやるぞ」。初戦からピンチで踏ん張り続けた細身の左腕に、してやれることは何か。

 続く6回、先頭打者として打席に立った。カウント1ボール2ストライクから、内角直球を振り抜く。浜風に乗った打球が、左翼ポール際に飛び込んだ。「体を開かずに打つことができた」と持ち前のパワーをボールにぶつけた。約束の1発に、一塁を回るとガッツポーズが飛び出した。

 熱い気持ちを持つ、元主将だ。昨秋の明治神宮大会まで主将だったが、12月半ばに“クビ”になった。チームを思う気持ちが空回りして、仲間に対しても、怒り、切れやすかった。「チームの先頭に立って、引っ張りたい。今でも悔しい」と言う。

 主将を山根に譲り、失意の中、冬の練習に励んだ。1キロのバット、竹バットを振り続けた。森士監督(48)は「高田を主将にすると、みんな高田に頼りすぎる。本来はリーダーシップを持っている選手。夏には戻す可能性がある」と狙いを説明する。4番のソロで勢いに乗った打線は、11得点で快勝した。

 決戦の朝は勝負飯の、力うどんをペロリ。こんな1発があれば、周囲の信頼はすぐに戻る。まだまだ続く勝負へ、「男・高田」の存在が心強い。

(日刊スポーツ)

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