◇「職人」タイプの俊足 臺浩卓二塁手(2年) |
浦学ナインの中では1、2を争う俊足の持ち主。身長169センチとチームの中では比較的小柄だが、攻守とも抜群の運動能力を生かしたプレーで流れを呼び込む「職人」タイプの選手だ。
出塁すれば持ち前の走力で相手をかき乱し、秋の公式戦では4盗塁をマーク。守備は主将・津田翔希遊撃手(2年)、山崎滉太一塁手(同)とともに、昨夏のレギュラー組の一人として内野を固める。特に津田主将との連携は、守りからリズムをつくるチームにとっての「生命線」だ。
打率は3割1分9厘だが、昨秋の明治神宮大会決勝・仙台育英(東北・宮城)戦では、0-1で迎えた三回に同点打を放ち、勝負強さを印象付けた。試合には負けたが、「全国クラスの投手から打てたことは自分にとっての収穫」と自信を深めた。
現チームには大型選手が見当たらず、実力を最大限発揮するためには、選手全員が「つなげる意識」を持って守備にあたることが重要と考えている。甲子園でも「どんな速い打球も取ってアウトにする」と闘志を燃やしている。
◇果敢に三振を狙う 小倉匡祐投手(2年) |
昨秋の関東大会準決勝が公式戦初登板。決勝の木更津総合(神奈川県)戦では江口奨理投手(2年)に代わって先発し、奪三振10の失点1(自責点は0)で投げ切った。堂々の初完投勝利を飾る活躍でエースに次ぐ座をグッと引き寄せ、投手陣に厚みを加えた。
直球は最速138キロで、持ち球はスライダー。勢いのある投球で果敢に三振を狙うタイプで、打たせて取るピッチングの江口投手とは対照的だ。
明治神宮大会の決勝では、五回に暴投して勝ち越し点を献上。勝負どころでの制球力に課題を残したが、「甲子園までに力みを取る投球を身につける」と練習に励む。新しい変化球の習得にも意欲的で、「江口ばかりに任せてはいられない。ここぞという時に登板してチームを支える」と意気込む。
目標の選手は、2年前のセンバツで浦和学院を初の全国制覇に導いた当時のエース小島和哉投手(3年)。引退後もつきっきりで指導してくれた先輩のためにも「感謝の気持ちを忘れずにプレーし、全国制覇を狙う」と夢舞台での活躍を期す。=おわり
(毎日新聞埼玉版)