21日開幕の第87回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が13日、大阪市で開かれ、浦和学院の初戦の相手が決まる。初優勝した2013年以来2年ぶり10回目の出場。昨秋は、5回目の関東大会優勝を果たし、明治神宮大会でも準優勝と波に乗る。一昨年の再現が期待される。
◇江口・小倉の両左腕投手注目 |
注目は、昨秋エースナンバーを背負った江口奨理投手と、急成長した小倉匡祐投手の両左腕だ。江口投手はカーブやチェンジアップを丁寧に織り交ぜ、打たせて取る投球で関東大会では2試合連続の完封。対照的に小倉投手は力強い直球と切れのあるスライダーを武器に、同大会決勝で10三振を奪った。
打線は、一昨年夏の甲子園を経験した津田翔希主将や関東大会準決勝でサイクル安打を達成した荒木裕也選手らを中心に、上位、下位打線を問わず、連打でたたみかける集中力が持ち味だ。
◇3年生の献身的指導 |
13年選抜大会のエース、小島和哉さんらを擁し、優勝候補と目された昨夏。チームは埼玉大会の3回戦で早々に姿を消した。直後、森士監督に「『補習』だ」と言われた小島さんら当時の3年生は、負け試合の午後から新チームの練習に参加。グラウンドを走った。
突然の負けに「あぜんとした」という外野手、木村聡一郎さんは「後輩にその時感じた悔しさを感じさせない」という思いで練習への参加を続け、得意な走塁について指導した。
引退した3年生の献身的な指導は、秋の公式戦の快進撃に結びついた。新チームは連戦連勝。選手らは「3年生のおかげ」と口をそろえる。関東大会の優勝時には、打撃投手を続けた小島さんを新チームのメンバーが胴上げした。明治神宮大会で優勝を逃した後も、卒業式間際までグラウンドにはいつも「選抜で優勝を」と願う、先輩たちの姿があった。
引退後も3年生が練習に参加するのは、約10年前からの伝統だが、今年度は早朝からの練習にも積極的に参加し、森監督が「これまででいちばん参加率が高く、よくやってくれた」と評するほどだった。
普段は物静かな津田主将が力強く言う。「テーマは勝負根性。全員で束になって勝ち、3年生に恩返ししたい」
(朝日新聞埼玉版)