第87回選抜高校野球第9日は29日、甲子園球場で準々決勝が行われ、第3試合は2年ぶりの優勝を目指す浦和学院(埼玉)と今秋ドラフト1位候補の好投手高橋擁する県岐阜商が対戦。浦和学院が5-0で勝ち、13年以来の4強入りを果たした。
試合は県岐阜商の高橋が直球を軸に、浦和学院の江口は変化球が冴えてともに6回まで無得点。浦和学院は、毎回のように走者を出すものの高橋に要所を締められ、県岐阜商は安打が7回まで出ず苦しめられた。
動いたのは7回、浦和学院が無死一、三塁から荒木の中前適時打で先制すると、1死二、三塁となって江口の中犠飛、2死三塁から諏訪の右前適時打で3点を奪った。8回にも無死二塁から山崎の左中間適時二塁打などで加点し、このまま押し切った。
浦和学院の左腕・江口は7回に安打されるまで県岐阜商打線を無安打に抑える快投、結局4安打で完封勝利を飾った。
県岐阜商は打線が初回1死一、二塁の先制機を逃すと沈黙、8回の好機もものにできず高橋を援護できなかった。連投の高橋は7回に3連打を浴びて今大会初の自責点を許すと、この後も失点を重ねた。
(スポニチ)
◇森監督、好投手高橋打ち崩し「振り負けていなかった」 |
浦和学院が今秋ドラフト候補の高橋を攻略、県岐阜商に完勝した。浦和学院の森監督は一言目に「選手がよく頑張ってくれた」と安どの表情。7回、先頭の幸喜が中前打で出ると、送りバントは選択せず強攻、高橋が右前打で好機を拡大し先制に結びつけた。「初回から積極的に振りに行っていた。ここも振りに行った方がいいと思った」と強気の策が奏功した。この後も、犠飛に適時打、8回にも打線がつながり終わってみれば11安打5点をもぎ取った。
7、8回の集中打に森監督は「しっかりスイングした中で、ボールを見極めることが出来ていた。振り負けていなかったのでチャンスは来ると思った」と終盤で連投だった県岐阜商・高橋をきっちり攻略した。
投げては左腕・江口が4安打完封、森監督は「2回から堂々と投げていた」と称賛、準決勝以降は「(周囲に)恩返しするためにも自分たちが楽しまないと」と2年ぶりの頂点を見据えていた。
(スポニチ)
◇荒木、柔軟な対応で均衡破る中前打 |
浦和学院の各打者は普段より指2本ほどバットを短く持ち、県岐阜商の好投手、高橋を攻略した。
七回は連打で無死一、三塁とし、7番荒木がスライダーをしぶとく中前に運んで均衡を破った。「中盤以降は変化球が増えていた」と速球狙いから柔軟に対応した。
荒木は下位ながら3試合で12打数6安打。「大会前の調子は良くなかったが、甲子園で大観衆に見られていることを喜びに感じるし、いい投手との対戦は本当に楽しい」と度胸の良さをみせた。
(サンスポ)
◇県岐阜商・高橋「完敗です」 |
11安打5失点と打ち込まれた県岐阜商の高橋は「完敗です。悔しいぐらい向こうが上だった」とさばさばした表情で振り返った。
1、2回戦で2桁三振を奪った投球が通用しなかった。直球の走り、変化球の切れも悪くなかったというが「外されても当ててくるし、三振が取れないバッターばかり。2、3巡目からはしっかり振り抜いてきた」と相手をたたえた。
主将として、エースとして楽しむことをテーマに臨んだ春の甲子園は「すごく楽しかった」。夏への課題を聞かれると「最後だし、勝ちにこだわって全国制覇です」と大会屈指の右腕は、きっぱりと言った。
(産経新聞)